----LC----- ライ関連
----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
バレンタイン話、
スザク×ライ(LC主人公)です。
続きからになります。
拍手を送る
誰かが宣言するまで続く
中庭にて、木々が風に揺らぐと、ふわりとスザクの髪もわずかに揺れた。
今日を、特別とする女の子達は、どこかそわそわと雰囲気から落ち着きない様子なのは見てわかっていたが、ライへと声をかけてくる子達を見て、思わず、先早に声をかけ彼女達の間に入るようにして、用事を頼んだりと、自分でも妙な行動をとってしまったと、スザクは、片手に持ったままの、贈り物へと視線を落として、ふぅっとため息をこぼした。
ユーフィの言葉がきっかけというわけではないのだが、後押しされる形で、買って来たものの、なんと言って、渡すべきかと思案に耽る。
コレを渡して、口にすることで、いい意味で何か変わるのだと密かに期待を抱いているものはあるが、友達のままでも何かを失わないために、言うべきなのかと、今更ながらに、心が迷っていた。
綺麗にリボンで飾りつけ、包装紙に包まれた四角い箱を、膝の上で、両手で支えるようして、持っていた箱に、僅かに力をこめる。
ライに対して友達ではない、他の感情が芽生えたの事に気づいたのは、いつからなのだろうと、思い出を振り返っても、当てはまるものは、多すぎるのか、曖昧すぎるのか、結果を導かせないままのスザクへと、不意にその耳に足音が聞こえてきた。
近づいてきたのは、柔らかな髪色が風でなびかせ、見透かしたような銀色の瞳が、静かにどことなく彼の本質めいた色をのぞかせて、スザクを捉えて、僅かに、大きく開いた。
無表情ながらに、少しずつ感情が表れるようになったのは、ライが変わったからなのだと思っていたのだけれど、どうやら、違うのだと、今になって、気づいてしまった。それは、ライが変わったというのも確かにあるのだが、それ以上に、感情が色々見えるようになったと思えるのは、スザクが気づかないうちに、ライを知ろうとしてまた何かをライの表情から見つけようとしていたことによるのだと、スザクはそこで知らぬ感情を見つける。
何かのチャンスのように、訪れた幸運に、スザクは、ライを見たまま、目をまぶしそうに細めた。
いや、チャンスを呼んだのではなく、自分で招いたことではあったのだが、けれど、来るかどうかはわからなかった。だから、そのことに、つい安心してしまったのだ。
スザクと同じように、ライに対して何らかの行動しているのを、何人かその目で見ているので知っていた。
流れるような歩きで、スザクの元まで、やってきたライは、呼ばれた理由も知らずに。
スザクのいる所までたどり着く前に、ベンチから、立ち上がって、ライへと向き直ると、対峙したようにライも、少しの間を作るようにして、足を止めた。
それが、手を伸ばせば、届きそうな近い距離ではあったが、遠い今の心の距離のようにも感じる。
「良かった。来てくれたんだ」
言葉が先か、贈り物が先かも、考えることがなく、ライを前にして、揺らいだ迷いは、薄れていってしまい、逆に奥に秘めた感情が強くなった。
ドキドキと鼓動が鳴るのは、どこからだろうと、音を辿って自分の中から聞こえる心臓音を、知って、我ながら緊張しているんだと、思い少し顔を下に向けたスザクは、一瞬だけ笑って、ライへと視線を戻した。
「君に、どうしても、受け取って貰いたいものがあるんだ」
少し間をおいて、口にした言葉は、スザクの思う以上に、静かに風を揺らすように響いて、どこかで、木の葉がこすれるような音が聞こえてきた。
ライが何だ。っと問い返す言葉を合図に、少しだけ力に凹んでしまった、手に持ったそれを、ライの前へと差し出すように、手を伸ばす。
ライの視線がそれから、スザクへと視線が移ると、真剣にそらすことない感情をたたえた瞳が、ライの方へと向けられていた。
「バレンタイン・デーという日だって事は、聞いてる?」
「バレンタイン?ああ、友人や、好きな異性に大して、チョコレート等の贈り物を贈り、感謝なり告白なり気持ちを伝えるものだと聞いた」
「うん。で、今から、言うことは、僕の気持ちだから。今すぐ、答えを聞きたいわけじゃない。まして、それで何かが変わったとしても僕は何もいえないけど。ただ、それでも、何を思ったとしても、受け取ってもらえば」
「…何を言うのかは聞かないが、スザクが真剣なことは伝わっているから」
差し出したものは、拒否はしないっとでも、言うように、ライがしっかりした声で言うと、
「ありがとう」
それに、口を緩めて、少し緊張をほぐすと、再び、表情を引き締める。
気持ちを伝えるのは、緊張であると同時に、これを境に何かが壊れてしまうのではないかと僅かに不安も、スザクの胸の底に燻るが、それでも、きちんと届くように頭に浮かんだ言葉をそこから選んで、ライへと告げた。
関係もなしに吹き抜ける風は、二人の間を流れるように、空へと帰った。
少し寒い風に、暖かい空気が混じえて。
[留め]