コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
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★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
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★ お気に入り
★2010/03/09 (Tue)
声無き声で解けない魔法を
誰かに呼ばれる声を聞いて、夢から現実へと意識を戻した神楽耶は上半身を起こして周りを見渡した。
しかし、薄暗い和室には他に誰がいるわけでもなく、静かだった。
「誰、ですか」
見間違いと目をこするけれど、幻でもなく増して夢の続きでもなく、障子に映る人影に神楽耶は驚くいたが、不思議と恐怖は感じなかった。
それほど怖いものが好きなわけでも、霊感体質でもないのに、どういうわけか。
「神楽耶」
鳥の囀りの様に響きのあり綺麗な旋律を紡ぐ声に、耳に覚えのあった神楽耶は無意識にその名前を口に出していた。
「ライ」
柔かな風が障子を、月を背に写りだされるシルエットに跳ねた髪と共に僅かに揺らしているのが神楽耶の瞳に映る。
「ああ・・・」
「―――どうして、貴方が此処に」
まだ日も明けていない真夜中に一体何の用があるのか。
人影しか見えない障子へと神楽耶は問いかける。
「・・・本当にどうしてだろうか。自分でもわからない」
こぼれるライの言葉は優しかったけれど、顔が見えないためか言葉を選んでるように感じられ、神楽耶は不安に思えた。
「こんな夜に変なことをいいますわね」
「―――そうだな」
夜中に会いに来るのは可笑しな話かもしれなかった。それに、此処は一般の人間が易々とは入れるほどに手薄ではないのだから、不審に思うのだけど、それよりもライが自分に会いに来てくれた喜びのほうが大きかった。
だから、疑問をぬぐうようにして、障子越しではなく顔を見ようと近づいていく神楽耶だったが、ライの言葉で動きを止める。
「神楽耶、開けずにこのまま話を聞くと、約束してくれないか」
声を聞けるだけでこんなに嬉しいとは思わなかったけれど、会いたかったと思うのは神楽耶も同じで、憂いの表情を隠すように伏せた瞼と共に切ない声がこぼれる。
「何故ですか?。私に会いにきたのでしょう?」
「すまない・・・。けれど、外部から浸入していつまた護衛に見つかるとは限らないし、これ以上は君に迷惑をかけるつもりはないから」
着衣の世話係以外、自室に男を入れたことはないのは確かだけど、ライを部屋に入れるのは難しいことではない。
けれど、いくら知り合いだからといえど匿った事が知れれば、神楽耶の立場も危ういようになるとの事を考えて、障子越しの会話を選んだライとて、本当は顔を見たいはずだろうけれど、神楽耶とて自分の我が侭でライを困らせたい訳でもなく言葉を飲み込むように承諾した。
「・・・わかりました」
「ありがとう」
少しでも近寄りたくて障子に手をつくようにして、神楽耶は寄りかかると向こう側にいるはずのライを見つめるように目を細める。
揺らいだその瞳には、月明かりに映し出された人影はっきりと部屋の中まで映し出されていた。
今どんな表情を浮かべているのだろう。
問いかけに返答もないのに、些細な沈黙が長いように感じられた。
「ライ・・・?」
「大丈夫、ちゃんと傍にいるから」
後ろから物音がして、何かと思えば障子を挟んだ真後ろに気配と人影が背を向けるようにあった。
静かな夜に、どことなく悲しみをこめた音が、かすれた声となって神楽耶に伝わる。
「これから君にとっても最後の話をするけれど聞いてくれるか」
「えっ?」
「・・・此処へと訪ねたのは、今日を最後の夜にしようと、もう一度だけ会いにきたかったんだ」
「どういう、ことですの?」
どきどきと高鳴るのは、胸騒ぎがするからなのか。
押さえるように、神楽耶は胸に手を当てる。
「言葉通りだ。君に会いに来る理由もなくなった」
