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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
偶にはしゅふ交代?なんてのもいいかと思って書いてみたのですが、なんじゃこりゃっと、ちょっとだけ恥ずかしいものになりました。
誘惑しているのは、ライ君のほうだと思います。
カレン×ライ(LC主人公)です。
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偶然というには、小さなものだけど、そうだという確証もないはずなのに、遠目からでも見えたその姿が誰なのかわかると、気づけば、身体がそこへと向かっていた。
「ライ!」
声に振り向くと、赤い髪の少女が此方に駆け寄る姿を見かけ、知らず知らずにライの目が迎えるように細まった。
「ハァハァ、今買い出しの途中?」
「ああ。カレン仕事は・・・その様子だと、今から帰るところなのか?」
頷いたカレンは、ライの持つ買い物かごの中を覗きこんで、
「野菜、ね。それなら、今日は野菜シチューがいいかしら」
「?」
「思ってたんだけど、いつも作るの貴方でしょ?だから、今日は私がキッチンに立つわ。偶には私も料理しないと腕が鈍るし」
「カレンが、キッチンに」
「随分と、意外そうな顔ね。嫌かしら。私が作るのは」
「えっ、いや、そうじゃなくて。唐突だな」
「それだけ?」
「後、は・・・いや、素直に喜ぶべきだな。ありがとう。嬉しいよ」
「そう」
そっけないようにして、横顔を向けていても、照れた表情はライの目にも見て取れて、小さく笑うと、何?と強いけれどそんなに恐くない目線が顔と一緒に向けられる。
なんでもないというように首を振って、今日の食材を求めて別の場所へと映ろうとすると、手にした買い物かごが何かの力で止められた。
カレンがさらりとライから、買い物かごを取って、突然のことにライがきょとんとした表情になった。
「食材は私が探してくるから、後は任せて」
「だが・・・」
「ライ、貴方好き嫌いはなかったはずよね?」
「ん、ああ。特には」
「なら、いいじゃない。今日は日頃のことも含めて、ご馳走したいのよ。だから、今日のメニューは夕飯まで秘密って事で、ライは、先に帰っておいて」
「秘密?」
「そうよ。別に、秘密にするほどじゃないけどね、今日は黙って家で過ごしてなさいよ。貴方も身体を休める時間くらい作ったって、いいのだから」
「それを言うなら、カレンも仕事の疲れが残っているんじゃないのか?」
「・・ライ」
「・・・・」
「・・・・」
見つめあったまま、少しの間沈黙を作って、根負けしたのか、これ以上黙っていても仕方ないと思ったのか、ライが小さく息をついて、
「わかった。メニューは任せる。では、外で待って」
「待ってなくてもいいわよ。それに、荷物もそう多くはならないと思うから」
きっとライなら、荷物を持つといいかねないので、止めをさす様にそう言うと、困ったようにライが眉を下げた後、不意に戻って、わかったよ。じゃあ、と口を開いて、カレンへと近づいた。
「家で待ってるから」
耳元で、カレンだけに聞こえるように言うもんで、カレンの頬が朱に染まり、恥ずかしさと怒りの目でライを見上げるが、普段の無表情ながらに和らいだ表情で見る視線にカレンが逃げるようにその視線を下へと移した。
「そうして」
やはり気恥ずかしいのか、可愛らしい受け応えは出来ず、それ以上の言葉も出なかった。
微かにライから笑う気配がしたが、それでも、顔を上げる事無く、遠ざかっていく足音を聞いて、確かめるように見届けた。
また、家に帰れば、夫婦なので会うのは当然なのだけど、去りゆく背中を追うように視線を向けて、気持ちを切り替えて、買い物の続きを始めた。
カレンが来る前に、ライが入れたままのかごの中にある食材を見て、自分が作るものとてらし合わせるように考えながら、目的の場所へと足を進めていった。
やけに、楽しそうに口を緩めて。
【留め】