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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
やはり定期的に書かないと上達しないのはわかるけど、なんだろうこれは、もっと文章上手く書けるようになりたいものですね。
というわけで、
アーニャ×ライです。
お話は続きからになります。
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主従恋人 「今だけはただの恋人」
朝の音に目を覚ましたのは、アーニャのほうで。
昨日、泊まりに来たのも、アーニャが先。
自分の部屋ではない違和感からか、それとも、ライが作る安心感からか、早くに眠って、早くも目覚めてしまった。
瞬きを繰り返して、そのことを把握すると、上半身を起き上げた。
後ろ頭に高く結った髪は、寝ているときは解いたのもあって、一層女の子らしい雰囲気が増していた。
起きあげたと同時に、かれていた毛布がベットに滑り落ちる。
隣を見ると、普段の無表情が和らいで、あどけない寝顔となったライがいて、ライがアーニャに触れたあの感覚を思い出しながら、髪を梳いて撫ぜてみた。
けれど、自分が触れるのとライが触れるのは違っていて、撫でられたときの暖かさを知ってほしいのだけど、寝ているライには、それが伝わらず、仕方なくライの柔らかな髪を遊んでみた。
何度触れても、柔らかく、指の隙間をさらさらと流れるのは、気持ちよくて、また手を伸ばしてみたくなる。
触れるうちに、身じろぎをして、ライの長い睫を縁取った瞼が僅かに震えて、起きる気配に髪を撫でた動きが止まる。
微かに開いて、確認するように瞬きを繰り返して、開いた瞳の色は、仕切られた部屋のカーテンで、わからなったけれど、きっと朝の光を受けると綺麗に見えていただろうと思いながら、手をベットに戻して、顔を覗き込んだ。
最初に自分を見てほしくて、そうしたアーニャに、ライの手がアーニャの頭へと伸びて、髪を整えるようにして動いたまま。
「アーニャ、寝癖ついてる」
寝癖なんて、鏡を見ないことにはわからなくて、それよりも、寝起きのライ声は、普段とはちょっと違って聞こえるせいか、色気があって、そっちのほうに、気をとられてしまう。
笑うように目を細めたライに、誘われるようにアーニャが、顔を近づけると、まるで隠すように、アーニャの髪がその様子を隠してしまう。
少しの間を置いて近い距離を保って、ようやくアーニャが口を開く。
「おはよう」
そう言って、アーニャも微かに笑うのだが、ちゃんと笑顔になっているのライの様子からしか、知れなかったが、ライの瞳を覗き込んで、ちゃんと笑えていることを知った。そして、同じ言葉をライからも、返される。
部屋の中、チクタクと時計の針の音が、静かな室内に妙に響いて、そろそろおきようかと思うのだけれど、学校を出るにはまだ早くて、起きている人もまだ少ない朝の時間帯、余裕は幾らでもある。
起きようとするライと、其処から退こうとしないアーニャとで、視線が絡む。
「アーニャ」
困ったように名前を呼ばれるけれど、アーニャは動こうとはしなかった。
「アーニャ、君が退かないことには、僕は起きれないし、何処にもいけない」
「そのまま休めばいい。私も一緒に休むから」
「そういうわけに行かないだろ」
「どうして、ライは、記憶探しが主でしょう?。生徒として通っているけど、学校の授業を受ける理由はない」
「それは、本来の目的を言えばそうだが」
「じゃあ、休んだとしても、誰も困らない」
「アーニャ」
名前を呼ぶと、ライを見たアーニャに、ライは、さとす様に言い始めた。
「確かに、記憶喪失として、此処に身を預かっているからといって、学校に行く必要はないかもしれないけど、皆が此処へ通うことを手配してくれた恩もあり、記憶探しのほかに、僕を引き取ってくれたミレイさんと約束もある。だから、その約束すらも守らないわけにいかないんだ」
ライの瞳が真剣だというのが、伝わって、残念そうに息をついて、アーニャは、ようやく退いた事で、ライも起き上がり、ベットを降りてカーテンを空けに行った。
アーニャがライと出会うには、遅すぎて、どう転んでも、早く出あった生徒会の人達の自分との距離はあまりにも、違いすぎる。約束をしても、ライには、まだ約束が残っている。
無表情ながらも、どこか寂しそうなアーニャに気づいて、そっと隣に腰掛けたのをアーニャは横目で見た。
その手には、櫛が握られてあることに気づいたけれど、その意味することがわかって、アーニャは、そのままにしておいた。
やがて、ギシリとベットが音を立て、後ろから、気配がして、ライの手が、髪に触れたことを知る。
アーニャの髪の束を手にとって、櫛の先で、乱れた髪を綺麗に梳いていく。
自分でも出来るのだけれど、ライがどこか懐かしそうに目の表情を柔らかくしながら、時折、誰かにするかのように優しく触れることが、くすぐっい。
ライの方が年上ということもあって、時折兄妹にするような仕草に戸惑いを覚えるが、不思議と嫌ではなかった。
あっという間に終わってしまい、アーニャがいつもするように、後ろ髪を結われると、後ろから、横へと移動したライが、アーニャの前髪も解くように手を伸ばして、言った。
「寝癖、梳かしていくとまた綺麗な髪に戻ったな」
「・・・・・・・」
ライへと、向き直ったアーニャが、見上げた後で、ライの持つ櫛に視線を落とした。
「使うか?」
視線に気づいたライが、そう聞くと、こくりと頷いて、櫛を手に取ったアーニャは、視線を上げて言った。
「後ろ向いて・・・」
「?、ああ」
きょとんとしたライだったけど、手に持つ櫛を見て、何がしたいのかわかったらしく、今度は、ライが、背を向ける。
目立つ寝癖もなく、朝の光を受けて輝く柔らかな色の髪を、ライがしてようにして、梳かしていった。
ライのようにはいかず、また、アーニャよりも短い髪を整えるには時間がかからなかったけれど、それでも、ライは、アーニャのやりたいようにじっとしていた。
それは、ちょっとした二人の朝の光景だった。
[続く]