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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2009/05/19 (Tue)
うんと悩んで、登場する予定もなかったのに、ゼロとC.C.が出ています。
いい雰囲気出したかったのだけれど、やっぱり書くとなると難しいですね。
というわけで、カレン×ライです。
お話は、続きからになります。

拍手を送る

 

ほろ酔い加減で誘惑


 その光景を見たカレンは、唖然としたまま、言った。


「何、この有様」


 騎士団メンバー達は、ゼロの提案により、バスにて移動した連中は、旅館に着いて、夕飯を始めると共に一時の宴会を楽しんでいたのは、知ってはいるが、既に出来上がっている人とまだ飲んでいる人と、テーブルの上に置かれた缶や一升瓶の空を目にして、カレンは頭が痛くなった。


「ほらー、カレン、あんたもこっちに来て、飲みなさいよ~」

「井上さんまで、もう酔っ払ってる。井上さん、私は未成年なので、遠慮します」

「いいじゃない~硬い事言わなくて。ほら、私がお酌してあげるから、ぐぐぅっと飲んでみなさいよ」

「はぁ」


 酒を含んで、より一層盛り上がりを見せて、がやがやと雑音交じりの会話がにぎやかに飛び交う中、視線を彷徨わせたカレンは、ゼロの他に、いるはずのライの姿が見当たらないことに首を傾げて、一升瓶をなぜか持ったまま、通りかかった玉城に声をかけてみた。


「ねぇ、玉城、ライが見当たらないみたいだけど、何処にいるか聞いてない?」

「あ? ライ? あいつだったら、酔い覚ましてくるって、さっき出て行ったぞ。まだ、これの半分も飲んでねぇうちにさ。根性ねぇやつだぜ」

「飲んでって、飲ませたの!?、ちょっと、玉城、ライは私と同じまだ学生なのよ。聞いて」


 カレンの言葉も聞くこともなく、玉城は飲んでいる仲間のうちに溶け込んで、お酒を呷っていた。
 酔っ払いに何を言っても会話として通じなくて、カレンの様子を好物のピザをかじりながら、見ていたC.C.が話しかけてきた。


「もう既に、この場は収拾がつかない。お前を抜きにしても、この状態はまだ続くだろう。詮索されずに探すのなら、今だぞ。行ってやれ」

「言われなくても、そのつもりよ」

 
 バタンとかけてくる声も遮断するかのように、背で襖を閉めて、ライを探しに言った。






 まずは、玄関帳場、受付に聞いてみたが、ライが此処を通った様子はなく、洗面所などの公共の場にも、いる様子はなく、歩いた足は、縁側へとたどり着いて、見間違うはずのない姿を眼にして、声をかけて近づいた。
 

「ライ」


 月明かりに照らされた横顔が、ゆっくりと振り返ると、綺麗な髪が月の光に反射するように、白く映った。


「・・・ああ、カレン、か。こんなところで、どうしたんだ?」

「それはこっちの台詞でしょ。・・・大丈夫なの?。貴方、お酒飲んだって聞いたけど」


 そう言いながら、カレンは着た浴衣を縁側から外へと足を出すようにして、腰を下ろした。普段の活発的な表情は隠れていないものの、浴衣のせいか、大人しいとはまた違った味わいが雰囲気に出ていた。


「いや、そんなに飲んだつもりは」

「そうなら、よかっ・・・じゃないわね。ライ、もしかして酔ってる?」


 ライはいつもの無表情に、頬に赤みを帯びたまま、目を細めた。


「酔ってはいないが、気分はいいな」

「十分酔ってるじゃない…」


 ライから進んで飲むと言う考えは思いつかず、騎士団メンバー、あの様子からだと言うと、主に玉城あたりが無理やり飲ませたのだろう。何があったのかは、カレンの知ることではなかったが、断れなかったのかと、非難を帯びた視線が一瞬ライに向けてから、ぼやいた。


「はぁ、どーしてわたし一人だけ」


 三人を除いて、騎士団のメンバーは皆、大人で、素面としている自分が、わいわいと賑わう中で、一人だというのは、気が沈んだ。
 話せる相手が一人でもいるのなら、良かったのだが、ゼロはこういう仲間内の事に、深く干渉すると言うより、一人を選ぶ方ではあるし、C.C.はあのようにピザに夢中で、唯一、同じ学生で話せる仲間である、ライが今のさっきいた連中と同じく酔っ払いとなってることが、寂しいと思った。


「カレン綺麗だよ」

「な、何言って!?」


 突然の言葉に、カレンは驚くのだが、カレンの様子を知ってか知らすが、白い肌を映して、月を指差して、いつもの無表情より、幾分か柔らかな顔で、口に笑みを浮かべて口にする。


