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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
寝てるライ君をなんとなく泣かしてみたかっただけなんだ(そういう趣味はない)。というわけで、
C.C.×ライ(LC主人公)です。
お話は続きからになります。
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昼下がりの疑似体験
コンコンっと、扉を叩く音が響いて、中から返事がないのをいいことに、部屋へと続く扉を開いて、顔を覗き込んだ際に、サラサラと長い薄緑の髪が綺麗に流れた。
「なんだ。居るなら返事くらいしておけ」
中にいた人物へと不満そうに漏らすと、さも当然とばかりに、C.C.は、室内へと入ってきた。
そのままベットで横になっていた部屋の主へと歩み寄って、何も反応がないのに、一瞬立ち止まったが、顔を確認して、ようやくどういう理由かを知った。
毛布もかけず、頭の下に枕も無く、ベットに横向きになったまま、薄い髪色の髪が下に落ちるように斜めにかかって、普段は、綺麗な銀の瞳が瞼の向こう側へと閉じられ、小さく開いた唇から、耳を澄ませば聞こえるほどの寝息が聞こえてきた。
いつも遠慮なく室内に入り込んで自分の部屋のように振舞っている、C.C.に対して、抵抗をするのにも半場諦めているところはあるが、それでも、一言口を挟むことは忘れないにも拘らず、今は無防備に寝顔をみせている。
見せているというのも、おかしい表現だ。
何かしらの反応を期待したわけではないが、少しだけ呆気にとられた。
「つまらんな」
ライの近くへと、ベットに腰をかけると、ギシりとベットが弾んだが、その音にも気配にも、それこそ足音すらも、警戒心が嘘のようにまるでない。
普段は、表情こそ変ることはないが、身体に身についているのか、少し人と距離をおく所があるのに。
それに、目を細めつつも、伸ばした手で、ライの前髪に触れて、指先で整えようとすると、僅かに隠れていた目尻が見えて、動きを止めた。
寝た後か、寝る前かはわからないが、涙を流した痕があることに気づいた。
何を思って泣いていたのだろうか、それとも、夢の合間に流れたものなのか。
「何を泣いているんだ。お前は」
やけに静か過ぎる室内に僅かに響いた声は、哀れんでいるような悲しげな響きを持っているが、特に、C.C.の表情には、変化は無かった。
が、目元と口元を緩ませた表情が、幼い子を見る母親のようで、前髪から後ろへと撫でるように優しげな手つきで、普段の彼女しか知らない者には驚くものかもしれない。
偶然か、逃れるように寝返りをうったライは、そのままC.C.へと背を向ける体制になった。
行き場をなくした手を降ろして、ふっと小さく息をもらすと、やけに面白そうにいつもする様な笑みに変えて、何の気まぐれか、ライが寝返ったベットの反対側へと異動して、そのまま、ベットへと上がり、その身をライと添い寝するように横たえ、ライの頭へと手を伸ばし、その顔を抱くように胸へと引き寄せた。
母親が子どもを抱くようなもので、それを知ってか知らずか、ライもそれに答えるようにC.C.へと片手をまわしてきたのは、偶然だろう。
それに小さく笑い返して、C.C.は目を閉じた。
宥めたかったわけでも眠たかったわけでもないが、ひどく安心感のある場所でもないはずなのに、その時はなんとなく居心地がよくて、離すのにも気がそれて、それにしたがっただけだった。
何分経ってだろうか、ライが身じろぎをして、寝起きながらのボっーとした意識を徐徐に覚ますように目を瞬かせ、包まれるような温もりと柔らかに触れて、何だろうと一瞬思考が止まると、見計らったかのように、
「起きたか?」
「えっ」
頭上から聞こえる声に、驚いて、顔を仰ぐと、C.C.の瞳と合って、何秒かそのままの状態で、どういうことでこうなったのかは理解しきれていないが、ライは、自分の今を知って、慌てて離れようとするのだが、何故かC.C.が、抱え込んだまま、それを妨げる。
「っ!、C.C.。何の真似だ」
「何の真似、だと。それは、私が聞きたい。そもそも、抱きついてきたのは、お前だろう?」
「僕が・・・抱きついたのか」
「そうだな」
C.C.の言葉は嘘ではあるのだが、寝起きのそれも寝てる合間にある自室の出来事は、此処に居るC.C.にしか知らない事実なのであって、ライは知る由もなく、情報が少ないのか、それとも思考判断が上手くいっていないのか、その言葉を真に受けとった。
「そう、か。・・・ならあれは、君なのか」
本当かと問う前に、ライの口からその言葉がこぼれた。
「何の話だ」
「いや、その、すまない」
目を眇め、ライが離す前に、あっけなくC.C.の抱いた腕が離れて、温もりが消えた事が、寂しく思った事を、ライは何も言わず、目を伏せた。
何か言いたげそうな表情を見て、それに触れる事無く、C.C.がベットの端にから、床へと両足を下ろして、座った。
「泣いていたのか」
ようやく、ライは自分の顔に涙の痕があることに気づいたようにそう言うと、
「ああ、泣いていたな」
事実そうだったというように、静かなC.C.の言葉に、
「その時、寝言で、何か言ってなかったか?」
ライへと背を向けたまま、C.C.は顔だけを振り向かせて、
「さぁな。何を言ってたと思う」
「わからない。けれど・・・聞いていないのなら、それでいい」
その言葉に、C.C.は返す言葉もなく、顔を元に戻した。
ライは、それを確認する事無く、先程見た夢の内容を追った。けれど、ところどころにしか覚えていないながら、ライは、確かに悪夢を見ていたのはわかっていた。けれど、それは過去にあった記憶の断片とも知らず、悲しい感情が現実で涙となって現れていたのだが、不意にその悲しい風景が別のものへと変わり、顔の見えない大人の女性が現れ、その人物が何故か知っているようで、抵抗もなく触れてきた手を、訳もなく懐かしいと思ってしまった。それは、C.C.が触れてきた時と同じで。悪夢から穏やかな夢へと変わり、自分しか立っていない血の赤で染まった光景ではなく、暖かい光の中、周りでは、風に花びらが舞う優しい風景があった。
いつの間にか小さな男の子となった自分が、無くしてしまったその存在を確かめるように腕を使って、その身体を抱きしめた。その後、彼女が言った言葉は。
「何を考えてる?」
思考を読み取ったように、C.C.が現実へと引き戻すと、
「いや、少し夢の内容を思い出して、ありがとうっと言わなければならないと思って」
「何故、礼を言う必要がある」
「・・・確かに、変なことだな。夢の内容が現実と結びつくかどうかはわからないが、とにかく、自分でも分からないが礼だけは言っておきたい。ありがとう」
それは、ライなりの考えた言葉で、気持ちを持ってそう言うと、ライの視線を感じながらも、振り返らないまま、C.C.は、口元に笑みを浮かべた。
それは、嬉しそうというより、安心したような笑い方で、その事にC.C.自身気づくこともなく。
ライが問い掛けると、それが一瞬で消えて、いつもどおりの表情に戻ったまま、ライへと振り返り、またいつもどおりな会話が始まった。
先程の静けさはなくなり、微かに聞こえる鳥の声や風邪の音が室内まで聞こえ、2人の会話がそれに添えるように、部屋に明るさをもたらしていった。
[留め]