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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
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★2009/03/07 (Sat)
スザクの場合でも面白そうなのだけど、スザクだと、やきもきするよりももっと違う感情で、ライに攻めてきそうな気がする というわけで、ブリタニア軍人篇にて、スザクとライにやきもきするルルーシュがいてもいいのではないかと思って、書いて みました。
そうなっているか、判断しきれませんが。
真面目なライ君は、居眠りとは縁遠いかなっと思って、じゃあ、いつ寝てるんだと考えて、このようになりました。どちらにしても、ライ君は当人の意志を無視した天然さで、周囲を翻弄させていればいいと思います。

ルルーシュ×ライです。
続きからになります。
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チェックメイトと囁いた



 

 ルルーシュは、自室である扉を開けて、そのまま閉めることもなく、部屋へと招いた少年を、部屋の中へと招き入れた。
 パタリと扉を閉めてしまえば、この場所は、二人だけの空間となる。
 促すようにライを椅子へと導いて、いつものように向かいあいの椅子へと座った。
 紫紺の瞳で眼でそれを確認し終えると、当然のように自分も向かいあいとなった、たった一つの席へとその腰を下ろした。
 顔か視線のどちらか逸らすことがなければ、何ともなしに目が合い、その瞳に自分を幾度となく映すことができる上、ほんの少しの間、表情を呼んで楽しめれる、唯一の場所で、ありたけの時間此処でどう過ごすかと考えながら楽しむのは、眼下に縦横8マスずつに区切られた 市松模様の正方形の盤、ルルーシュとしては、馴染みの深い遊びのひとつとともに、また頭の計算を養うものでもある奥深いゲームだ。
 それを、テーブルに置いて、行うのも、動かせるのも、プレイヤーとなった二人のみ。
 他は見物人となるしかない、誰でもやれるものを、わざわざライを誘ってやるのは、ルルーシュなりの別の理由があったからだった。所詮、それは、先程の理由のほか私情もないとはいえないが、単に賭けの対象もなく楽しめる相手がライというのが、一番の理由なのかもしれない。
 

「始めるか」


「…ああ」


 一瞬遅れて間があったことに、片眉が上がったルルーシュだったが、それ以上の表情はなくと、刻を刻むかのようにはじめられた。
 特に、どちらをと選んだものはなかったものの、気付けば白をライ、黒をルルーシュが、それぞれに選んでいる。
 それが、現実の関係を現すようで、ルルーシュは、不意に笑みこぼした僅かな声を耳にしてか、ライの視線が疑問符を現すように投げてきた。

 
「ちょっとした思い出し笑いだ。気にするな。さぁ、次はお前の番だろ?」


「…そうか」


 納得したのかそれ以上ライは言葉を発することをしなかったが、どことなく先程の間のように虚ろなようで、気にはなったが、ルルーシュの方も追及することはなかった。
 交互に盤上にある自分の駒を1回ずつ動かす以外に、やることは会話をして、相手を探ること、もしくは、ただの暇つぶしにするだけとなるが、どちらもおしゃべりな方でもなく、さりとて、無口というわけでもなく、必要な言葉を言うくらいだけだか、そこに賭けチェスをやる時のような不快なことも、重苦しい雰囲気もなくて、一人の時とはわけが違うが、妙な居心地の良さのようなゆったりとした雰囲気が流れるだけだった。

 窓の外は、まだ明るく、風がなく以外、天候は晴れ晴れとしている。
 賑やかな人の声も、此処まで届いていない。
 だからこそ、外の空気を吸って、天気のいい日に出かけるのも悪くはないが、どちらかの自室を使って、時間を楽しむのもいいと思った。ルルーシュにしてみれば、これも意味のあることなのだが。

 細い指先で拾い上げる自らの駒を戦略、もしくは戦術を用いた思考をもって、舞台となる盤に駒を置く、小さく音が響く、チェス盤の上ではそれだけの事、これが戦場であれば、血を流し、人を汚して、人や物を傷つけていく、否応なしに、そこには自らさえも知らない事実と秘密があって、またそこに戦略も戦術もものともしない予測しがたいこともあって、うまいようには運ばない。
 それを知っても、そこから逃げ出さないのは、意地とプライドと目的以外に、駒をとり、先手を取って、自分を黒のプレイヤーとなって進んだからに他ならない。
 思考の渦に、ハマりそうになって、自然な動作で椅子から立ち上がると、紅茶を入れるのを理由に席を立った。 

 

 

