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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2009/07/24 (Fri)
リヴァル誕生祝いの新婚さんごっこ。
リヴァルとライどちらも可愛い。というわけで、

リヴァル×ライです。
お話は、続きからになります。

拍手を送る



仕上げまで心を込めて


 遠い未来、自分には新しい家族があって、二人で暮らす住まいがあって、其処にちょっとした喧嘩や仲直りを繰り返して、再び絆を深める。


「と言うのを、俺は描いていたんだけどなぁ~」


 カウンターキッチンの向こう側にエプロン姿で立つのは、昔好きだったミレイでもなく、ましてや生徒会にいた中の女の子でもなく、他の可愛い女の子達でもない。姿勢よくまっすぐと伸びた背中、鍛えた身体を服の下に隠すことで細いせいかより華奢に見える肩や腰、料理中に僅かに揺れるだけの光沢のあるけれど触ると癖になる柔らかさを持つ銀の髪の主。
 そう、リヴァルの結婚相手は、男だった。


「何か言ったか?」


 ようやく背中を向けた後姿が振り返り、髪の色とは違う秘めた光を帯びた、見られればその瞳に吸い込まれそうなほどの銀が、リヴァルを映す。


「いや、ライの背筋が綺麗にまっすぐだなって、言っただけだよ」


 訝しげに思ったのか、ライは器用に片方の眉を上げただけで、すぐにリヴァルから料理のほうへと視線を戻しながら、声をかける。


「リヴァル」


 カウンター越しにそれを見ていたリヴァルは、やっと自分にかまう気になったのかと両手をカウンターに付いて、立ち上がる。


「何だ!」

「・・・君の近くに、調味料が並んで入ってるバスケットが見えるだろう?。其処から、ナツメグと表記されたものを取ってくれないか」


 リヴァルが横に視線を動かすと、確かに、調味料があるのが目にはいって、


「ああ・・・、ナツメグ。ええっと、これか?」


 若干落胆した声で、言いながら視線で探すようにしてそれを手にしたリヴァルは、近づいてきたライに手渡す。


「ああ、ありがとう」


 そっけなくライは、そのままキッチンの奥へと戻っていく。


「なぁ、用は他にないのか?。俺暇だから、手伝いがあるのなら、今のうちだけど」

「ん?ああ、用は他には・・・ない。料理が出来るまで君は普段どおりしていればいい」


 それを聞いたリヴァルはカウンターのテーブルに、手を置いてその上に顔を乗せて不満そうに唇を尖らせる。


「毎回そう言って、断るよな。そんなに、俺の舌が信用ないのか」

「味音痴なのだと聞いたことがあるのだが、違うのか」

「それは、否定できないけど」

「では、作った分、食べればいい。残さず食べてくれると、作り手としては、ありがたいことだが」


 料理中の作業を目で追いながら、リヴァルは、伏せた上体を起こして見るけれど、やはり、ライの視線は料理に向けられたまま、リヴァルには、背中しか見せてくれなかった。


「家事もそうだけど、身長とかもお前には負けてるよな。偶に、こっちから、積極的に抱きしめるといった行動を起こしても、スルーされるし」

「僕と君とでは、身長に差があるから、抱きしめるというよりは、抱きつくという方があってるだろうな」

「・・・・クソ、どうりゃ伸ばせるんだ。何か方法があるはず」

「それは無理だ」

「無理って、簡単に言うなよ。せっかく、方法を探してるところなのに」


 小さく息をついて、鍋の横につけた手にはお玉を持ったまま、身体を斜めにするようにして、リヴァルを振り返る。


「君が僕よりも背が高くなったとしても、今後になんら影響はない。今と何も変わらないということだ。それに、リヴァルがリヴァルのまま、今の生活になんらかの幸福感を持ってもらえれば、僕はそれで十分だ」


 ライがそう言って、小さく目だけで微笑んだのを、見とれるように凝視したリヴァルは、急に表情を引き締めて、


「・・・やっぱ、今キッチンに入る」

「構わないが、入っても、手伝えることは何もないぞ」


 言葉を交わしながらも、移動しているせいか、リヴァルの声は、徐々にライのほうへと近づいてくる。


「わかってるよ。俺が此処にいても、邪魔になるだけだというのもわかってる」

「なら」

「確かに、身長さがあるのは自覚してるけど、こういうときくらい欲しいよな」

 
 わざわざ脚立を持ってきてライの後ろにそれを置いて、脚立の上に上がるとライの首に手を回すように肩越しに顎を乗せるようにして、抱きついてきた。
 リヴァル的には、抱きしめてるつもりらしい。


