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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
私が思う世界と、貴方の見る世界は違っているけど、
それでも、いつか同じ世界を見つめていたい。
そう願っていました。あの時までは。
君の色越しに覗いた世界
「ライさん、少しだけ此方に来てもらえますか?」
ナナリーの部屋で二人でいた時だった。
「あ、ああ。どうしたんだ?。ナナリー」
ナナリーに読み聞かせた、本を戸棚へと戻ったときに、呼ばれて、ライは、ナナリーの傍へと歩み寄った。
「私にもわからないんですけど、光が見えるみたいなんです。目の奥から」
眼に違和感があるらしい事に、ライが、ナナリーの頬へと手をやって、瞳を覗くように身を屈めると、ナナリーもライを追うように、顔を向けた。
「光が目の奥からか。痛みがあるとか、他に何かあるか?」
「いいえ、特には。あ」
そうして、ナナリーの瞳がうっすら開いて、暗闇から明るい場所へと開いた目は、ぼやけていて、もう一度閉じて開くと、パチパチと何度か瞬きを繰り返すうちに、霧かがった視界が鮮明に色を映し出した。
閉じた目の印象が変わって、年相応の幼さを秘めた大きな瞳が、ルルーシュと同じ色で、その瞳に目の前にいるライの姿を捉える。
「ライさん・・?」
「・・・・」
誰にでもわかるくらいの驚いた表情のライが、ナナリーを見返す。
言葉もないライへと、ナナリーの細く小さな手が伸びて、ライの髪へと触れ、それから、顔へと移り、前髪からライの瞳を見えるようにかきあげて、頬を滑らした。
「ライさんなんですね。ライさんの髪、ライさんの瞳、顔、今私の瞳には色があります。とっても、綺麗な色が、こんなにも近くにあったのですね」
微笑むように嬉しそうな声が、突然の温もりで途切れた。
後ろへと倒れないように、ナナリーは、その身を精一杯受け止めた。
ライの手がナナリーの背へとまわって、抱きしめたんだと、人肌の温もりを布越しにも伝わって、強いけれど、壊れないようにぎゅっとした両腕に、ナナリーははにかんだように首へと手をまわして答えた。
「見えるのか?、本当に、その瞳に」
背中越しにライの言葉が聞こえてきた。
それは、不安げな声で静かにナナリーの耳に届く。
「はい、見えますよ。声以上に、ライさんの姿も、周りにある景色も全て。色のある事も、どんな姿や形なのかも、ちゃんと見えていますよ」
少しでもと、宥める声は優しく、眼を瞑ってそれに答えた。
抱きしめられた腕の力が徐々に緩められ、退く気配にナナリーも手を離した。
「そうか。だが、何故急に、見えることが出来たのだろうか?」
「それはわかりませんけど、理由よりも、今はこうして、眼で見ているんだと、実感できる事が、嬉しいです」
ナナリーを見て、ライも目を細めるのだが、その瞳は、ルルーシュと違う色でありながら、穏やかな光を秘めていた。
「ライさんも、喜んでくれますか?」
「ああ、勿論だ。あ、ルルーシュ達はまだこのことを、知らないのだろう?」
「はい」
「ならば、先に知らせてくるよ。ルルーシュも咲世子さんが、君のもっとも身近な人物であり、君の事を大事に思っているから、眼の事を知れば、二人とも喜ぶだろうし」
「はい!。あ、ライさん、待ってください」
部屋から出て行こうするライを、ナナリーは、引き止めた。
「?。どうした」
ライがナナリーの元へと、戻って、
「行く前に、少しお願い事を・・・わがままを言ってみてもいいですか?」
「ああ。ナナリーから、初めてだな。なんだい?」
ライの問いに、ナナリーは、頬を染めて、足に重ねた自分の手を握って、少し顎を引くようにして、口を開いた。
その言葉を聞いて、僅かにライの瞳が開いたが、すぐに、優しい視線へと変えた。
その視線を受けて、ナナリーも嬉しそうに笑う。
外は少しずつ寒さを増して秋の色へと移ろうとしていたが、室内は暖かく喜びの声が、何処かの部屋から聞こえてきた。
【留め】