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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
君からの信号
想いを伝えて、届いた気持ちは、また増えて溢れいくばかり。
「シャーリー、嬉しいのはわかるけど、顔緩みばなしよ」
「え?」
プールサイドで、同じ部活仲間に指摘されて、シャーリーは両手で頬をさすった。
知らず知らずのうちに、笑っていたのだろうか、そのことに気づいて、今更恥ずかしくなる。
部活動中ということもあって、まだほとんどが水着姿のまま。
「気をつけなさいよ。まだあんたとあの美形君の仲を認めたくないって、子も少なからずいるんだから。もう少し気を引き締めなさいよ」
「気を引き締めるって、私そんなに浮かれた覚えはっ」
「そう?、あんたから聞く話が前までは、大半ルルーシュだったのに、今度は、どうゆうわけか、というより、いつからそんなに親しくなったのか。あの、幻の美形君と付き合う事になっているのよ。しかも、話題ものろけ話ばっかりだし、それは浮かれてるとは違いますかね?シャーリー」
自覚はあったらしく、シャーリーが俯いて。
「うっ・・・ごめん。今度は、真面目にする」
「本当に?。あ、ほら、あんたの彼氏が呼んでいるわよ」
部活仲間のさした方向を見ると、ライがこちらへと歩いていくのを見えた。
「え、あ」
友人は、その場から、離れるようにして、背を向けて、手を振るようにして言った。
「いちゃつくのもいいけど、あんまり、見せつけないでね」
「見せつけては、ないよ」
「シャーリー、何を見せつけるんだ?」
くるりと後ろを振り返ると、ライがそばにいて、さっきほどの発言を聞かれたことに、恥ずかしげに頬を染める。
付き合うことになってから、同じ水泳部に入ることになって、より一層二人の時間が重なって、それは嬉しいと同時に、部活の時と二人の時と切り替えるのはまだ難しいようで。黙ってしまったシャーリーに、
「どうした?」
ライの視線に気づいて、我に返り、言い始める。
「え、ああ、うん。さっき見てたけど、ずいぶんとタイムが早くなったね。私よりも、タイムあがってるから、びっくりしたよ」
「シャーリー?」
「いや、その、私も頑張らなくちゃって、思っただけで。わたしは、最近落差が激しいから、本当に、わたしより凄いなって」
ライの頑張っている姿が、好きでもあり、だから、それを見て、自分も頑張ろうと思うのだけど、いつか追い越されてそのまま自分の手の届かないところに言ってしまうのではないかと不安もあって、顔を曇らせたシャーリーを見た、ライは、
「シャーリーは、面白いことを言うな」
「面白いって、私、別に・・・」
「面白いよ。シャーリーが水泳を教えてくれたんだろ?」
「えっ?」
「だから、こうして泳げるまでになった」
「あ」
初めに、水泳に誘ったのは、シャーリーであり、記憶喪失で泳ぎにおぼろげなライに、水泳を教えてくれたのも、シャーリーだという事実は変わらない。
「僕とシャーリーでは、明らかに水泳歴が違いすぎる。だから、僕が追いつくことはあっても、越えるにはまだ先だよ」
「そんな事ないよっ!、ライはまだ知らないから、自分の実・・・」
ライに静かにというように、指を当てられ、指の触れた口を閉ざしたシャーリーに、ライは、真剣に言う。
「本当は黙っておこうかと思ったけど、シャーリー、君が部活後の後にも残って、練習しているんだって、前から皆に聞いているんだ。僕に教える前から、あんなに綺麗に早く泳ぐ君が、頑張っている。・・・だから、まだ僕には超えられない。超える為には、努力をする。そう教えてくれたのも、シャーリーだろ」
知らなかった練習を知られていた事と、前に言ったこと覚えてたことに、照れたように何も言い返せず、シャーリーは頬を染めた。
「僕は、追いつくことに必死になってるだけで、シャーリーが思っているほどまだ余裕ではないんだよ」
「ライ・・・」
無表情ながら、その瞳は優しい色に見えて、お互いを見つめ返していると、
「ところで、シャーリー、さっきから気にはなったけど」
「何?」
「あれは、君を呼んでるのではないか?」
振り返るように後ろを見て、部活仲間の呆れたように眇めた視線がこちらに向いて、そのうちの一人が、手招いてる事に気づいて、ライに一言、言ってから、慌てたように離れて、仲間のほうへと向かった。
部活帰りに、途中まで、歩くのはいつも通りで、
「ライ」
何も言わずとも、外で待ってくれたライに追いつくと、横に着くように隣を歩く。
何気ない会話をしながら、明日は休日ということもあり、どう誘おうかと考えてる間に、あっという間に、クラブハウスの前についてしまう。
しかも、考え事をしていたせいもあって、ライの言った言葉は、曖昧にしか、聞いていなかった。
これで最後というわけではないのだが、此処でライと離れてしまうのも、名残惜しくて、向かい合ったまま、沈黙を作る。
沈黙は居心地悪いけれど、ライと向かい合う空気は嫌いではなくて、シャーリーが、意をけしたように、口を開きかけると、横から、口を挟まれた。
「今、二人とも部活帰り?、今日も揃って、仲がいいわね~。ラブラブなのは、わかるけど、クラブハウスの玄関前で堂々と見せ付けられると、文句も言えないけど、通っていいものかと他の生徒が戸惑うわよ」
