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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
変貌の生殺し
一体いつまで此処にいればいいのかとライは、自問自答していた。このまま誰にも発見されなけれはと願う反面、出来れば誰かではなくアイツに見つかればいいと、我ながら複雑な心の葛藤を抱く自分に密かにため息をついた。
いつもどおり生徒会室へと足を踏み入れた彼は、今日の仕事というよりもそれ以上の気持ちを持って、切り替えるように扉を開けて、言葉を出すが、見たところ誰の姿もないと気付き、確認するように室内を見回した。そこで、見覚えのある紙色が僅かに視界の隅に入り、おやっとリヴァルは首を傾げた。
「(?、何であんなところにいるんだ?))
リヴァルは後頭部が僅かに姿を現している所に不審に思いながらも、ゆっくりとした足取りで近づいていった。靴音が徐々に響くように近づいてきて、机の下を上半身を屈むようにして覗きこんだ。
「ライ、お前な、にっ、っんんんん~!」
予め予想していたと思える素早さで、腕を掴んで下へと曳きこみ、その際声を抑えるために、片手で口を覆うという動作を、流れるようなあっという間にやってのけたことに、リヴァルは抵抗する暇もなく拘束された。ライに、背を向けるようにして捕まったままのリヴァルは、口を塞がれた状態で視線だけを伺うように、ライの方へと寄こすのだが、何せ固定されているため、表情をうかがい知れなかった。
気が抜けたように僅かにもらした息が後ろから聞こえ、その後、ごめんっと、今更ながら自らの行いに悔いるかのように沈んだライの声が、耳に入り、リヴァルは何か返すように口を開いたが、モゴモゴっと言葉にとれない間の抜けた声が出るだけで、自覚してか口を閉ざした。
「リヴァル。すまないが、事情は後で話すから、今は前を向いたままでいてもらえるか」
静かな声でそう言われ、色々と聞きたい事も不満も全部飲み込むようにして、リヴァルは同意を表すように、自由な方の片手でオーケーのサインを見せるように上げると、ありがとうっと言葉がと共にさっきほどと打って変わった優しい動作できつく捕えた手を解いた。
解かれたとたんに、すんなり通った空気にけほけほと乾いた咳をして、その後、溜め込んだものを吐く様に呼吸を繰り返したリヴァルの様子を見て、落ち着いたところで後ろから声がかかった。
「言う前に、一つ確認したいことがある。此処にきたのは、リヴァル一人なのか?」
その質問に頷くと、そうかっとどこか安心を含んだような呟いた声は、沈黙に消えた。
「んで、お前の話って言うのは、何だよ?」
言われるままに振り向かない体制のまま、ライから見えない表情でそう言うと、状況も何もわからない不満を漏らすような声に、少し苦笑して、
「ああ、僕自身もまだ状況を汲み取れていないから、説明が曖昧なものになるのはすまないと思う」
不安をこめた声に、どういうことだよっとリヴァルの声がかかった。
「事を荒立てたくはない。騒がないと約束してから、振り向いてほしい」
その言葉に疑問を持ちつつ、リヴァルは肩をすくめてから、ライの方へと振り返った。
「おまっ?!・・ああ。 んと、それは、コスプレとかじゃ、ないんだよな?」
声を張り上げそうになった声を途中から抑えるようにして、尋ねてきたリヴァルの視線は頭と後ろの方で僅かにパタパタと動くものを追いながら、そう言うと、ライはため息をついて言った。
「コスプレの方がまだいい方だ」
「だよな」
そう言った、リヴァルはしげしげと好奇心露にそれを見た。ライの頭には、髪とは違う毛色の動物らしき耳とさっきほどからちらちらと下半身の後ろから見え隠れする尻尾があった。前に、猫祭りという行事でそれらしい格好はした事はあるが、何より今はその祭りの予定も何もなく、いつもの制服姿に耳と尻尾をはやしたそれらをコスプレとは呼べないと思う。
