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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2008/09/30 (Tue)


魔女とライのツーショット。
C.C.ちょっとやりすぎかな。
でもやりたかったので、やってもらいました。

C.C.×ライ(LC主人公)です。

お話は続きからになります。
拍手を送る


 

密かなやり取り



 

 仮の自室の扉に手をかけた、ライは僅かに違和感を感じ躊躇するが、


 

「何をしている?入ってきたらどうなんだ」
 
 扉を開けたのは、ルルーシュの部屋にいるはずのC.C.まるで自分の部屋のような物言いで部屋へと促すのに、やや呆れたような顔をして、ライが入る。
 扉を閉めるとあの独特な食べ物の匂いが部屋に広がり、部屋に入る前から眉を寄せたライは、その匂いの元に気づいていたようだ。 
 部屋の主が帰ってきたのにも関らず、C.C.が気にしたことかと奔放な態度で再びベットの上に寝転がる。
片手には好物でもあるピザを手にしそれを口に入れ、かぶりつく。
 注意をしても聞かないというよりもう既に慣れた光景に何も言えず、扉を閉めながら密かにため息をついたライへ何だとでも言うように一度視線が向けられるが、すぐさま読みかけの本へと戻る。


 

「随分と、慣れてきたようだな?」


 

 C.C.の近くを通って、ロッカーの前に来たライは、制服の上着をかけるためにハンガーを手にした時に言葉がかかる。
 顔をベットの上へと向けると、問いかけたはずのC.C.は本に視線を向けたまま、こちらを見ない。
 ハンガーに掛けた制服をそのままにして、ライが答える。


 

「ミレイさん達が手配してくれたおかげだ」


「そうか。容易に単独になれず、不満そうだな」


「そんなことはない。寧ろ・・・感謝してるくらいだ。けれど、不安もある」


 ライの言葉に不意に笑って、やっと、C.C.がライに視線を向ける。


 

「その不安はなんだ。あんなにもお前のことを気にしているのだぞ。お前の感じる不安要素は一体何だ?」


 

 黙ったままのライに一つため息をついて、再び雑誌に目を向けたまま口にした。


 

「分からないやつだな」

 

 そう言った後でライに反応があったので、視線をライに戻す。


 

「違う」

 

「何が違うんだ」


「僕は、まだ記憶喪失ということで、存在は不安定なままだ。だから」


 

「だから、不安が残ると、でも言うのか?」


 

 C.C.が何かを汲み取るようにして言葉を乗せると、ライがC.C.へと視線をまっすぐ見たまま、頷いた。しかし。


 

「馬鹿だな。お前は」


 

 そう切り捨ててC.C.が開いたままの雑誌を閉じてライに向き直るようにして、ベットの端から床下に足を下ろした。


 

「誰しも何かしら不安なものは持っているのは当然だ。お前は、自分というなの存在に揺らぎがあるだけだろう。けれど、此処に出会ったやつ等は何だ。そんなお前でも受け入れようとしている、なのに、お前はお前自身を否定して、逃げたいだけ、違うか?。今ある事実だけでは不安か?今のお前が後に記憶が戻ったとてどうなるかなんて誰が想像する、知らなかった事実をお前から見てもそれで変るほどのことなら、それまでのこと。今、お前の見えている目を信じてやればいい。それだけだ。簡単なことだろう」


 

 言葉の問いかけはC.C.らしい物言いだったが、確かにそこに温かみのある優しさをライは、言葉越しに感じられた。多分、彼女なりの励まし方なのだろうっと聞きながら、ライは思っただから、口に出した。


 

「C.C.」


「何だ?」


「ありがとう」


「礼を言うほどのことか」


 そう言ったC.C.の目は和らいだように細めた。


 

「それで、今見えている事実を受け入れる前に、決着つかなくてはならない問題がある」


「ほぅ」


 ライが食べかけのピザの入ったままの入れ物をC.C.の前に突きつけるようにして、


「コレのことについてだ」 


「そうきたか」


 いつかは言うとでも思ってたようにそう言って、僅かに残ったピザを見つめた。


「君が此処にいることは、既に日常化しつつあるから、敢えて問いたりはしない。ルルーシュの持ち寄ったあのぬいぐるみのことも」


「チーズくんだ」 


「・・その、チーズくんの置き場を此処に移したのも、互いの承諾もあって目を瞑る。だが、ベットでピザを食べることを許可をした覚えはない」


「細かい男だな」


「ピザの事で、ルルーシュにも、伝えたことなんだが、聞いていないのか」


 

「ああ、あれは、お前のことだったのか」


 

 改めてC.C.の扱い方に苦労している ルルーシュの姿を思い描き、それに共感しそうになったライに、C.C.が目を鋭められ、


「今、何か失礼な事を考えただろ」


 

 察しのいいC.C.の言葉を変えるようにしてライが言葉を変えるようにして、


「C.C.何もピザを止めろと言わない。ただ、少しだけ、控えてもらいたいと頼んでいるんだ」


「それが、人にものを頼む態度か」


「すまない。言葉が悪かった。ならば、C.C.。君はどういったやり方なら、条件をのんでもらえるんだ」


 その言葉に少し黙ってから、C.C.は口を開いた。


「そうだ。私一人ではなく、お前も条件と引き換えになら、聞いてやらんこともない」


 

