コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
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★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
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★ お気に入り
★2009/07/25 (Sat)
My being me その傷痕から花が咲くまで
それは夢だったのかもしれない。
幼い頃、知り合ったのは、ルルーシュと、ナナリーと、スザクの三人で、其処にもう一人いるはずもなかった。
だからこそ、あの日の記憶は、あやふやなままなんだ。
空は、晴天、白い雲が見える夏の日。
声をかけたのは、癖のある茶髪で、穏やかな緑の瞳を怪訝に顰めているスザクという名の少年だった。
「此処は、日本の領域だ。この辺じゃ見慣れない顔だな、お前もブリタニア人か」
木の下にもたれかかる、見慣れない少年を見つけて、スザクが声をかけた。
木陰に隠れているものの、白い肌と鮮やかな色合いの髪色が惹きつけられた。声をかけられ、瞳は静かに瞼を持ち上げると、心を見透かすような綺麗な銀色が、スザクを映した。
「っ!」
寝ぼけているせいか、目がとろんと寝ぼけ眼で、瞬くようにしてスザクを見上げる。
「聞いているのか?」
「・・・・」
見たことのない綺麗な容姿ではあるが、声をかけられたというのに何の反応もなく無表情であるのが、人形にでも話しかけている気持ちになり、
「おい!」
「・・スザク!」
もう一人の少年の声が近づいて、スザクの視線はその少年から外される。
駆けるようにして着いたその場で息を乱したもう一人少年は、黒髪と特徴のある紫の瞳をしていた。彼こそ、スザクの言っていたブリタニア人なのだが、先ほどに少年に向けた警戒心はなく、寧ろこわばった表情を緩めて、親しんだということが雰囲気にも感じられた。
「スザク、此処にいたのか。さっきから、ナナリーが呼んでいるというのに、何処に行ってたんだ」
「ルルーシュ、いや、こいつが」
そうして、スザクの指差した先に、ようやくもう一人いることに気づいたルルーシュは、不審に眉を顰め、
「誰だ?」
「お前の知り合いでもないのか?」
「いや、見に覚えがない」
「じゃあ、やっぱり、追い出したほうがいいな」
二人の会話をぼんやりと聞いたまま、うつらうつらとし始めた少年を見て、
ルルーシュが口を開く。
「此処は、お前の土地であるのだからそれもそうだが。寝てる人間を起こすのも、悪いだろ」
「だからって、このままにしとけるか」
「そうは言っていない。僕達が追い出さなくても、スザクのところにいる大人が見つけて、追い出すとも限らないし、それに、僕達のように此処にずっといるかもわからないんだ。だから、そのままにしておいてもいいんじゃないか」
「・・・・」
「それより、ナナリーが呼んでる。行こう」
「あ、うん」
ルルーシュの手にひかれる様に、スザクは、何か後ろ髪を惹かれる思いで、その場を後にした。
二人の足音が遠さがって行くと、少年のもたれる木の後ろにある植え込みから子犬が飛び出して、警戒もなく少年に近づくと、一声鳴いた。
「ワン」
「・・・ああ、ごめん。眠ってた」
お座りしていた子犬を両手で抱えて、腕の中に抱きしめる。円らな瞳が、少年の目を見上げる。
「此処にいたら、見つかるかな」
「ワン」
視界はぼんやりとしたものの、話し声は聞いていたらしく、先ほどの二人の会話を思い返して、ポツリと呟いた。
「此処にいても、追い出されるか」
シュンと耳を下げて、キュゥンと鼻を鳴らして鳴く子犬に、
「大丈夫。君は僕が守る」
「ワン!」
頼もしい言葉に、子犬の尻尾が嬉しそうに揺れた。
子犬を抱きかかえ、鼻先に少年は自分の鼻をつけて、笑う。
先ほどの子供らしからぬ無表情とは打って変わって、子供らしい笑顔になっていた。それをしたのは、子犬。
抱えたまま、立ち上がると、木を見上げて目を細めた。
「邪魔したね。此処も良かったから残念だけれど、場所を変えないと」
まるでそんなことないよとでも言うように、偶然か木の葉が風に揺れて微かな音を出す。
「ありがとう。約束は出来ないけど、また来るから、・・・・それじゃあ、行こうか」
木から、子犬へと視線を移して声をかけると、犬が返事をするかのように鳴いた。去っていくその後姿を揺らめくように木の葉が送るかのように揺れるよう、強い風が吹いた。
