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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
まだ書いてなかったので、
シャーリー×ライ(LC主人公)です。
やってみたかった一つを叶えられました。
勉強会・・・なのはいい。
BL好きなくせにNLばかり書いているから、不思議だ。
というわけで、お話は続きからになります。
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夕暮れ時の影二つ
放課後、廊下を急ぎ足に行く長い髪の少女の姿があった。
(あれ?)
少女の名前は、シャーリー。一つの教室の扉を横切るところで、視界の隅に気になるものが映り、思わず足を止めて、顔だけ覗かせるようにして、室内を伺った。
昼間の賑やかさは何処へやら、夕焼け色に染まった教室は静かで、席に座る生徒たちの姿はないのだが、たった一つだけの席に、人の姿があった。
柔らかな色がそっと風に揺れて、無表情なその横顔は机に置かれた本を真摯な眼差しで見つめていた。いつもは、ルルーシュのことばかり口にしているシャーリーだったが、仲のいいクラスメートや部活仲間にルルーシュの話の最中、何気なく話に出たライの単語に、返った言葉は切望、憧憬の言葉で、気にかけたことはあまりなかったが、シャーリーは幻の美形と密かに呼ばれているライを、言われてみれば、そうなのかもしれないと思い直した。ライは、記憶喪失という事情で生活する中で、生徒会メンバー達の意見も合って、こうして、制服にみをまとって、記憶探しをしながら、学園生活を送っているのだが、基本は記憶探しもあって、学園内にあまり見かける機会も少なく、話したくても名前も顔も分らず、歯がゆい想いをしている者がいる中で、始めにこうして出合って名前も交わして、普通に喋っていることが日常の中で、当たり前となってしまった、シャーリーは気いてなかったのだ。
ライが意外と人気があるということを。
他のことに目を奪われてる夢中になっていると、誰しも気付かないことはある。それは仕方がないのもあるが、ライに対して訳もなく安心してしまっているから分らなかったのかもしれない。けれど、よくよく顔を見れば、女子にモテそうな容姿としている事に気がつく。一見無表情と何処となく人と違った独特の雰囲気が、近寄りがたいと思うのだが、話していくうちに、そうではない良さを知っていく。そのうち、それに気付いていって引き寄せられるよう、人が集まって、そうすれば、もっと笑顔が見られるかもしれない。そうすれば、生徒会メンバー以外の交流を増えて、ライが寂しくなくなるかも知れない。
嬉しく思う反面、それは寂しいと思える自分に気付いてシャーリーは、はっとなる。
(どうして、寂しくなるの?。嬉しいことなのに)
そう思った矢先、声がかかった。
「シャーリー?」
顔を上げてみれば、シャーリーの方に顔を向ける、ライの視線が重なる。
「シャーリー、どうしたんだ?」
シャーリーは教室内に入って、見ていた事に照れもあり頬を染めるのだが、夕焼けの色に混ざって、その色が分らなくなる。
「あ、え?。ああ。私は、部活帰りに忘れ物をとりに、来たたげで・・・、ライは?、ライの方こそ教室に残って何をしていたの?」
うろたえながら、答えるシャーリーに、ライは疑問を持たなかったのか、それ以上の問いかける言葉はなく、視線を元の場所へと戻って、
「ん。ああ、勉強をしていたんだ」
シャーリーがライのいる所の隣に立つと、横から覗き込見ながら、
「此処で、何時から?」
「ああ。シャーリーが、部活を初めてちょっと、経ってからだな」
「見に来ていたの?、それなら、声をかけてくれれば、私も気付けたのに」
「部活に励んでいるときに、声をかけるのは、忍びないと思って、声はかけなかった」
その辺に真面目に返すライに小さく笑うと、視線が向けられ。思わず、なんでもないと言葉を返した、それに、僅かに首を傾げる仕草をして、ライは再び机にある教科書とノートに向き合った。
「記憶探しだけじゃなくて、勉強もちゃんとやっているんだね」
「ああ。記憶探しもあるが、学生として通っている手前、こういったことは疎かに出来ない。あまり出席も足らないのは記憶探しの件があるにせよ、遅くなった授業の内容くらい把握しておかないと、好意にもこういう場を提供してくれたミレイさんに申し訳が立たない」
静かにそう言ったライの言葉は教室に響くように風に流れた。それを示すようにカーテンが微かに揺らめく。
しばし聞いていたシャーリーが、何を思ったか、上を向いてヨシッと決意を秘めたように両手を二つガツッポーズを作って頷くと、ライの向かい側の席を移動して、それに腰掛けて、そのまま持った鞄を膝に置き、ごそごそと鞄から物を探り始めた。
「シャーリー?」
突然のシャーリーの行動についていけず、問い掛けるように名前を言えば、あった!と叫んで、ライの前に幾つかのノートを広げて見せた。
「これは・・・」
「授業に使った、私のノートなんだけど・・・」
「?」
「私ね、ライに相談にのってもらったり愚痴を聞いてもらったりで、結構甘えている所があると思うから、偶には役立てることがあればなぁって、私でよければ相談にのるって前にも話したことあるんだけど、ライの方からあまりそう言うことないから。ああ、えっとそれを期待してたって訳じゃなくて!、力になりたいというか、勉強を今なら手伝えるからって、授業の進み具合は違うかもしれないし、私もわからない所があるから、分る範囲になるけど・・・教えるくらいなら出来るかな、なんて」
一生懸命、照れを含みながら、言うシャーリーに、ただ、見つめ返したその瞳が柔らかさをおびて、細まる。普段話すときの時折見る笑顔とは違って見えて、訳もなく心臓がどきりと跳ね上がった。
「そうか。なら、丁度聞こうと思っていた事もあるし、教えてくれないか。シャーリー」
名前を呼ばれるのも、胸がドキドキして、いつもには無かった緊張がどういうことか今になって芽生え始めて、
「あ。う、うん。ええっと、じゃあ、準備するからちょっと待ってて]
「ありがとう」と返ったライの言葉と無表情さの裏の柔らに笑った表情を正面から受けてしまったシャーリーは頬を染めながら、
「あっ早く、勉強しよ?。放課後といっても、いる時間限られるわけだし」
何かいつもと違う自分の心境に戸惑いながらも、遮るように慌てた様子で筆記用具を出したりと、勉強の準備を始めるシャーリーに、何かを思うようにライが口に笑みを浮かべて、それに気付いたシャーリーが顔を下へと逸らして、勉強を教えるように僅かに前かがみとなった。
こうして、二人だけの勉強会が始まった。
オレンジ色の暖かな光が二人のいる教室を彩るように広がっていった。
長いようで短い時間は後少しで夜の黒へと変わっていくように、夕日が沈みゆく。
[留め]