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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2009/03/16 (Mon)
またも、ホワイトデーの話。男の子の一生懸命な姿は微笑ましい。特に好きなキャラはそうなりますね。
可愛すぎる、ライ君独り占めできていいなぁ、カレンに代わってといいたい。
ということで、
カレン×ライです。
続きからになります。
拍手を送る

 
晴れやかに笑う
 

 
  バレンタインデーに押しつけるようにして、あげたチョコレート。
 あれから、日本の習慣でもなった今日というホワイトデーに、どこか周りが落ち着かないように映るのは、気のせいだろうか。いや、カレンの頬杖突いていない方の手が、意味のもなくコンコンと机を打つのは、カレンの方が何かに気持ちが捕らわれてしまって、落ち着かないせいだからだろう。

 

 いつもどおり登校してきて、クラスメートや友人と挨拶を交わして、授業を多少睡魔に意識をそがれつつも、受けて、生徒会の仕事を手伝いに偶に、顔出すくらいは、いつもの事。ではあるけれど、ライと会話をして、特に問題はなかったのだが、こうも反応はないのは、どういうことだと、人が見ていないのをいいことに、素の表情となったカレンは、猫を被った、大人しくもお淑やかな雰囲気はどこへやら、怒るように、ずんずんと強い足取りで中庭を歩いていた。
 人の声と気配にふと我に返って、隠れるように、壁に背をつけて片手を抑えるようにしてため息を漏らす。
 

「何、イライラしてんだか」
 

 学校とは違った顔で、黒の騎士団として、闘っているカレンには、恋というものは到底遠い存在になりつつあるのだけど、やはり、そこで普通の女の子としての側面が失われたわけではない。
 日本人として、戦いを選んだにせよ、女は捨てたわけではないので、当然と言えば当然なのだが。
 気になったというか、憧れのように見ていたのは、遠くで孤高と立つ黒の騎士団を導いた男ゼロであり、身近に気になる人物は、名前しかもたない記憶喪失でミステリアスなライという存在だった。

 ミレイやほかの皆に押し切られるように、世話かがりを任命されたにしても、抵抗はあったが彼が悪い人間でないことは話しとけるうちによくわかっていて、徐々に緊張をほぐすように周りに打ち解けて行ったライを見て、カレンはそれを自分の事のように嬉しくはあったが、恋だと自覚したのは、一体いつからだろう。
 確かに、ライとの仲を何度となくひやかされ、それを慌てて否定したことはあったが、不思議と嫌ではなかったし。
 ライといるのが、シャーリーが言う言葉ではないけれど、気持ちが落ち着いた。
 そのせいか、素の自分をいつの間にか見せてる自分にも気付いたし、そうでなくても見られることはあったが、カレンの心を読んだようにライは、それ以上を追求することはなかったので、尚の事安心もあった。
 だけど、こういう時に、反応すらないのかと、こうも期待している自分に、気付いて少しだけ驚きを覚えていた。 

 

 


 生徒会の業務を終え、夕暮れ時になった時、ミレイが振り返るようにして、言葉を残した。


「それじゃあ、後の戸締りは、二人に任せたわよ~。といっても、あんまり遅くならないようにね」


 二人ともに生徒会の仕事を、双方の都合により顔を出さない事に、こうして、揃って捕まった二人に生徒会へと顔を出すきっかけを与えられてから、一人また一人と生徒会メンバーが帰っていく中、必然的に残った、ライとカレンだけで、それは二人きりの状況となるのだが、片づけをしている間に、二人に会話はない。
 日が沈みるように、夕日が窓から差し込んで、カレンはそれに目を細めた。
 後に来るのは、夜だけだというのに、それで今日という一日があっという間に過ぎていくのだと、どこか寂しげに窓の外の夕景を眺める。
 

「それで、最後か?」

 
 近づいてきたライの気配に、慌てて、振り返って、カレンは言った。


「え?、ええ、そうね。後は、これをファイルに戻すだけだから、すぐ済むわ。なんなら、先に帰ってても、いいわよ」


 視線を感じる先には、ライがいて、


「何?」


 

「いや、今日は元気がないように見えたから」


 

「そうかしら」


 ライの言葉に、ドキリとしたが、表面はとりつくようにようにカレンは笑いかけた。


「カレン?」


 

「…さぁ、終わったら、さっさと残らず、帰るわよ」

 
 生徒会室の扉の方へと向かったカレンに、その途中でライがその背中を呼びとめる。 


「あ、カレン」


 

「今度は、何?」
 

 振り返ったカレンの頭にふわりと何かが、置かれた。
 

「すまない。忘れたままでいて」


 