「それで、これからどうするんだ?。その格好のまま此処にいるわけでもないよな?隠れるっても、ここいらでそうそう見つからない場所なんて、あるとは思えないし」
ライも考え悩んだ事をリヴァルは尋ねるようにして、考えるように腕を組んだ。羽織っていたらしいシーツを纏うようにして、
「そうだな。騒がれないうちに、いざとなったら、学園を去る覚悟はある」
「おいおい、それ、マジか?!」
驚くようにしたリヴァルに、すぐには去らないし、何より黙っていくには抵抗があるからなっと、寂しそうに言ったライに、
「よし!悩んだって進まないから、早速、誰か口の堅そうな奴をつれてきてやるよ」
「リヴァル?」
「俺一人じゃ、知恵が足りそうにないからなぁ、協力者を入れようって事。全員じゃなくても信用出来そうな奴らならお前の近くにいるだろ?。そいつらも巻き込む形になるけど、少なくともお前が出て行く手間が省けるだろ?」
力強い言葉で笑ってそう言ったリヴァルに、ライは驚きつつその表情はどこか嬉しそうに笑っていた。
「よし、じゃあ、俺が他のやつに話し持ち込んでみるからさ、お前はしばらく大人しくしてろよな。今更、断るのは無しだぞ」
「ああ・・・そうだな」
苦笑するように目を細めたライに、リヴァルが声をかける。
「何だ?」
「それ、本物、なんだよな」
リヴァルは本物かどうか気になるようにライについた尻尾に視線を注ぐのに気づいた、ライはさらりと口にした。
「触ってみるか?」
「えっ?」
頭まで隠すように被ったシーツのままにライが、真顔でそう言割れたのに、一瞬ドキリっとした。
「大丈夫なのか?」
何故か躊躇するかのように聞いてきたリヴァルに苦笑して、
「可笑しな奴だな。触るだけの事だろう?」
やはり、未知の体験をする際の警戒というものがあるらしく、んーっと唸ったリヴァルに、ライは首を傾げて、場所を椅子の方へと移動して、
「ライ?」
「じっとしてるから、尻尾でも耳でも触れればいい」
「だけど、お前・・・」
リヴァルの言葉に眉を下げたライは、優しく言った。
「リヴァル、気持ちはわかるまでもないが、あまり時間を此処に留まらせておくのは、」
「・・・わかった。」
そう言って、覚悟を決めたようにライの前にやってきた。
ライは口にしたとおりじっとしたままで、立ったままのリヴァルと椅子に腰掛けたライでは、変って必然的にリヴァルの胸の高さにライの頭になっていた。
隠すように頭から被さったシーツを後ろに流すように持って行くと、二つの獣の耳が柔らかそうな毛並みが、リヴァルの前に晒される。
ゴクリッと生唾を飲み込んで、ドクドクっと高まる胸と抑えきれぬまま、手を伸ばした。
「何をやっているんだ?」
びくりっと手を伸ばした格好のまま、低い声のした第三者の方へと振り返る。
「ル、ルルーシュ・・・」
其処には、腕を組んだルルーシュがいつもと変らぬ表情でそう言ったのだが、どことなく纏っている空気は怒りめいたものを感じたのか、リヴァルはライから瞬時に
離れていた。その際、顔は笑っていたが若干ながら、引き攣っていた.
それを、静かな目線で目視するルルーシュ。
リヴァルの気配がなくなったことに、瞑っていた目を開いたライは、リヴァルへと天然な言葉を返した。
「リヴァル、どうした。さわっ!?」
ライの前へと近づいたルルーシュの姿に、ようやく状況を知ったライは驚いたように、ルルーシュを見上げると。
「スザクがお前を探して、俺のところまで尋ねてきたのが気になったんだが、そんなことより」
シーツをライから奪取した際、大きくシーツが両者の視界を一瞬遮るように翻って、
「これは、どういうことか、俺にも話してくれないか。ライ」
もはやそれは、聞いているというより、尋問に近い口調ながら友好的にもとれる言い方だった。
ライはリヴァルへと視線を向けたのだが、突き刺さるルルーシュの視線に、逃げる言葉もなく、小さく息をついて、話し始めた。
[続]