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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2009/07/28 (Tue)
リクエストの、ルルーシュとの青月エンドです。
ルルーシュ×ライです。
お話は、続きからになります。

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この鼓動を伝える術を



「ルルーシュ」


 誰だかわかって若干驚いたように目を見開いて、立ち止まったライと入れ代わりに今度は、ルルーシュの方からライに近寄る。


「こんな遅くに呼び出して悪かった」

「いや、僕は話があると聞いて来ただけだが、今日誰かに呼ばれるるとは思って見なかったことだったから、少し驚いただけだ」


 正面に向かい合うように立つと、少しだけ高いルルーシュの視線を見上げるようにライも見つめ返す。それに、一瞬躊躇うように横へと視線を逸らしたルルーシュが、おもむろに口を開いた。


「此処へ呼ばれた理由は、既に気づいているのか?」

「ああ、確か、ブルームーンの日に礼拝堂で想う相手に告白をすると、結ばれるそういう話があると、シャーリーから渡された本で把握したのだが、それは、男女の話だろう」

「そうだ。だが、俺はその伝説に、新しく作り変えたいものが出来た」

「作り変えたいもの?」

「俺とお前との物語をその中に入れてみたくなった」

「それは・・・・何故だ」

「お前と会うとき、こうして話をしているとき、無意識に意識しているとき、それら全てにおいて、俺は特別な感情を抱いている。この一瞬も言葉にしがたい感情が言葉として出してしまいほど、胸を苦しめる。それは、ライ、お前がそうさせてしまったんだ」

「僕がさせた?君に?」

「ああ、それで、ついには、こんな行動にまで及んでいる。自分でもどうしようもないくらいなんだ。だから、この場を利用して、お前の答えが聞きたい。俺はお前と共にこれからも未来を歩きたいと、そう願っている。俺を選べ、ライ」


 ルルーシュの真剣な瞳と声が、ライの心を揺らし、眼を伏せた。
 気持ちを聞いたときには、驚きはしたが、そうではないのかと期待と不安もあったが、特別に想われていたことに対して、不思議と嫌悪感はなかった。
 それは、自分もルルーシュと同じ感情を抱いていたことに気づいたからだった。だから、拒否することはなくても、素直に頷けなかった。


「僕は随分と臆病者らしい」

「?」

「君の言葉は、素直に嬉しかった」

「なら・・・」


 緩く左右に首を振ったライの声は、悲しい色を含んでいた。


「・・・・嘘つきなんだ。僕は。自分の正体さえも知らずにのうのうと皆のいる暖かな作ってくれた居場所を快く思っていた。だが、それは甘んじて受けていたともいえる。このままの僕であるのなら、問題ないが、そう望むことが永遠かといわれればそうではない。だから、はっきりとしたもののないままで、君の好意を受け入れるわけにはいかない」

「はっきりとしたものが此処にあれば、いいということか」

「そういう意味で・・・・ッ!?」

 
 ライの両肩をつかんで、ルルーシュが唇を押し付けた。離れたときに見たルルーシュの瞳は、苛立ちを含んで見つめ返す。


「これで、お前はこのまま何事もなかったようにいままでどおりに出来るのか。俺は、お前が過去にこだわってるということが、問題なのではない。素直なお前の気持ちを知りたいだけだ。過去の事よりも、今この場にいる俺という存在を見ることだ。誰しもわからないのは、この先の未来だ。その未来を俺はたった一人、目の前にいるお前と共にあることを望んでいる。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの名において命じる。不安といった余計な感情に左右されず、お前の今思う気持ちを口にしろ」


 月の光を浴びて一層白く惹きたてる、ライの消えてしまいそうなほどの儚い姿を見失わないように、その顔を両手に挟むようにして、ルルーシュの瞳が覗き込む。


「ッ! 僕は・・・」

 
 未来を見据えるルルーシュの紫の瞳は何処までも眩しく、其処から心にまで届くように熱い感情が伝わってくる。
 過去とか未来とかこだわるものは皆違うけれど、いま言うべき言葉を感情が震えて、涙と共に、ライは、ついに口にした。


「ーーーーー好きなんだ。ルルーシュ」

 
 目じりから涙を流すライの涙を指先でぬぐったまま、安心させるかのように微かに細めて目は優しく、片手でライの後ろ頭を撫でるように動かす。

 
「それでいい。嘘つきなのは、何もお前一人ではない」

「・・・どういうことだ?」

「俺も他の皆も嘘をつくときくらいはある。数でいえば、お前よりも俺の方が多い。・・・・だが、そんな俺でもついてきてくれるのならば、俺はお前に誓おう。いついかなる時も、お前の未来は俺と共にある、と」


 優しく囁く声がライの鼓動を高鳴らせる。ルルーシュをやんわりと押しのけるようにして、再び向き合う形となったライは、目を閉じて一息つく。
 開いた瞳は、濡れた色ではなく、輝きと強い意志を持って、ルルーシュへと向ける。


「我病める時も、健やかなる時も、汝を支え、共に歩むことを誓おう」

「ライ・・・・」

「誓うのは僕も同じだ。いまの誓いの言葉を君に送る」


 ルルーシュの背後にたたずむ神様ではなく、目の前のルルーシュに誓いを立てる。


「先ほどのお前の言葉、神前式の予行練習みたいだな」


 っと、ルルーシュに言われ、自覚したライは、照れと共に瞳を伏せるように逸らす。それにふっと笑って、ルルーシュは、光の差し込む礼拝堂の窓の外を眺めた。


「ブルームーンか。・・・・同性にも効果があるとは、新たな発見を見つけたな」


 それから同じように見上げたライへと振り返ったルルーシュが、このことを皆に知らせるか?と冗談に聞こえる声で言った言葉を、ライは首を横に振って、


「知っているのは、君と僕でいい。それに、伝説というのは語り継がれるもので、本人達が広めるものではないのだから」

「そうだな」


 窓から差し込む月光が、向き合う二人を照らす。それは、祝福の光のように、きらきらとした輝きをおびて、静かな礼拝堂で誓いを立てた二人の未来さえも明かりをともすように優しい色をしていた。


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