「?ほら、月が綺麗だ」

「えっ、ああ…月、ね」


 カレンは、一瞬、自分の事を言われたのかと思った気持ちが、月を見上げて、声と共に残念そうに下がった。
 

「本当、どれくらい飲んだか知らないけど、まだ学生なのよ。それに貴方だって、まだ年は変わらないわよね?」


 記憶喪失な為、ライ自身も知らぬ事を、今たずねたとしても、返ってくる答えはないのは明らかで、きょとんとしたライの顔がカレンへと向けられる。


「まぁ、記憶喪失だから、その辺は私もわからないけど、貴方も学校の生徒であることに変わりはないんだから、もっと自覚しないと」


 カレンの言葉に、眼を伏せたライは、再び、月を見上げた。
 

「…生徒か、いつの間にかそれも定着していたな」

「ライ?」


 心配そうに眉を下げてカレンは名前を呼んだ。それは明かりに映した銀の瞳と、浴衣から覗く白い肌が、月光に似合って、ぼんやりとはかない印象にカレンには映って見えたからだった。月から、地面へと顔を向けて、呟くように気になる言葉を口にする。


「僕はいつまで、ここにいられるんだろうな」


 さらりと吹いた風が音と共に、存在を示して、其処にあるものたちを、風がなでる。一瞬の沈黙と風の終わりに、虫の声か微かに聞こえ始めた。


「いつまでなんて、黒の騎士団でも学園でもあなたの場所でしょ。みんなだって、そう思ってるはず。それに、私だって」


 そう言って、カレンはライから、顔を背けて、足へと置いた握った手を見つめた、照れを浮かべてまま。
 けれど、ライから、何も反応がないことに、カレンが、顔を向ける前に、肩に乾いた音と同じく重みがかかり、視線を向ければ、頭があった。
 少しだけ顔を覗き込むように、カレンが体勢を崩すと、普段の凛とした表情は隠れ、変わりにあどけない寝顔を見せ、小さな寝息を立てていたライがいるのだった。


「もう寝てる。ああ、何なのよ、これは!」


 声が大きくなり、はっとわれに返ったカレンは、慌てて口を手で隠すと、チラリとライを横目に盗み見る。


「・・・大丈夫みたいね。それにしても、よく寝てる」


 起きたようすがないことに、ほっと息をついたのだけれど、少し離れた距離でカレンにもたれたライは、バランスが悪く、数分で落ちてしまいそう起こそうかと手を伸ばしかけたときに、不意ににぎやかな声が聞こえ、そちらへと目を向ければ、聞こえてきたのは、先ほどまで自分がいた宴会場で、気づいたわけではないと、息をついて、もう一度、ライを目にした。
 カレンの伸ばした手は、戻された。
 僅かに開いた距離をカレンが詰め寄ったことで、崩れることなくもたれさせたまま、膝を抱える。


「皆、浮かれすぎな気もするけど、それだけ、普段の戦いは今よりも緊張している事が多いだけ、当然なのかもしれないわね」


 視線を横へと投げて、カレンは独り言を続けた。


「それよりも、人の気も知らないで暢気に、寝ちゃってる人をどうにかしないと」


 不満そうな顔は寝顔にほだされてか少しずつ、小さな笑いをこぼして優しい顔になって、月明かりの照らす中で、二人のいる光景があまりにも、似合っていた。


「なっ!?」

「…ゼロ!。あっ…」


 ライがまだ自分にもたれるようにしていることに気づいたのだか、それよりも早く、ゼロがそれを見てしまったことに、カレンは慌ててしまっていた。それ故、どこかいつもの声が、強張って動揺を隠すかのように、不自然な声で喋る、ゼロに気づくことが出来なかった。


「・・・失礼。邪魔をしてしまったようだ」

「えっ、あ、邪魔って事は、これは」

「いや、二人には、黒の騎士団として重要な戦力であるが、側近の事を良く知らなかったとはいえ、プライベートなことまでは私の管轄ではない。この事を、皆に口外するつもりはないから、安心していい」

「いえ、あの、これはっ」


 カレンが立ったことで、支えのなくなったライが、床へと倒れる。
 頭を打った音も聞こえそれに、一瞬気をとられつつも、ゼロから、顔を逸らせなかった。


「だが、その様子だと、二人一緒だと言うことが、バレる可能性がある。他のもの達には、気分が悪くなったと話しておいてやろう。心配する必要はないが、・・・・ライの事は、いや、一時的な旅行になったとはいえ無理をするな。それだけだ」


 何かを言う前に、後ろを向けたゼロを見送ったまま、カレンは、戸惑いを露にする。ゼロに誤解されてしまった。
 ライの事をいやと言うわけではないが、憧れのゼロに、見られたというのは、心境は複雑なばかりで。