記憶が戻ったとしたら、神楽耶の事自体覚えてないはずそれ以外で考えることがあるとすれば、他に好きな人が出来たのかもしれない、それとも、どこか遠くへと旅にでるのかもしれない。
けれどそれなら、どうして今更会いにきたのか。
ライの言葉は冷静なのに、何処となく声にいつもの元気はなく寂しげなのか。
答えの出せぬまま言い知れぬ予感だけを抱えて、障子を背にしたまま膝を抱えた神楽耶は、一つ分高い頭の見える人影へと視線を落として、跳ねた髪が風に揺らぐのに懐かしく口を緩める。
「こんな時間に、私を起こしてまで訪れて」
「・・・・・・・」
「勝手、ですわね」
怒りではなく寂しさを湛えた声で強気に呟くけれど、微かに笑う気配があるだけで何もライから言い返しては来なかった。
そうして一時的に学園にいたときのような会話を楽しんでいたのだが、不意に楽しい時間は終わりを告げる。
障子越しに映る人影が立ち上がるのを見て、コレが本当に最後なのだと不安が頭をよぎり、遠さがって行く影に、今までの会いたかった思いが溢れてライの言葉に従わず障子の引き戸に手をかけると、
「待って! 私、貴方にはまだ伝えてないことが」
優しい風が撫でる様に神楽耶の髪をふわりと靡かせて、庭に咲く花と草と香りをつれて、室内に入り込んだ。
いきよいよく開け放った障子の向こうには、季節はずれの蛍が仄かな明かりを灯したまま飛び交う光景が見えるだけで、人影もそこにいたはずのライの姿もそこには見えなかった。
吹いた風が、黒髪を乱して顔にかかるのに神楽耶は整えるように指で拭うのだが、その瞳は悲しみに陰るように地面へと伏せていた。
空へと飛び立つ蛍を追いかけ、夜空を見上げた神楽耶の耳に、確かにライの声を聞こえた気がした。
―――神楽耶 傍にいられないけれど君の幸福を祈っているよ
夢のような出来事に思えたけれど、ライの存在が幻ではないと言いだけに、神楽耶の足元には、一輪だけ赤い椿が落ちていた。
拾い上げた椿の花にはじいた雫は、神楽耶の涙だったのかもしれない。
そう神楽耶は予感の意味を知ってしまったのだ。
ライが、この世界から本当に手の届かない場所へと消えてしまったのだということに気づいてしまった。
月明かりが地上を優しく包み込むように、少女の涙を照らしていた。
[留め]
誰かに呼ばれる声を聞いて、夢から現実へと意識を戻した神楽耶は上半身を起こして周りを見渡した。
しかし、薄暗い和室には他に誰がいるわけでもなく、静かだった。
「誰、ですか」
見間違いと目をこするけれど、幻でもなく増して夢の続きでもなく、障子に映る人影に神楽耶は驚くいたが、不思議と恐怖は感じなかった。
それほど怖いものが好きなわけでも、霊感体質でもないのに、どういうわけか。
「神楽耶」
鳥の囀りの様に響きのあり綺麗な旋律を紡ぐ声に、耳に覚えのあった神楽耶は無意識にその名前を口に出していた。
「ライ」
柔かな風が障子を、月を背に写りだされるシルエットに跳ねた髪と共に僅かに揺らしているのが神楽耶の瞳に映る。
「ああ・・・」
「―――どうして、貴方が此処に」
まだ日も明けていない真夜中に一体何の用があるのか。
人影しか見えない障子へと神楽耶は問いかける。
「・・・本当にどうしてだろうか。自分でもわからない」
こぼれるライの言葉は優しかったけれど、顔が見えないためか言葉を選んでるように感じられ、神楽耶は不安に思えた。
「こんな夜に変なことをいいますわね」
「―――そうだな」
夜中に会いに来るのは可笑しな話かもしれなかった。それに、此処は一般の人間が易々とは入れるほどに手薄ではないのだから、不審に思うのだけど、それよりもライが自分に会いに来てくれた喜びのほうが大きかった。
だから、疑問をぬぐうようにして、障子越しではなく顔を見ようと近づいていく神楽耶だったが、ライの言葉で動きを止める。
「神楽耶、開けずにこのまま話を聞くと、約束してくれないか」
声を聞けるだけでこんなに嬉しいとは思わなかったけれど、会いたかったと思うのは神楽耶も同じで、憂いの表情を隠すように伏せた瞼と共に切ない声がこぼれる。
