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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
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★2008/11/16 (Sun)
私が書くと、どうも嘘くさくなるけれど、ゲーム時の二人のその後を大いに妄想しながら書きました。
書きながら、ノネットさんがより好きになりました。
お酒は二十歳からですが、二十歳以上の方でも、過度な飲酒はご注意ください。
ノネット×ライ(LC主人公)です。
お話は続きからになります。
拍手を送る


気の緩みに思わず


 

 廊下をカッカッと靴音をならして、家の主は大きな声で名前を呼んだ。


「帰ったぞ!ライ!。なんだ、出迎えもないのか・・・」


 最後の言葉は呟く様に言うと、声を聞いたのか、名を呼ばれた者が扉から顔を出した。


「ノネットさん?! 今日の仕事はどうしたんですか?」


「ああ、切り良く終われたのでな。少しばかりお前の顔を見に戻ってきてみたのだ。それより、一向に直す気ないのか。また、呼び名が戻っているぞ。ここにいるときは、ノネット、と呼ぶようにと申していただろう」


「ええ、知ってます。あの時貴方に引き取られてから、僕はこうして身をおかせてもらっている。どういった経緯にせよ、お世話になっている身としては、区別を付けておかなければならないと思って」


「真面目だな。何を気にするんだ。その主がいいと言っているのだから、甘えておけばいいものを。それとも何か、私の名前を呼ぶのに、抵抗があると」


「いえ、そう言う意味では」


「はははっ!、そろそろからかうのは止めておくことにしようか。それよりも、キッチンから出てくるとは、何か料理でもご馳走してくれるのかな。なにやらいい香りがして、さっきから気になるのだが・・・」


「ああ、昨日の賭けの約束ですからね」


「賭け、とは?」


「忘れたんですか。昨日の剣の勝負で、貴方が賭けの話を持ち出した時に。僕が負けた時は、手料理をご馳走しろっと言ったのは、貴方ですよ」


「ああ、そんなことも話していたな。忘れてたよ。なら、すぐにでも準備をしておこう」


「え、今からですか?」


「ああ。用意してくれたのだ。確かにお前の手料理に興味はあったし、なにより、熱いうちに食べておきたいものだろ」


 それに少し驚いたライだったが、柔らかな表情に変わって、


「はい。では、冷めないうちに運んでおきます。準備の間、ノネットさんはゆっくりとお過ごしください」


 とキッチンへと戻っていったライを、見送り、メイドにでも任せておけばいいと話したが、首を振らなかったので、結局そのままに、自分も待つ時間の合間に着替えておこうと自室へと、楽しみだというように笑みを零して、歩いていった。 

 

 


 外の見えるテーブルクロスのかかったテーブルに向かいあうように座ったライとノネット。テーブルの上には作りたての香りと湯気が空腹感を刺激するように、色取りは目を楽しませ、料理から放たれた匂いが鼻をくすぐる。
 何の気兼ねも無く始まり、グラスが微かにぶつかる音を合図に、楽しい二人だけの食事が行われていった。仕事が一段落したのもあってか、フォークでとったそれらを舌で
味わいながら、時折グラスのワインを口に含めて、潤わした。
 そうして、料理に手をつけながら、ライへと、お前も飲まないか?と、尋ねた声に、動作を止めたライが、眉を困ったように顰めて言った。


「僕は学生なので、お酒は飲めませんよ」


「それは学園にいたときの話だろう?。それに、お前は記憶喪失なのだから、学生と呼べる年齢かどうかも怪しいものだ」


 それでも言い募るライへと、ノネットが指先で持ったグラスをまわすようにして、


「なら、こうしよう。こうして一人でグラスを開けるのは寂しいから、お前も付き合うというのは、どうだ?。言っておくが、お前はめったに外に出ることも無い。さりとて、こちらの訪問客は早々は無いし、此処にいるものたちは私のことを良く理解する者ばかりだ、おとがめるものはいないだろう。仮に、誰かに尋ねられることがあれば、私に無理やりのまされたと言っておけば、いい話であろう?」


 そう言って、ノネットは、流すようにグラスを傾けて空にして見せた。
 テーブルに置かれたそれに、再び液体が注がれるのをみて、ライの眉がますます顰める。


「こう言ってはなんですが、少々飲みすぎではないですか。その分では次の仕事に差し支えますよ」


「あははッ!。心配性だな!。それぐらいで倒れるほど弱くは無い自覚はしてある。ああ、そうだ。ライの分も用意してやれ。何か理由をつけて逃げられてしまうのは敵わんからな」


 何か言いたそうに見つめ返したライへ、何やら楽しそうに口元に笑みを浮かべて返すノネットの態度に、何かを諦めたように小さく息を漏らす。
 ライの目の前のグラスには、ボトルから注がれた液体がその中で溜まっていく。
 それは、ノネットと同じ色のものだと、グラスに溜まりゆく液体に、ライの無表情ながら、困ったようにその顔が、グラスを通して映し出される。


