My being me -⑧-

ライ受けお相手アンケート、ぽちりっとありがとうございます。
-⑦-の続き。
幼年期スザク＋ナナリー×ライです。
お話は、続きからになります。

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My being me 駆けて駆けて、いつかふわり



大丈夫だとナナリーがしっかりとライの手を重ねるままに握りしめるのを、どこかに安堵しつつも、ライは戸惑いを浮かべつつも、不器用に口にした。


「人付き合いに慣れてない事には自覚しているのだが、誤解させた事は謝る」


　先ほどの冷たく突き放すのではなく、静かな感情を秘めた言葉に、スザクは少しだけ目を見張った。


「・・・再び君に声をかけられるとは思わず、困惑してあの場では君を振り切ることしか頭になかった。こんな性格の僕に好意的に近づいて来ることを快く思わないものもいるが、君のように接してくるのも少なくはない事も知っていたが、知らず人と距離を置くようになっていたのは僕自身だ。僕自身が決め付けて避けるのは間違いだったかもしれないと今は少しだけ考えを変えようとは思う」

「思わなくていいだろ。俺はお前は、これからなんだからさ」


　虚をつかれ様に目を瞬かせたライに、表情が変わらないからよくわからない奴だと思ったが、話してみると不器用なだけなんだと知って、スザクはそこで初めて笑いかけていた。


「ね？　スザクもちゃんと向き合ってみると、悪い人じゃないってわかるでしょ？。私とも友達になれたんだもん。スザクだって、そうなるよ」


　ナナリーと噛み付くような攻撃的な面はとかれ、やけに明るい表情となったスザクに、交互に目を向けてからライは、微苦笑気味に言った。


「・・・本当に、君達は不思議な存在だな」


　ライの柔らかな声が風に揺らぐ木の葉の擦れる音に混じって、静かに二人の耳に響いたのだった。

　微かにライが笑ったのを目の当たりにしたスザクが、訳もなく頬を赤くしたのは後の話である。



続く