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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
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★2008/09/27 (Sat)
突発的にやってみました
ライ君を元気にしてみようか企画、多分コレが最初で最後。
無駄に長いと思うので読む際は注意してください。

ナナリー×ライ(LC主人公)です。
お話は続きからになります。
拍手を送る



萎れた花の向こう側

 カタカタと音を鳴らして、地面を回転しながら進んでいるのは、ナナリーの乗る車椅子のタイヤの音だった。
 後ろからライがついて行くようにして、持ち手の部分を握って車椅子を前へ前へと進めていく。
 庭園という場所は、花等の自然の緑が豊かに人を歓迎するように、彩り、人の道を作る所を車椅子の足とライの足が歩いていく。


「今日はライさん、元気がないですね」


 ナナリーの言葉にライが、えっと立ち止まると、必然的に車椅子も動きを止める。


「そうかな?」


「はい。声にいつもの元気が感じられなかったので、何かあったのですか?」


 ナナリーは、精神的なものにより、一時的に目が見えていないのだが、その分、音や空気に敏感に反応する為に、当人よりも鋭い。
 ライはまいったとでも言うように、薄く苦笑をもらすと、後ろへと振り向いたままのナナリーが小さく首を傾げる。
 再びライが車椅子を進めながら、口を開いた。


「ああ、そうだね。元気がなかったのは確かだから、ナナリーにはいつも驚かされるな」


 ナナリーは再び前を向くようにして、明るい声を出した。


「そうですよ。お兄様も元気がなくて、それを隠そうとする所があるので、言えない時もありますけど、やっぱり大好きな人達には元気を貰ってる分、元気になってほしいと思います」


「そうだな。ナナリーに心配かけたのがバレたら、ルルーシュに怒られそうだな」


 そう言ったライは落ち着いてる様子だったが、やはり声が僅かに沈んでいて、ナナリーが心配そうに眉を下げたのだが、後ろにいたライからはそれは見えなかった。
 ライの出す足音と車椅子の音だけがやけに、その場に響いて耳に残った。

 

 ナナリーの言葉に車椅子は花の咲き乱れる場所で立ち止まった。
 同じようにライも花々に視線をやるが、その視界に映っていたのは今いる風景なのだが、何処か遠くを見ているようにも思えた。


「ライさん」


 ナナリーの言葉に不意に現実に戻ったようにして「何だい?」と言葉をかけた。


「・・ライさんは、゛ちいさな存在゛というお話を聞いた事がありますか?」


「いや、それは童話か何かの話かな?」


 ライの問いにナナリーが静かに頷いて見せてから、聞かせるようにして話し始めた。


「はい。小さなお花と女の子のお話なんです。
 
 昔々、家の近くに小さなお花が咲いていました。
 けれど、周りには大きなお花達に囲まれて、そのお花は人の目に見つかることがありませんでした。
 だけど、一人、そのお花に気付いた人がいました。
 女の子でした。
 大きな花ばかり目立つ中でその子だけは気付いていました。
 女の子はその花を気に入って、何度も何度も毎日、そのお花を見るために、やってきてその日にあった事を言いました。
 ゛今日もみにきたよ゛ ゛元気にしてた?゛ ゛今日はお母さんに怒られたの゛ ゛美味しい物を食べたよ゛ 
 女の子はささいな出来事をお花に語るようにして言いました。
 けれど、女の子はいつも一人きりで友達をつれてくることはありませんでした。/>  だけど、たった一人でも見てくれることを、お花は喜んでいました。
 ある日を境に、女の子はお花の前に現れなくなりました。
 どうしたんだろうっとお花が思っているところに一匹の蟻が通りました。
 お花が女の子事を尋ねてみると、虫は知らないと言って去ってしまいました。r />  一匹の蝶が通って、同じように尋ねても、知らないとしか答えてくれませんでした。 今度は、通りがかった一匹の鳥に話しかけてみましたが、やはり答えてはくれません。 
 自分には動く体も喋る口もない、ただあるのは、待つことだけに、お花は悲しみました。
 
 そうして、何日間を過ごして季節が変り変って雪の振る季節、
 一匹の鳥が話しかけてきました。
 お花が尋ねた、あの鳥でした。
 鳥は言います。
 
 ゛女の子を見つけてきたよ゛
 ゛何処にいたのですか?゛
 
 そう言うと、鳥は悲しそうに鳴きました。
 ゛ベットの上で、お空を見てたよ?。もう君の元には戻れないと寂しそうに言ってたよ゛、 ゛良かった。僕に逢いにこられなくても、まだ近くにいるなら、それでいい゛
 お花がそう言うと、鳥はそれに答えるように鳴いて、旅立ってしまいました。
 お花は思いました。
 
 ゛どうか、お願いします。もう一度、あの子の元気な姿を見せてください゛と、 その祈りが届いたのか、女の子はまた元気な姿で、お花の前に現れました。
 けれど、あんなにも小さなお花は変わり果てた姿になっていました。
 小さく萎れたお花の姿に、今度は女の子は悲しみました。
 来る日来る日も女の子は、お花が元気になるように頑張りました。
 その効果かすくすくと、元気を取り戻していったお花に女の子は喜びました。r />  お花も喜びました。
 こうして、また一つ季節が始まりました。
 お互いが違うものでも言葉もなくても
 二人は必要な存在と知った季節となりました。」


 ナナリーの話に耳を傾けていたライに、ナナリーは言った。


「私は思うんです。
 このお花さんのように自分で動けない体でも、言葉は口にして言えますから、だから私も周囲の人たちから色々な事を聞いたり学んだりして貰っているので、私も人に何かを与えるような、いえ簡単にはいかなくても、せめて少しでも元気にさせる言葉を言いたいと思ったんです」


 そうして、ライに振り返って、にこりとしながら


「ライさんが元気がないときは、どうか話してみてください。
 私は聞くこととちょっとした事しかいえませんけど、ライさんがちょっとでも元気になれたら嬉しいんです。だから、辛いときは話してくださいね?」


 穏やかに優しさを交えてそう口にしたナナリーに、一瞬言葉をとどめるように黙り込んでライは、静かに言った。


「・・ありがとう。ナナリーのその言葉だけで僕も嬉しいよ」


 ちょっとだけども、ライの声に明るさが戻って、話してはくれなかった事を心の中で寂しく思いながらも、ナナリーは笑顔を向けた。
 
 それはいつか女の子の元気な姿を願っていた、小さな花のように。
 ライに再び明るさが戻ることを信じて願った。

 

 [終わり]
 

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