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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
生意気にも誘惑する
「何故、僕は、こうして部屋の前に突っ立っているのだろう」
そう呟いたのは、ライだった。
自分達の家であり、扉の先は、寝室だと知っているので、何も気にすることはないのだが、今は、たった一つのベットを、愛しい人が占領していると言うだけで。
ひさしぶりにあった友人らにひやかされたのは、気恥ずかしさはあったがそれも後の話として、気にするものでもないのだが、その友人らがビデオや写真など私生活の二人を見せてくれっと言う。あまりそういうものに重要視していないライは、そのとき何故か注意をされ、何でもいいから、残せるものは今のうちに記録として残してたほうがいい、それがいつか思い出となるのだからとまで言われてしまった。
此処に、こうして、ただしまってあるだけのビデオカメラを取り出し、寝室へと忍び込もうとしているのは、どこぞの番組のようで、普段利用している部屋のはずなのに、変な罪悪感を覚えたまま、悶々と悩んでいた。
こういうことをしている時点で、ハメられているような、何かに動かされているような違和感もあった。
とりあえず、此処で考えても仕方がないとライはようやく、寝室へと続く扉を開けた。
閉ざされたカーテンは、薄暗いもので、カーテンの向こう側からは、光が朝だと言うように物語っていた。
静かな足取りでベットへと歩み寄っていくと、かすかに聞こえてきたのは、寝息だった。
人の気配に異様に敏感なライと違って、彼女にはそういう警戒心は、今は感じられなく、ライがベットに腰掛けたときの音にも、起きずに、普段の勝気さとは無縁の無邪気な寝顔をさらけ出していた。
「カレン」
声をかけて起きているか確認をする。
その心配もなくてすんだ。
電源を入れたままのビデオカメラを使い慣れていないが、それでも、画面にカレンを
映し出し、起きってこれを知ったらきっと怒るのだろうなっと、大方の予想はついていたのだが、それでも、苦笑するようにして、起きろというように優しく名前を何度か呼ぶ。
「ん、んん」
何かに気づいたのか、目覚めたのか、軽く身じろぎしてから、薄く目が開き、瞬きを繰り返しながら、瞼が上へ上へと持ち上がっていく。
ぼやけた視界なのに、彼女にはそれが誰であるのか、わかって、
「ライ」
っと、なんともなしにうれしそうに目を細めた。
きっと、意識したものではなく、わけもなくこぼれた、そんな笑みだった。
そんな、カレンに口を緩めて、笑みをつけて。
「おはよう」
今何時と言うように、時計を見て、ひじを突いてベットから、少しだけ上半身を出して腕を伸ばす。確認を取れて、意識が少しずつ覚醒してきたのか、ライへと振り返った目線があるものを捉えて、訝しげに眉を寄せる。
「何、してるの?」
「ん、カレンを起こしにきたのだけど」
「そうじゃなくて。私が言いたいのは、あなたが持っているそれの事よ」
指差すようにしてカレンがそう言うと、ビデオカメラを下に下げて、ああこれかと気づいたように、ビデオカメラに視線を向け、ライは言った。
「これか。撮っているだけだ」
「何を、かしら」
答えがわかっているのか、ひくひくっと口の端が引きつっていると言うか、怒る一歩手前のような表情に、ビデオカメラに視線を向けたままのライは、知る由もなく。
「ああ、カレンのねっ」
カレンへと向けた顔は、投げてきた枕よって途切れる。
息をつきながら、顔を赤くしたカレンが、強気な目線を一層吊り上げてライを見ていた。
顔に張り付くことなく、重力に従って、ライの元に落ちた。
何故か女性に対しての不意打ちには弱いのか、咄嗟の回避はなかった。
「何で、寝顔を撮るのよ!?。と言うより、いつから、撮っていたのよ!まさか、寝ているときからじゃないでしょうね?」
「ああ・・・」
「・・・・・っ!」
見るともなしにカレンは、片方の手でつかんだもう一つの枕を、投げてくるのだが、今度は予想できたのか避けきれた。
そのため、目的を失った枕が床へとぶつかることとなった。
「カレンは、朝から元気なんだな」
「なに言ってるのよ!。怒るのは、当たり前でしょ!」
「そんなに、これは撮られては困るものなのか?」
悪意なく逆に問い返され、何も答えられず、黙ったままのカレンへと、ライは、続けて話し始めた。
「昨日、ミレイさん達が言っていた事を覚えているか?」
「えっ?」
「何でもいいから、残せるものは今のうちに、記録として残してたほうがいいっと言ったことだ。よくよく振り返ってみれば、二人でそういったことをしたことがなかったと思い出したんだ」
「それはそうかもしれないけど。それとこれとじゃ、話が変わるわけじゃない。よりによって、寝ているときにすること・・・」
「ああ・・・そうだな。今度からは、ちゃんと起きたときにしようか。そのほうがカレンも怒る事はないだろうし、こうして枕をぶつけられる事もなさそうだ」
「・・・・・・」
怒った表情から、今度は、女の子特有の恥らう表情に変わっていて、目線を横に向けて、小さく馬鹿と言った声が聞こえてきた。
ビデオカメラをベットに置いたまま、乗り出すように、枕を元に返すようにして、後ろにまわした手で頭を捉えて、小さく音をこぼして、重ねた顔が離れた。
近く触れそうな距離で目を開いた瞳と細めた銀の瞳が見つめ合って、ちゃんと目が覚めたら、早くおいでっと、妙に甘い声に、何も言えず数秒固まったままのカレンを残して、ぎしりっとベットが鳴ってライが立ち上がり、その場から振り返ることなく寝室を後にした。
それから、さっきよりも顔を真っ赤にしたカレンが、どうしたか、それは二人だけが知ること。
[終わり]