「条件?」
 


  不審気に眉を潜めたライにC.C.は含み笑いを浮かべて立ちあがった。


「簡単な事だ」


 そう言って、ライの持つ箱の中から、一つピザを指して、


「お前がこれを食べるのが、条件。そうすれば、」


「条件をのむと、前はやらないとそう君に言われたはずだが」


「そう言った事もあったな。それで、この条件をのむかどうかは、お前次第だ」


 チーズが僅かに垂れたようにピザはその香ばしさを主張するのだが、ライとしては、それ以前の問題らしく、苦悶するように眉を潜めたまま、それを見る。
 食べないことをわかって敢えて言っているのだと、知っているライは、C.C.へと視線を寄こすが、C.C.は動じる様子もなくその視線を受け止めて、小さく笑う余裕さえ見せつけた。
 
「止めるか、この取引」


 受け入れられず、悩んでいるライに向けて、そう言うと、ピザを食せば条件をのむ等の色んな思考が頭をめぐり、


「いや、そうじゃない」


「ほぅ、では、お前の考えは一体どこにある?」


「・・・」


「何故、躊躇う。前にも言ったはずだろ。ピザ嫌いは記憶が関係するのか。それとも、私の勧めるピザはお前には合わないのか」


「C.C.、僕は」


「うまいのにな。もったいない事をする」


 不意にただ押された力と重力によって倒れたライは、起き上がろうと両膝をつき上半身を起こすのだが、その途中でC.C.がそれを遮るかのようにライの上に上がってきた。今度は見上げる立場となったライが怒った様に、


「何のつもりなんだ、C.C.」


「お前が、何か言い逃れをして逃げられると困るからな、逃げ道を塞いだまでだ」


 平然とした表情のままライを見下ろしながらそう言った。
 前以上に表情を読み取れるようになった事を、面白いというように小さく笑みを浮かべるC.C.とライの視線が交わる。沈黙と共に。


「そう、怖い顔をするな。綺麗な顔が台無しになるぞ」


 

「冗談は止めてくれないか。C.C.」


 

「冗談?ならば、これは冗談か?」


 

「ッ!?」


 すると、頬に長い髪が流れるように触れたと思ったら、息が触れそうなくらい二人の顔が縮まっていた。
 恋人同士のような甘さはないものの、体温だけは、感じ取れる程に距離は近く。妙な空気が流れる。

 数秒のたった後、コンコン、と軽妙なドアを叩く音がその空気を打ち破った。


「ライ、俺だ。お前のところに来ていると思うのだが、少しいいか?」


 ドアの向こうから、聞こえる声は、ルルーシュの声だ。


「迎えが来たぞ。行かなくていいのか?」


 

「・・・そうだな」


そう呟きながらも、C.C.は退く気配を見せない。その間も扉越しにルルーシュの声がかかる。


「ライ。居ないのか?」


 居るにも関らず、答えられないのはもどかしいが、見られたくないのか、それともライの中に何か止めるものでもあるのか、心に迷いが生じて言葉に表れる。


「C.C.・・・」


 

「気になるか?出なかったとしても、お前には何も影響もないだろう。それに、今此処で何かあったとしても、アイツにはそれを知る術はないのだからな」


 確かに、此処でなくても、後で済むことなのかもしれない。
 C.C.へと睨み付ける様に視線を鋭くさせていたのだが、今は、動揺するにその瞳が揺らいでいる。
 それを目の当たりにして、C.C.の口元が小さくつりあがったのだが、ライは思考を別に持っていっているためか気付いてはいなかった。C.C.としては、からかいで言った言葉なのだが、こうも反応があるのは面白い。


「ルルーシュ。ちょっと、待ってくれないか」


 

 戸惑いを拭うようにドアの向こうへと話しかける。その際、C.C.のつまらんっと零した言葉は、聞き流すことにした。
 扉の向こうから返事を聞き、視線を再びC.C.へと戻したライは、睨むでもなく力を強めたように正視すると、


「C.C.、もう気が済んだだろ?」


 既に其処にさっき程の動揺の揺らぎはなく、C.C.は退屈そうな表情を浮かべる。服の擦れる音とベットの僅かにきしんだ音が聞こえたと思えば、C.C.がゆっくりとライの上から退いた。
 僅かに息を漏らして、ライがベットから起き上がると、其処にC.C.が映った。


「さて、お前が応じないというのなら、あの取引は決裂だ。それで、お前も文句はないだろ」


 やはり、C.C.に翻弄されているようで、ライが何ともいえない顔で黙ったまま、C.C.を見る。


「・・・・・・」


「フッ、無言は肯定と言ってるようなものだぞ?」


 そう言って、ピザの箱を持ったまま、扉のドアへと向かった。


 

「行くのか?」


 

 背中越しに声を掛けられ、扉の前まできた、C.C.が振り返ると、


「なんだ、さっきは拒んだにも関らず、今度は引き止めるのか、矛盾してるぞ。お前は」


 思わず口に出した言葉だったのだが、その言葉に自分が未練がましいと思い恥じたのか、ライの頬を僅かに朱に染め顔を背ける、それをC.C.は目を細めながら、


「冗談だ。だがな、覚えておけ。私が来るのは、お前にとっても最良だと思って、来ているのも有るのだと」


 えっ、と少しだけ目を見開いて、視線をC.C.へとやったライに、フッと笑みを浮かべるようにして、C.C.は扉から廊下のほうへと消えた。ガチャリとしまった扉をしばし見つめて、再び、ベットに体を預けた。
 扉の向こうでは、ルルーシュとC.C.のあまりいいとはいえないやり取りを遠くに耳にしながら、ライは目を閉じる。
 部屋の片隅には、チーズくんの存在が主張するようにあり、そして、僅かに残されたピザの匂いに自然に眉が寄った。ライの悩みは記憶喪失だけには止まらず、また一つ厄介な悩みが出来たようだ。

    

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