「何故ですか?。私に会いにきたのでしょう?」
「すまない・・・。けれど、外部から浸入していつまた護衛に見つかるとは限らないし、これ以上は君に迷惑をかけるつもりはないから」
着衣の世話係以外、自室に男を入れたことはないのは確かだけど、ライを部屋に入れるのは難しいことではない。
けれど、いくら知り合いだからといえど匿った事が知れれば、神楽耶の立場も危ういようになるとの事を考えて、障子越しの会話を選んだライとて、本当は顔を見たいはずだろうけれど、神楽耶とて自分の我が侭でライを困らせたい訳でもなく言葉を飲み込むように承諾した。
「・・・わかりました」
「ありがとう」
少しでも近寄りたくて障子に手をつくようにして、神楽耶は寄りかかると向こう側にいるはずのライを見つめるように目を細める。
揺らいだその瞳には、月明かりに映し出された人影はっきりと部屋の中まで映し出されていた。
今どんな表情を浮かべているのだろう。
問いかけに返答もないのに、些細な沈黙が長いように感じられた。
「ライ・・・?」
「大丈夫、ちゃんと傍にいるから」
後ろから物音がして、何かと思えば障子を挟んだ真後ろに気配と人影が背を向けるようにあった。
静かな夜に、どことなく悲しみをこめた音が、かすれた声となって神楽耶に伝わる。
「これから君にとっても最後の話をするけれど聞いてくれるか」
「えっ?」
「・・・此処へと訪ねたのは、今日を最後の夜にしようと、もう一度だけ会いにきたかったんだ」
「どういう、ことですの?」
どきどきと高鳴るのは、胸騒ぎがするからなのか。
押さえるように、神楽耶は胸に手を当てる。
「言葉通りだ。君に会いに来る理由もなくなった」
記憶が戻ったとしたら、神楽耶の事自体覚えてないはずそれ以外で考えることがあるとすれば、他に好きな人が出来たのかもしれない、それとも、どこか遠くへと旅にでるのかもしれない。
けれどそれなら、どうして今更会いにきたのか。
ライの言葉は冷静なのに、何処となく声にいつもの元気はなく寂しげなのか。
答えの出せぬまま言い知れぬ予感だけを抱えて、障子を背にしたまま膝を抱えた神楽耶は、一つ分高い頭の見える人影へと視線を落として、跳ねた髪が風に揺らぐのに懐かしく口を緩める。
「こんな時間に、私を起こしてまで訪れて」
「・・・・・・・」
「勝手、ですわね」
怒りではなく寂しさを湛えた声で強気に呟くけれど、微かに笑う気配があるだけで何もライから言い返しては来なかった。
そうして一時的に学園にいたときのような会話を楽しんでいたのだが、不意に楽しい時間は終わりを告げる。
障子越しに映る人影が立ち上がるのを見て、コレが本当に最後なのだと不安が頭をよぎり、遠さがって行く影に、今までの会いたかった思いが溢れてライの言葉に従わず障子の引き戸に手をかけると、
「待って! 私、貴方にはまだ伝えてないことが」
優しい風が撫でる様に神楽耶の髪をふわりと靡かせて、庭に咲く花と草と香りをつれて、室内に入り込んだ。
いきよいよく開け放った障子の向こうには、季節はずれの蛍が仄かな明かりを灯したまま飛び交う光景が見えるだけで、人影もそこにいたはずのライの姿もそこには見えなかった。
吹いた風が、黒髪を乱して顔にかかるのに神楽耶は整えるように指で拭うのだが、その瞳は悲しみに陰るように地面へと伏せていた。
空へと飛び立つ蛍を追いかけ、夜空を見上げた神楽耶の耳に、確かにライの声を聞こえた気がした。
―――神楽耶 傍にいられないけれど君の幸福を祈っているよ
夢のような出来事に思えたけれど、ライの存在が幻ではないと言いだけに、神楽耶の足元には、一輪だけ赤い椿が落ちていた。
拾い上げた椿の花にはじいた雫は、神楽耶の涙だったのかもしれない。
そう神楽耶は予感の意味を知ってしまったのだ。
ライが、この世界から本当に手の届かない場所へと消えてしまったのだということに気づいてしまった。
月明かりが地上を優しく包み込むように、少女の涙を照らしていた。
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