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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
手立ては早急に
いつもの部屋にいつもと違う光景があった時、貴方はどうしますか?
脳内にそんな質問が横切るほどに目の前にある光景に、ルルーシュは目を見開いた。
制服でも私服でもなくメイド服を着たライと、脱がす途中なのか着せている途中なのかライの服を掴んだまま覆いかぶさっているのは咲世子で、二人ともベットの上にいるためか、咲世子が襲っているように見えなくもないのだが、咲世子は特に気にしていない様子で帰って来たルルーシュへと振り返り笑顔を浮かべた。
「お帰りなさいませ。ルルーシュ様」
しかし、その状態のまま一向に退く気配のない咲世子へと、眉を寄せたルルーシュはベットへと歩み寄りながら、
「そこで何をしている?」
「ライ様の着替えを」
「着替え?」
咲世子が今までライの着替えに手を貸したことがないのもあるが、何ゆえメイド服に着せ替える必要があるのかはルルーシュには理解不能だったが、
「はい。しかし、ライ様には着慣れない服の上、お恥ずかしいようなので私が手伝っていたのです」
恥ずかしいというより嫌がっていたのだろうメイド服を着せられたライは、抵抗したせいか乱れた装いとなっていた。
白い鎖骨と首筋の覗く両肩に、引っ掛けてあるメイド服は、ライにも違和感なく似合う程で、レース付きの黒のエプロンドレスから伸びた脚は筋肉をつけながらも細く、僅かに素肌の覗く白のニーソックスを履いていて、不謹慎だと思いながらも女性と違った可愛らしさに自然とルルーシュの頬が染まり目を背ける。
ルルーシュの心情を知ってか知らずか、咲世子はライへと顔を向けると、
「さあ、ライ様。ルルーシュ様もお待ちしておりますので早く見繕いましょう」
問答無用と言った様子で微笑み返して、止まっていたライの着替えを進める咲世子に、ルルーシュの視線を気にしてか羞恥に頬を染めたライは慌て始める。
「咲世子さん、待ってください!。着替えくらいは他にもありますから、何もメイド服を着せる必要は」
ベットに倒されるようにと片手で支えたまま、着替えさせられる事に抵抗していたライであったが、それを上回るくらいの力で押さえつける咲世子は怖いくらい普段どおりの表情だった。
もどかしくライの両脚がジタバタと空中を蹴る度に、ふわふわとしたスカートの裾が舞い上がり、下着が見えそうなくらいに危うい事に気づいているのはルルーシュだけだった。
意識せずともちらちらと覗くライの白い肌を盗み見ては、目を背けていた。
「そういうわけには参りません。私の不注意でライ様の服を汚し、お洗濯をしている間風邪でも召されてはなんとお詫びしてよいか」
「僕が風邪を引くのは自己責任です。制服は駄目でも私服がまだありますから」
ライの言葉に密着していた身体を僅かに浮き上がらせた咲世子は、
「お伝えするのが遅れてしまいましたが、今日はお詫びをかねて、ライ様の服は全て洗濯させていただきました。お天気もよろしいので」
そう言って、朝の爽やかさを纏った笑顔で笑いかけると、ライは抵抗を止め口を詰める。
「っ!」
「なので、代わりで申し訳ありませんが、こちらの服で代用をと」
「コレは咲世子さんの服でしょう?.僕の体格的に無理があるんじゃ」
「ええ。そうおっしゃると思って、特別にライ様専用へと仕立てた服ですので、お気になさらず」
「・・・・」
気にして欲しいところが間違っているものの、それよりも何故ライ専用メイド服を誂える必要があるのかと、ライは絶句するのだが、唖然とするライを置いて咲世子は慣れた様子で着替えを進めていくのであった。
「洗濯が終わり次第お届けにあがりますので、しばしお待ちください」
ベットに腰掛けたままのライは、俯いて表情は髪の影に隠れてわからなくなっていたが、背中には暗い雰囲気を纏っていた。
どういった経緯にせよ、自分が女装をする羽目になったのは居た堪れないのだろう。
ルルーシュとて気持ちがわからないわけでもなく同情の視線を送るのだが、咲世子だけはその場の空気に気づいてないらしく、ルルーシュの横を通り過ぎる際に耳元で、
「ルルーシュ様。しばし乾くまでに時間がかかると思いますので、どうぞ心行くまでご堪能ください」
何を?と疑問符か浮かぶままに咲世子を振り返るルルーシュに、咲世子は何もいわずにっこりと微笑んで二人に向かい一礼すると、その場を立ち去った。
最後の仕上げに、可愛らしいホワイトブリムもつけて、ウィッグをつけないながらも、女装ではあるけれど本当にメイドに思える装いとなっていたのは、ある意味咲世子による目利きのよさなのかもしれない。
「気の毒だが、お前がよければ俺の服を使えばいい」
小さく息をついてから口を開いたルルーシュに、僅かに青ざめた顔色でライが顔をあげる。
「・・・いいのか?」
僅かに希望のような光が銀の瞳に宿り、先ほどよりも明るくなったライが戸惑う様に訊ね返すと、
「ああ、サイズは問題ないだろう」
「ルルーシュ・・・すまない。それと、ありがとう」
「気にするな。委細かまわず咲世子の責任は俺にもあるのだから、それに」
そんな格好で見せるように出歩きたくはないだろうという配慮と、俺以外の者にあまり見せて欲しくはないと複雑な心境で見つめるルルーシュに、ライは首を傾げる。
「お前のことだ。すぐに着替えたいだろうから、こちらで幾つか見繕っておくが構わないな」
頷いたライに背を向けたルルーシュは、そのままロッカーの扉を開いて、ライにも着れる服を何枚か取り出した。
その服をライへと渡すと、
「移動の間、誰に見られる心配もないから、着替えるなら此処にしておけ」
そのまま部屋に戻らないようにと釘を刺したルルーシュへと、顔をあげたライは、受け取った服へと視線を落として、もう一度ありがとうの返答に、ルルーシュは我知らず頬を緩めた。
その後、着替えに取り掛かろうとしたライは、ふと動きを止め、椅子に腰掛けたまま静かに読書をしているルルーシュへと振り返ると、
「ルルーシュ、少しいいか?」
「どうした」
本から視線を上げたルルーシュが、ライを見やると戸惑うように揺れた瞳を捉えて凝視してしまう。
「君の服を借りたのは有難いんだが、どうにも一人で着替えられそうにないんだ。手伝って、くれないだろうか」
背中にひもがあり、解こうにもどんな風になっているのかライの目から見れず、ルルーシュに背中を見せる。
「・・・ああ」
ライの言葉に、一瞬何かを期待したように落胆した自分に動揺しながらも、ルルーシュは表情には出さず、読みかけの本を机に置いたまま、椅子から腰を上げライのほうへと歩み寄った。
[留め]