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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
理解ある混迷
掛け布団を剥ぎ取るように上半身を起こしたルルーシュは、ぜぇぜぇっとまるで運動の後の様に息をきらしていた。
悪夢から目覚めたばかりで、額にうっすらと汗さえ滲んでいた。
汗をぬぐうようにして額に手を当てるのだが、思考をまとめる為に考え込んでいるように見えた。
「・・・待て。何処から、夢だ」
漏らした言葉に返答はなく、離れるようにして眠っているC.C.が視界の隅に入るくらいで、寝息と時計の針の音以外には室内はとても静かだった。
目が覚めてしまったのもあってルルーシュは、ベットから降りると、静かな足取りで締め切ったままのカーテンを少しだけ開けた。
星が浮かぶ夜空とそれに似合った形で存在している三日月が地上へと淡い光を放つ。
賑やかな声も音もなく人一人が静かに寝入ってるだけで、これほど静かなものかと月を見上げた。
だが、月を鑑賞する気はないらしく、振り返るように自分のベットを見ていた。
僅かに差し込む月明かりに薄暗い室内が少しだけ見えるのだが、ルルーシュが見ていたのは就寝する前の出来事で、それを思い出すように思考をめぐらす。
恋人のライが話があると部屋を訪れてきたまでは、ルルーシュの中でもはっきりとしているのだが、信じられない言葉と衝撃によってか、夢の中にまで影響がでたのだと確信する。
『ルルーシュ、僕と別れてくれないか』
確かにその言葉を此処で聞いたのだが、その一瞬は夢の続きだったのかもしれない。
夢は隠されたメッセージだったり、何かの予兆だと聞いたことはあったとしても、ルルーシュの答えは決まっていた。
ふっと口端を吊り上げるようにして、
「言葉一つで切れる関係だったか。ライ、お前は思ったよりも俺をあまく見すぎてる」
その瞳は先ほどの揺らぎはなく、決意を強めた瞳がカーテンを閉めた暗い中で確かに光を秘めていた。
朝、途中で起きたせいか多少の眠気を引きづったまま、けれど表情は普段どおりを装って、いつも賑やかな声の聞こえる生徒会室へと足を運ぶ。
生徒会副会長であっても、段取りのいいルルーシュに残る仕事はなく、ちょくちょく足を運ぶ機会もないのだが、それでもイベント好きな生徒会長、ミレイからまとめて仕事が来る前に取り掛かるのはいつものことだった。
しかし、今日は一段と賑やかな様子に一瞬眉を顰めたルルーシュは、少し速めの足取りで声のする方へと向かっていった。
また、思いつきのイベントの提案を自分を置いたところで出されては困ると思ったからだったが、ルルーシュの予想は外れていた。
開けっ放しの窓から入り込む風と差し込んでくる日の光が、より一層声と同様に部屋を明るくしていたのだが、たった一人の人物を囲うようにして集っているのは、おなじみのメンバーであるのだが、その中心にいるのはルルーシュの知っているライなのだと、一瞬目を疑う。
しかし、光沢のある髪色、冷たく見えて優しい色を時折浮かべる銀の瞳、焼けない白い肌と華奢な身体は、ライに見間違うはずなかった。
椅子に座ったライが、ルルーシュの存在に先に気づいて、一瞬見とれてしまうような笑みで目を細める。
それはルルーシュの知る、恋人のライの姿であるのだと記憶が告げていた。
「ああ、ルルーシュ」
後から気づいたミレイ、シャーリー、リヴァル、スザクの四人は振り返る。
「びっくりするぜ、ルルーシュ。お前も信じられないかもしれないけどな」
見て欲しいのか近寄ってきたルルーシュに、椅子に座ったままのライを見せるようにしてリヴァルが道を開けながら声をかけてきた。
「念のために言うけど、ライだからな」
ライをライだというのは可笑しな話だが、ルルーシュの目の前にいるライは、昨日の夢の続きのように存在した姿でいるのだ。
瞳と髪色にはライとわかることは出来ても、結べるほどに長くなった髪と均整の取れた長い手足、容姿を見ても見慣れたはずのルルーシュが凝視してしまうくらい美しいけれど、以前のライは大人っぽいと言われるだけで学生で通せたとしても、今のライはどう見てもルルーシュより年上にしか見えなかった。
「・・・・」
顔を洗い着替えて、朝食をとったのだが、まだ夢でも見ているのかそんなはずはと目を見開いたまま固まっているルルーシュとは違い、ライはその瞳の奥に動揺を見つけたからなのか、もしくは予想はしていたのか少し寂しげに瞳を伏せた。
二人の取り巻く雰囲気にミレイだけが違和感を覚えてか、興味津々と見守るリヴァルとシャーリーを引き離すようにして、ミレイが言った。
「二人で話したいこともあると思うから、これ以上の詮索は駄目よ」
「会長~。でも、ルルーシュの反応気になるでしょう」
「そうですよ。あんな風に変わってしまったライを、ルルがどういう言葉をかけるのか気になるじゃないですか」
リヴァルとシャーリーの言い分に、ミレイは笑う。
「それは、二人の問題でしょ。私達が入る隙があるときでいいじゃない」
「でも」
「はいはーい。まずは仕事を片付けてからねー」
二人の様子が気になるらしく、後ろ髪惹かれる思いで振り返るシャーリーとリヴァルの背を押して、スザクへと振り返る。
「アーサーの餌やりはもう済んだの」
見届けるようにライの傍に立っていたスザクが、かぶりと噛み付く痛みに視線を落とせば、強請るようにニャーと鳴いているのに気づいて、そうだったと思い出したようにアーサーの餌の準備をはじめる。
「放課後屋上に来い。その時、昨日の答えをやる」
距離を置いて、二人で話せる空間となったのだが、二人して口を開く様子はなかった。
ライが別れてくれといったのは、決してルルーシュを嫌ったわけではなく、姿かたちが以前と比べ物にならないほどに変貌したからこそ、あると決まったわけではない自体だからこそこれ以上の迷惑をかけないためにも、敢えて身を引く決意である日、告げたのは事実だった。
ルルーシュは当然に納得できないようで、頷くこともなく、ただ考えさせてくれっと答えたのだが、今日のルルーシュの反応を見ると、やるべきことを胸のうちに持ちそれをなしどける為には、余計なより所は彼のためにならないだろうと思い改め、ルルーシュの名を呼んだ。
[続く]