スザク、ルルーシュ、ナナリー、この三人との出会いが、自分を変え、これから関わることになろうとは、今このとき誰も予想してなかった。
続く
My being me その傷痕から花が咲くまで
それは夢だったのかもしれない。
幼い頃、知り合ったのは、ルルーシュと、ナナリーと、スザクの三人で、其処にもう一人いるはずもなかった。
だからこそ、あの日の記憶は、あやふやなままなんだ。
空は、晴天、白い雲が見える夏の日。
声をかけたのは、癖のある茶髪で、穏やかな緑の瞳を怪訝に顰めているスザクという名の少年だった。
「此処は、日本の領域だ。この辺じゃ見慣れない顔だな、お前もブリタニア人か」
木の下にもたれかかる、見慣れない少年を見つけて、スザクが声をかけた。
木陰に隠れているものの、白い肌と鮮やかな色合いの髪色が惹きつけられた。声をかけられ、瞳は静かに瞼を持ち上げると、心を見透かすような綺麗な銀色が、スザクを映した。
「っ!」
寝ぼけているせいか、目がとろんと寝ぼけ眼で、瞬くようにしてスザクを見上げる。
「聞いているのか?」
「・・・・」
見たことのない綺麗な容姿ではあるが、声をかけられたというのに何の反応もなく無表情であるのが、人形にでも話しかけている気持ちになり、
「おい!」
「・・スザク!」
もう一人の少年の声が近づいて、スザクの視線はその少年から外される。
駆けるようにして着いたその場で息を乱したもう一人少年は、黒髪と特徴のある紫の瞳をしていた。彼こそ、スザクの言っていたブリタニア人なのだが、先ほどに少年に向けた警戒心はなく、寧ろこわばった表情を緩めて、親しんだということが雰囲気にも感じられた。
「スザク、此処にいたのか。さっきから、ナナリーが呼んでいるというのに、何処に行ってたんだ」
「ルルーシュ、いや、こいつが」
そうして、スザクの指差した先に、ようやくもう一人いることに気づいたルルーシュは、不審に眉を顰め、
「誰だ?」
「お前の知り合いでもないのか?」
「いや、見に覚えがない」
「じゃあ、やっぱり、追い出したほうがいいな」
二人の会話をぼんやりと聞いたまま、うつらうつらとし始めた少年を見て、
ルルーシュが口を開く。
「此処は、お前の土地であるのだからそれもそうだが。寝てる人間を起こすのも、悪いだろ」
「だからって、このままにしとけるか」
「そうは言っていない。僕達が追い出さなくても、スザクのところにいる大人が見つけて、追い出すとも限らないし、それに、僕達のように此処にずっといるかもわからないんだ。だから、そのままにしておいてもいいんじゃないか」
「・・・・」
「それより、ナナリーが呼んでる。行こう」
「あ、うん」
ルルーシュの手にひかれる様に、スザクは、何か後ろ髪を惹かれる思いで、その場を後にした。
二人の足音が遠さがって行くと、少年のもたれる木の後ろにある植え込みから子犬が飛び出して、警戒もなく少年に近づくと、一声鳴いた。
「ワン」
「・・・ああ、ごめん。眠ってた」
お座りしていた子犬を両手で抱えて、腕の中に抱きしめる。円らな瞳が、少年の目を見上げる。
「此処にいたら、見つかるかな」
「ワン」
視界はぼんやりとしたものの、話し声は聞いていたらしく、先ほどの二人の会話を思い返して、ポツリと呟いた。
「此処にいても、追い出されるか」
シュンと耳を下げて、キュゥンと鼻を鳴らして鳴く子犬に、
「大丈夫。君は僕が守る」
「ワン!」
頼もしい言葉に、子犬の尻尾が嬉しそうに揺れた。
子犬を抱きかかえ、鼻先に少年は自分の鼻をつけて、笑う。
先ほどの子供らしからぬ無表情とは打って変わって、子供らしい笑顔になっていた。それをしたのは、子犬。
抱えたまま、立ち上がると、木を見上げて目を細めた。
「邪魔したね。此処も良かったから残念だけれど、場所を変えないと」
まるでそんなことないよとでも言うように、偶然か木の葉が風に揺れて微かな音を出す。
「ありがとう。約束は出来ないけど、また来るから、・・・・それじゃあ、行こうか」
木から、子犬へと視線を移して声をかけると、犬が返事をするかのように鳴いた。去っていくその後姿を揺らめくように木の葉が送るかのように揺れるよう、強い風が吹いた。
スザク、ルルーシュ、ナナリー、この三人との出会いが、自分を変え、これから関わることになろうとは、今このとき誰も予想してなかった。
続く
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