「っ!」


 背中越しにライの痛む声を聞いて、我に返った。


「!、ごめん!、ライ、大丈夫?」


 起き上がらせるように、支えたカレンにライの瞳が向けられる。


「カレン?」

「さっき、私が立ち上がったせいで、頭打ったでしょう?。・・・怪我は」


 突然視界が、流れるように天井を映して、ライの顔が眼に入る。押し倒されたのだと、数秒で自覚したカレンは驚いた。


「…」


 見詰め合うようにして、ライが顔を寄せると、近い距離となった事に、今度こそ、カレンの頬が染まった。。
 カレンの顔を覗き込んだその瞳が、月に似て綺麗だけど起き上がりの寝ぼけ眼のようで、瞬きを繰り返すうちに、意識は覚醒したらしく、ライは口を開いた。


「何やってるんだ?」


 目の前で、聞いたその言葉に、カレンは一瞬思考が止まったようにして、それから、くすぶるように芽生えた感情は、胸の中で怒りへと変わる。
 正確には、ライが押し倒しているから、こういった状態になっているわけで、けれど、自覚はしてないライの言葉に、カレンは言った。


「そんなこと・・・・・・、私に聞くな!」


 ドカっと、殴るようにして、ライを押しのけると、反射的に身を引いてみたものの、完全ではなかったらしく、攻撃を受けた頬に片手を当てたライは、わからないと言ったように、目を瞬かせた。 


「?。何故、殴られるんだ?」

「自分の胸に手を当てて、聞いてみなさいよ!」


 恥ずかしさと怒りでこぶしを震わしながら、力説する。
 カレンの言葉と、もう一度、先ほどの状況を思い返した、ライは、


「あれは、僕が、押し倒したのか?」

「ええ、そうよ」

「まだ、曖昧なところでしか、覚えてはいないが、すまなかった」


 無表情なのに、シュンと犬が耳をたれて見せるよう見えるのは、酒の影響か、


「・・な・・・・」


 口の中で話すように、小さい声は、ライは届かず、


「カレン?」

「…もういいわよ。私もさっき貴方を落としたことを、誤らなきゃいけないから」

「落とした?」

「っとにかく!、これで、もう、平気ね。寝たいのなら、此処じゃなくて、部屋のほうで寝たほうがいいわよ。あっちの宴会の事は、気にせずにね」


 立ち去ろうとした腕をひっばられ、ライの隣で床に足をつけて座る体制になった、カレンが、視線で何だと言いたげに、ライを向く。


「まだ、酔ってるの?」

「いや、今度は、起きてる」

「そう。それなら、私はいる必要ないわね。探しに来ただけだから、もう、戻るわ」


 そう言って引こうとする手を、掴んだままのライの手が、それを止まらせ、訴えるように掴んだ手から、ライへと視線を動かす。


「ライ」

「カレン、さっきので思い出したことがあったんだ。寝ていたときに、触れたぬくもりがあったが、あれは、君なのだろう?」

「それは・・・」


 目をごまかすように、逸らすカレンに、ライは問う。


「違ったか?」

「そうじゃないけど、気づくの遅いわよ」

「そう、だな」


 掴んだままだった、ライの手がゆっくりと離れたが、カレンは立ち上がることはしなかった。
 カレンは、来たときのように、座りなおして、顔が近づいた時に、香った匂いを思い出して、


「まだ、酒の匂いが残ってるわね」

「ああ、記憶にないせいか、身体には馴染めなくて、まだ意識はあったつもりなのだが、いつの間にか寝てしまった。それで心配をかけて何だが、カレンも、少しは飲んでみようとは思わなかったのか」

「私は、まだ未成年だから、飲めるわけ、ん?!」


 重なった影が離れ、頬を染めたまま、驚いた瞳のカレンと、悪戯に細めるようなライの瞳が合って、


「これで、カレンも飲んだことになるだろうか」


 言いたい言葉は、つっかえてしまったのは、恋人のそれとなった甘い微笑が、自分を見ていたからで、唯一、口に出来たのは、一言だった。


「馬鹿…」

 
 カレンが視線からそらすように、横眼をむくのだが、ふっと笑う声に気づいて、ライへと向き直る。

 宴会場では、にぎやかな声が遠くに聞こえてきたけれど、二人のいる場は虫の声だけで、静かにカレンの手が伸びて、ライの手と重ねて、僅かに葉を揺らす風が髪をなでて揺らめく、見つめ合う二人の空気に溶けていく。
 ほんのりと月光に浮かんだ二つの伸びた影があり、近づいたのはどちらが先なのか、影が寄り添うように重なると、何処からか、風鈴の音が祝福するかのように、音を響かせるのだった。


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