「リヴァル、体重をかけるな。重い」

「へへっ、そんなこと言っても、俺重たく事は十分わかっていますから」

「そうか。では、この腕、外せ。料理に集中できない」

「なぁ、ライ、外すからさ、頼み事聞いてくれよ」

「はぁ、・・・何だ」


 腰へと抱きついた腕を、下へと伝うように下げていきながら、耳元でしゃべる。


「これが終わったら、俺と」


 振り返るようにライの視線がリヴァルに気をとられた一瞬、リヴァルはすばやくその手に掴むと、



「頂き」


 脚立から降りて、勝ち取ったように手に持った作りたてのチキンをかざしながら、悪戯ぽく笑う。


「リヴァル、行儀悪いぞ」

「わかってるけど、さっきからいい匂いしてくるもんだから、抑えられなかったんだよね」


 摘み取ったそれをひょいと口の中に放り込み、味わう。喋りたいのと口の中にまだ食べ物があるので、言葉が口の中に篭って聞こえる。


「んむんん」

「食べながら、・・・・とりあえず、僕の後ろにある脚立を元のところに戻しておいてくれ」

「んむんむむ」


 了解と言いたげに、指先でOKの丸を作って、脚立をライから遠ざけた。


「・・・」


 お調子者なのは、学生のときと変わらないのはわかっていたものの、調子に乗りすぎるところが時折見受けられる。それが、唯一ライの心を悩ませる。


「あ、ライ」


 脚立をしまって戻ってきたリヴァルが、再び顔を覗かせる。


「夕飯前だ。もう、やらんぞ」

「え、ああ、それは違うって、さっきの話なんだけど」

「さっきの、ああ」


 何か言いかけていたことを、思い返して、そう返事をすると、リヴァルは、にこりといつもの笑顔を浮かべて、


「それが終わったら、俺とお風呂はいろう」

「は?」

「だから、バスタイムだよ。ライにさっき近くにいたとき、料理の匂いが染み付いてるから、洗い流そうと思ってさ」

「それで、何故、今日は二人で入る?」

「え、何で、偶に入ったりすることもあるだろ」

「だが、二人で入浴できる余裕はあるほど、此処は広くはないだろ。それに、男二人では場所をとる。それに、水道代の節約になるだけで、他に意味はないだろ」


 それを聞いて、きょとんと目を瞬かしたリヴァルは、


「俺は意味があると思うけどな」

「何処にだ」

「料理の匂いを其処で洗い流して、其処から俺のにおっい、を、ふぇ、クシュン」

 リヴァルに向けて、粉が舞い上がり、おもいっきり吸い込んでしまった、リヴァルがくしゃみを始める。


「すまない。よく聞こえなかった。こしょうの蓋がどうやらそちらのほうまで飛んだようだ」
 

 わざと、飛ぶようにこしょうをリヴァルのほうへと向けたのは、ライだったのだが、その表情に悪びれたところはなかった。


「いや、今の、っクシュッ!、俺の、っ!、ほうに、クッシュ!、やべ鼻にもろ入っ、ヘックシュ!!」


 涙を浮かべながら、鼻を押さえ、睨むようにリヴァルは訴えるのだが、来駕態度を変えるほどの効果はなかったようだ。


「料理が出来るまで、大人しく待っているのが好ましいという、いい教訓だな」

「おま、っクシュ!、えが、ああ、だ、っク!、めだ、まと、っクシュッ!、しゃべ、クシュッ!、ねぇ」


 リヴァルへとライが、差し出したティッシュを奪いとって、そのまま洗面所へと向かっていた。
 それを冷ややかな瞳で見届けたライは、こぼれた粉をふき取って片付けると、再び料理のほうへと無言で戻っていった。
 リヴァルの言葉を思い返してか、自分の行いを思い返してか、その頬には僅かに熱が集まっていたことを、リヴァルは知らない。


 料理中、包装紙にくるんだままの、内緒のプレゼントはベットの上で見つかるときを待つ。誕生日という日には、少しは特別にリヴァルの望むことをかなえてやろうかと思うライは、自分の甘さに微かに笑うのだった。


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