「さぁ、お前も味わえ。飲み干すまでは逃がさんぞ。まぁ、お前が本当に弱いというなら、止めはしないが」

 
 半場、脅しにも挑発にもとれる物言いでそう言葉をはく、ノネットに、


「強引ですね。じゃあ、これを飲み干すまでの間だけ、ですよ」


 と、ライは指先に持ったグラスを口に運んだ。

 

 


 室内のベットの上で、酔ったのを表す様に、頬を熱で朱に染めて、ぐったりとしたライの上に影が差す。


「アレくらい、つぶれてしまうとは、これからだというのに、先行き不安になるな。まぁ、でも戦闘ばかりでなく、こちらも鍛えていけば少しは持ちそうだ」


 また次があるとでも言う、その表情をライはちらりと見やって、


「勘弁してください。記憶喪失になる以前はともかく、今はお酒が強い訳ではないと十分に覚えましたから、次からはお誘いを受けても十重にお断りします。これは今日限りで終りです」


 何処かすねたような届いた声に、ノネットは笑うようにして、枕に散らばったライの髪を慈しむように梳いた。指先が、髪を整えられていく。
 肌の暑さか妙に冷たいその指が心地よく、くすぐったいような温かい気持ちがライの胸のうちを疼かせた。
 それは過去にあった何かを思い起こすようなもので、けれど、頭には熱を上げる以外の何かを思い出すことにはならず、言葉が浮かんだ。


「不思議だ。前にもあったような気がする」


「ん?何をだ」


 心の中で言ったと思った声は、口をついて出ていたらしく、尋ねられた言葉は普段のノネットの声色よりも優しげで、誤魔化すのにも嘘をつくのにも抵抗があってか、理性の解けた思考がライの口から言葉となって現れた。


「・・・・わからない。けれど、誰かにこうして触れられた記憶があるように思える。いや、もしかしたら、違っているのかもしれないけれど、懐かしくなる」


「懐かしいか・・・。記憶が少しずつ戻るのも、お前のためかもしれないが、・・・あんまり、深く考えるな。真面目さ故に考えすぎる所がある。今は、せっかくのいい気分を思考で遮ってしまうのは、もったいないだろ。今はゆっくりと寝ていろ」


 頭に伝わる冷たい手のひらと指先の感触が熱が絡んで、それが眠気を促すようで、ウトウトとライの瞼が少し開いては閉じるといった動作を繰り返す。
 それに触発するように、ノネットの言葉が耳に届く。


「眠いのなら、寝ていても私は構わんぞ」


「そう、ですか。仕事帰りにこうして来て頂いた、ノネットさんを、放って置いたままに、するのも、悪い気がしますし」


「そうだな。では、しばらくの間、寝顔を楽しませてもらおうか」


 それにライは小さく笑って、何かを口にするのだが、聞こえるほどの声にならず、閉じられた瞳と微かな寝息が聞こえ始め、ようやく寝た事を知った。
 ライの事情をのんで、それを理由に連れて帰ったものの、どこかにまだ負い目があるのか、気にするなといっても、少しの面倒くらい引き受けるのは承知で置いているのだから、お前のやりたいように自由に過ごせといっても、どこか気にして、知らぬうちに目を離せば一線を引いてしまう。それが寂しい反面、この世界から消えてしまうのではないかと、危惧してしまう気持ちが、余計に放っておけなくさせてしまうから、困り者だ。


「なぁ、ライ。ここでもお前の居場所にはならないのか?」


 そんな切ない呟きをもらすが、返ってくる言葉も無く、変わりに、コンコンと扉を叩く音に、顔を向けた。
 扉越しに一人のメイドの声が聞こえてきた。


「ノネット様、××××卿から連絡が入っておりますが、いかがなさいましょう?」


 それは同じナイトオブラウンズの一人からのもので、電話の相手の次に出る言葉を予測しながら、残念だと息を漏らした。


「もう、そんな時間になるのか。ああ、すぐ行く」


 ベットから腰を上げて、部屋の扉を開け、閉める際に後ろを振り返った。
 普段の無表情が嘘のようなあどけなさの残った寝顔は、もうこちらからは見られないのだが、それを思い返すように。


「しばらくは、お預けになるな。・・・おやすみ、ライ。また、会いに来る」


 優しげに笑いながらそう言って、ガチャリと扉がゆっくりと静かに閉まった。
 声に反応したように、寝返ったライの体には、ノネットの代わりのように、毛布がライの体を包むようにかけられていた。

 誰かを傷つけてしまうというライの不安も、また誰かに傷つけることが無いように、前ほどの移り変わりは無くても、此処にはのんびりと静かな時間の流れが、ライに安らぎを与えるかのように、ライは静かに深く眠りの奥へと誘われた。それは心地のよいものなのだろう、ライの表情には恐怖も不安も無く、穏やかにも笑っているようだった。


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