 ティーカップを移動させて、紅茶を注ぐ動作のまま、話しかけると、ライの声が聞こえたが、やはり虚ろな口ぶりで、そういえばと、よく見れば目の下にうっすらと睡眠不足だと主張する証が、あったことに気付いた。
 寝不足であるというのは、仲間であるカレンとルルーシュも同じようなものだが、ルルーシュの方は、授業に支障がないよう、うまい具合に居眠りをして可能な限り睡眠をとったりしているのだが、学校と軍人の両方を選んで行っているスザクと同じ道を選んだライは、授業中に寝ているというのを聞いたことがないうえ、ルルーシュの知る限り、学校内で寝ている姿を見た記憶がない。
 だからこそ、気になって声をかけているのだが、本人からは、意識したことはないが、気をつける。と返されただけに終わった。
 戦場であれば、その心配も必要がなくなるのだが、学園内では、それを引き合いに出して無かったことにしたくはなかった。
 

 ライは、こちら側へと自分が引き込むことなど考えもなかったとは、はっきりと言えなかったものの、自分の知らないところで接点多く、スザクと関わり、挙句自分とはまったく別の道へと進んでいたことを知った時は、苛立ちと焦りを顔には出さなかったものの、C.C.には感付かれてしまったわけだが、軍としてではなく、ゼロと同じ道を何故進めなかったのかと、今更どちらに対しても後悔があったにせよ、文句や不満を口に出すことはなかった。

  友人家族主従以外のものであれば、言える言葉はあるが、立場と関係というものが見えない壁となってそれをいとも簡単に躊躇させる。
 ライに気付かせぬようにため息をこぼして、用意した二人分の紅茶をもって、ライのいるテーブルまで近づくと、耳をすまして聞こえるほどの吐息が、微かにルルーシュにも聞こえ、ライの前へとティーカップを乗せたソーサーを机のテーブルの上において、滑らすようにライの前に置いた。
 ちらりと視線が流すようにライへと向けて、

 
「っ」


 ルルーシュは、思わず声が出そうになったのを何とか堪える。
 普段の冷静な表情ではなく、驚いたようにその瞳が分かるくらいに開いたまま、ソーサーを置いて僅かに立ち上がりかけた体制で固まっていた。

 その体を椅子へと預けるようにその背をもたれ、傾いた顔をうつむかせて、覗きこまないと窺えないその表情は、睫毛の縁取られるように瞳は瞼の裏に隠れて、すぅすぅっと吐息が聞こえて、大人びた普段の表情から知れないほどに、警戒心のないあどけない寝顔に思わず魅入った。
 いや、驚いて視線が意識が、逸らせないことがそうなのかは分からないが。
 確かに、先程いつ寝ているのだとか考えはあったものの、こんなにあっけなく、寝る姿を見ることになろうとは、予想もしていなかった。
 がしかし、我に返った、ルルーシュは、動揺を隠すように開いた方の手で、自分の額に手を当てるように目に影を作った。
 寝顔を見た性か、それともルルーシュに対して気を許していることを感じてか、寝ているライからそれを聞くのは躊躇いがあるが、だからといって、起こすのも何か忍びなくて、何ともいい難い暖かい感情が胸の中に広がった。
 それが熱をもってか、ルルーシュの頬に自然と微かに赤く色づいて、ごまかすように意味もなく咳を眠りを妨げない程度にこぼして、表面上は何事もないようにして、もう一つの自分のティーカップの乗ったソーサーを、持ったまま、自分の席へと戻った。
 人の気配に対して、割と過敏になるライからは、やはり起きる気配はなく、それを知って、困ったように視線をティーカップへと紅茶の中に自分の表情を映す、動揺を隠せぬ揺らいだ瞳を隠すように、乾きそうになる喉を潤すように口へと運ばれた。
 再び、紅茶の中身をのぞいて、テーブルに終わる前に放置されたチェス盤、反対側でいまだ熱があることを教える湯気を立ち上がらせてた、もう一つティーカップへと視線を移動させるようにして、ルルーシュは頭を働かせる。
 迷うように行きついた先には、ライが変わらぬままそこにいて、考えが途切れた。
 ライを起こすべきやら、自分がどうしたいのかも、意味のないように思えたからだった。
 馬鹿らしいというよりも、もっと違う感情が芽生えたからだ。

 それは、ほっとしたような安心感かもしれない。
 もっと別の意味を持つ感情なのかもしれない。

 けれど。
 少しの間だけ、待ってやるのも悪くないと、甘い考えがルルーシュの思考をとらえた。
 それが、ルルーシュの表情にも現れて、ナナリーに向けるのとは、少し違った笑みを目と口に宿して、ライを見つめた。
 生徒会のメンバーなど彼をよく知るものからみれば、見たことがないような甘さがあって、誰かがそれを見ているのだとしたら、驚くようなものだけれど。
 静かに寝ているライだけは、その視線の意味も知らずに、夢の中にいた。

 目を覚ますのは、いつか、それは、ルルーシュとライの二人のみぞ知る。

 

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