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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
家族設定は、父親役、ロイド。母親役、セシル。で、ライとスザクはその双子の子供役。(アニメコードギアスのスザクの幼少をロスカラゲームで把握した程度で書きました。昔は一人称は俺だということで、性格は想像でまかなってるので、多分違っていると思いますが、それでも良ければどうぞ。
スザク君は、養子。ライ君は、迷い子。つまりは、血のつながりは四人ともないです。
他に出てくるキャラは、友達となったり、お隣さんだったりと、私が書ける範囲で設定を増やして出していけたらいいなと考えております。
出演キャラは、ライ君、スザク君、セシルの三人で、ロイドが少しお話の中に出ています。
それでは、お話は続きからになります。
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新しい世界へと変わって、少しずつ穏やかな居場所に慣れはじめてから、
彼らとの日々はどれくらいなのだろう。
起き上がり、部屋を出ると、待っているのは、優しい声と暖かな空気。
「あら。おはよう。ライ君」
エプロン姿の女性が、声をかけてきた。
彼女、セシルを見上げるようにして、小さな少年は、口を開いた。
「おはようございます。セシルさん」
「セシルさんじゃなくて、お母さんって呼んでもいいのよ」
「セシ・・・・お母さん」
ライは、少しだけ下を向いて照れながら、口にした言葉を聞いて、ニッコリとセシルが、微笑んだ。
「あ、おはよう。ライ」
テーブルから顔を覗かせるようにして、明るい声が皿をテーブルに置いた音の後に、聞こえてきた。
「おはよう」
「もう少し、寝ていれば良かったのに」
返した挨拶にムスっと残念な表情と共に、スザクにそう言われ、どうしたのかと首を傾げたライに、セシルがこっそりと話をした。
「スザク君がね、ライ君よりも早く起きれたから、私が行くのを引き止めて、゛今日は俺が起こしに行く゛ってさっき、張り切ってたから、拗ねているんだと思うわ」
ちらりと二人のやった視線に気づいて、スザクは、照れ交じりに、
「!ライ。俺も朝ごはん、一緒に作ったんだ。食べようよ、早く」
そう言って、急ぎ足に、別のお皿を取りにキッチンの中へと戻っていった。
「さぁ、私達も朝ごはんにしましょう」
「はい」
頷いて、スザクと同じように手伝いに向かおうとすると、
「ライ君。貴方は此処で待っててね。今日のところは、スザク君と私に任せて」
何故だろうと思って、さっきスザクの言ってた言葉とキッチンからお皿を両手に持って、やってきたスザクに首を傾げる。けれど、すぐにその理由を知ることとなる。
「これは、ライの分だ」
テーブルに乗せられたお皿を覗いて、セシルの作るいつもの独特な食事に、交ざって、不恰好ながら、一生懸命さが伝わるような、おにぎりが並んであった。
用事を終えたのか、いつもの自分の席へと戻っていく、スザクを目で追って、真横に座った後で、声をかけようとしたところに、セシルさんが入ってきた。
「その、おにぎりはスザク君が握ったのよ。形は悪いかもしれないけど、味はおいしいから、食べてみてね」
セシルへと向けた顔を、自分の前に置かれたお皿へと視線を落とした。
それは、言葉が出ないというより、いい意味で、口から言葉も出なかったようで。
「・・・・」
「どうしたんだ、ライ?」
「え、ううん。何でもないよ」
「なんでもないって、顔じゃないだろ。何か言いたいなら、ちゃんと言葉に出さないと、わからないよ」
「あ・・・そうだね。ごめん。なんていうか、嬉しかっただけだよ。ありがとう。スザク」
ライの言葉に満足して、スザクが笑った。
ライとスザクの後に続くように、残りのものを机に置いて、セシルが向かい側の席につきながら、
「ロイドさん、遅いわね。まだ、研究室にこもっているのかしら?」
「ロイドさん、研究室に居るんですか?」
「うーん、まだ、研究の方みたいね。偶には、一緒に食事を取ればいいのだけど、熱中してしまう人だから。お腹がすいたら、戻ってくるかもしれないから、そっとしておきましょうか」
ニッコリと微笑むセシルへと、心配げにライが尋ねてくる。
「いいんですか?」
セシルが答える声よりも早く、横からスザクが言ってきた。
「いいよ。父さんがいると、研究の話題中心にされるし、何より、その後、俺達を実験に巻き込むんだから。ライもそれに巻き込まれた事あっただろ。そんなことに、付き合うなら、ライと母さんと三人での食事の方が十分だよ」
「そう思うときもあるわね」
「セシル母さん?!」
「ほら、ライ君も、遠慮しないで、バシバシ文句があるなら口にした方がいいわよ。ロイドさんかなり変わった人だから、効目があるかはわからないけど。貴方も偶に実験対象にされて被害を受けてるのだから、それぐらい言ってもいいのよ」
「はぁ?」
「う、話より、お腹が空いた。先に食べよう」
「そうね。冷めないうちに。いただきます!」
いただきますっと、二つ声がその後に重なる。一つの空席だけを残して、朝食が始まった。
こうして、また一つ、此処での日常が時間と共に廻り出す。
記憶のない自分と関係者となった彼らと。
見覚えのない世界では、自分の体とは思えない幼い身体となった自分と、同じように、知った姿であるはずなのに、幼い姿となった、スザクと一緒に。
彼らの中に、家族ごっこが、合図の音もなく、訪れたのだ。
【留め・スチールグラス】