「会長っ!?」
慌てたようにして、シャーリーが、ミレイを見る。
「この後、用事を頼もうかと思ったけど、後にしたほうがいいわね。生徒会室に遅れてくることは、目を瞑っててあげるから、貴方達はゆっくりしてなさい。あ、ただし、いちゃつくのは此処ではなく、二人きりになれるところで、お願いね」
「会長っ、いちゃつくって、わたし達は」
ミレイは笑顔のまま、耳を貸すこともなく、二人の横を通り過ぎて行った。
「さぁ、ニーナ、二人の分まで、頑張るわよ。ほかにも手がほしいわね。、よし、リヴァルやサボり魔のルルーシュにも声かけときましょうか」
「・・・うん」
呼び止めるまもなく、二人が立ち去った後、残されたのは、シャーリーとライだけ。
戸惑う視線で二人が見つめ合って、どちらかともなく笑いをこぼす。
「もう、会長たら」
「シャーリー、さっき言いかけたことだけど」
「え、うん」
「最近部活が忙しくて遊びに行けなかっただろう?。だから、明日、久しぶりに、何処かへ遊びに行かないか?」
今度は聞き漏らさないよう、シャーリーは耳を傾けて、頷いてみたものの、一瞬その言葉の意味がわからず、けれど後に理解できていくと、その瞳が驚きに変わる。
「うん・・・え?、ライからそんな風に誘われることあると思わなかった」
「そうだな・・・意識したつもりはなかったが、僕はそんなに言ってはいなかったのか?」
「そりゃそうだよ!。いつも、私のほうから、誘ってるんだもん」
シャーリーにきょとんとした顔で、ライは瞳を瞬かせて、真顔でこう言った。
「すまん。誘い方が、わからなかった」
「今、言えたのに?」
「あれは、リヴァルから教わったものだ。僕の言葉ではない」
「それじゃあ、今度は、ライの言葉で誘ってよ。わたしからでもいいけど、、やっぱり誘ってもらうのはすごく嬉しいから」
にっこりと笑顔を見せたシャーリーから、視線だけを逸らして、ライは、黙り込んだ。
「・・・」
「ライ?」
「・・・努力、はしてみよう」
「うん」
視線を戻して、シャーリーの喜ぶ顔を目の当たりにした、ライの口が僅かに引きあがった。
そんなに多くはないけれど、ライの笑顔が増えたのは、シャーリーの明るさと元気、そして何より、シャーリーを想うライの恋情が少しずつ、ライの気持ちを変えようとしているのかもしれない。
「ライー!!」
見つけた姿におおきく手を振って、シャーリーが存在を知らせると、気づいたように立ち止まったライの足が、こちらへと駆けてきた。
制服ではないライの私服は、見慣れてないせいか、新鮮で、洋服の魅力も増して、本当にかっこいいと思った。友達に思わずそれを言うと、友人達には何度ものろけだと飽きられたことを思い出して、クスリと小さく笑う。
シャーリーの前まで、駆け寄ってきたライは、笑っているシャーリーに気づいて、首を傾げる。
大人びた綺麗な容姿をしていても、時折見せる子供っぽい仕草が、何より可愛くて、また笑いそうになったのを、なんでもないと笑顔へと変えた。
「何処に行くかを言い忘れていただろう?。それで、今日は此処に行こうかと思って」
肝心なことに、何処に行くかも聞いてなくて、それを聞き返す前に、ライが、二枚のチケットを見せられる。
「水族館?」
「ああ、貰ってしまったものの、一人では使い道がなかった」
「うん、だけど、休日も水関係なんて、つくづく水から離れられないんだね」
「参考になるかと思って」
「参考に・・・?」
「ああ、海を泳ぐ様々な魚が多くいると聞いた。シャーリーが、泳ぎで悩んでいるなら、少しは勉強になるのではないかと。勿論、気分転換も入っているが」
「あはははっ」
「?、そんなに可笑しいか?」
「ううん、そうじゃないけど、うん、いいよ。水族館まだ見に行ったことなかったよね。お魚見に行こうか」
そうして、歩き出したのはいいけれど、二人並んで歩くには、街の人の行き交いが休日のせいか、あふれる様で、シャーリーは人とぶつからないよう避けていると、自然とライとの距離も開いてしまう。
ライを見失わないよう、意識が移ってしまい、どんっと人の肩にぶつかってよろけそうになったシャーリーは、衝撃に備えたが。
不意に誰かに肩を支えられたことに気づいた。
見上げると、ライの顔があって、心配そうに銀の瞳がシャーリーを覗き込む。先を歩いていたはずなのに、遅れたことに気づいて、戻ってきたのだろうか。
「大丈夫か?」
「あ、うん、ごめん」
人の行きかう中、このまま立ち止まっているのも、邪魔であると気づいて、ライが歩き始めた。シャーリーの手をひいて。
前を進むライの背中を追いかけて、面白いくらいライの前を歩く人達が、ライが通るのを予想するかのように、左右に開いて、道を作っていく。
ライに遅れないよう足を速めて、振り向かない表情は一体どんな顔をしているのだろうと顔を見ると、ぎゅっと手の力が僅かに強まり、視線を手へと移動した。
繋いだ手から体温が移るみたいで、熱い。
触れてみてわかるのは、自分よりも大きな手のひら、それが包み込むように握り返したことで、今度は、はぐれないように繋ぎとめてるようで、シャーリーが顔を上げると、覗いて見えたのは、僅かに頬を赤く染める横顔が。
照れた様子がシャーリーにも移って、嬉しそうに笑いながら頬を染めて、手を握り返した。
水族館は、見た目にも涼しいものだったけど、気持ちと繋いだ手は妙に暖かいままだった。
[留め]