「えっ」


 

「ホワイトデー、だったのだろう?」


 

「あ、うん」
 

 ようやく、言葉の意味を理解したカレンが、頭にのせられたそれを確かめるように、手にとって、視界に映す。
 

「何を用意するのも、時間をとられてしまって、一人で出来ることを考えたら、思いついたのがこれだったんだが」

 
 どこか照れくさそうに、ライは頬を染めて、視線だけが困ったように横に逸らされる。
 カレンは、他の事で頭がいっぱいだったが、ふと、思い返して、自分がライの事を何も見ていない事を、改めて知った。
 そういえば、ライの様子がいつからかどことなく慌てたように見えたけれど、気にしてはなかったのだが、あれはもしかしてと思いを巡らす。
 

「……それで、急いで用意してたの。これを作って?」


 

「ああ、ミレイさんにもそれを言って、叱られてしまった。特別でもある日にぼけっとしてないで、行動を起こせと」
 


 

 ライが話すには、カレンの様子がどことなくおかしいことにだけ気付いたライに、今日という日に心当たりがあったミレイが、何かやったのかと問い返されて、何かをやった記憶はないものの、カレンから、チョコを貰った、その一言で、それよ、意味もわからず首をかしげるライに指さして言った。
「ミレイさん、言ったわよね、恋はするものよ。だから、どこかで見落としてしまったりする前に、捕まえなきゃ、あなたの気持ちがカレンと同じであるなら、尚のこと。バシッと捕まえとけ。男の子」というのを言われたことはライの中で隠しておいたままにして。
 ミレイの言葉を貰ってから、どうにかカレンに贈れるものはないかと、探した結果、行きついたのが、どこかで記憶にあるこのプレゼントなのだと言う。
 頭の上から手に取ったそれは、花と緑で作られた、花冠。
 学園でのカレンとしてなら、似合わなくないものではあるが、本来のカレンであるなら、選ぶことはないものであった。
 色々口に出して、言いたいことはあるけれど、素直に嬉しかったからこそ、カレンは素の表情のまま目を細めるように笑った。それこそ、繕うような笑顔でなく、彼女らしい笑顔だった。
 

「…ありがとう」


 

「…」
 

 ちょっと驚いた表情から、それに安心したように、ライはふっと口を緩めて、カレンの手にした花冠を手にとって、さしずめ王冠をつけるように、そっと両手で、カレンの頭にのせた。
 

「これは、今の私じゃちょっとね。お嬢様の時のままだったら、違和感無いのかもしれないけど」


 

「おてんばな方が、カレンらしいよ」


 

「私らしい?そんなに私っておてんば?」


 

「ああ、時折出てくる表情も闘う時の君も生き生きしてるけど、さっき笑った時の君の表情が、一番いいな」


 

「ば、馬鹿言わないでよ!」


 

「?。何かおかしなこと言ったのか」


 

「さらっと、恥ずかしいこと言ってるじゃない。偶に」


 

「?」


 

「ああ…本当に、立ち悪いわよ。そういうこと・・・」


 ちらりと、横を向いたまま視線でライを盗み見ると、会ったばかりの頃は、見落としてしまいがちなその表情の意味が、今ならわかる。無表情でも目を伏せったその顔が、どことなく、しょんぼりとした雰囲気に見えてしまうのが、愛しさを感じらずにいられないのは、好きなのだと存在を強くさせる。

 だから、驚いたライの顔に気付かないふりして、目を瞑って、唇と唇で触れあった。

 ほんの数秒、時間が止まったような錯覚を起こした。
 今できる、精一杯のカレンの仕返しだった。
 背伸びをして足を元へと戻して、カレンは、熱くなりかけつつある顔を隠すように背を向けて、また、明日ねと声をかけて、ライの表情は確認することもなく、生徒会室の扉から廊下へと移した。
 カレンの背を見送ったライは、唖然とた表情のまま、背に受けた夕照の色のせいで、彼の表情は夕日の色に溶け込んでいて、手を口へと確かめるように触れる、そこに何を想うか。
 カレンは、恥ずかしさに、赤味を帯びたまま急ぎ足に歩いて行った足を不意に止めて、夕日を恨みがましく睨みつけた。
 頬の赤味が、夕陽と同じで、いっそ溶けてしまえばどんなにいいかと思うが、叶わぬこと。
 息をついて、太陽から隠れるように、窓近くの壁に背を預けて、あの時のキスを思い返した。
 カレンは、触れ合った瞬間に少しの間をおいて、離れるはずだったのだけど、ライの細いけれどカレンよりは大きな手が、抱きしめるようにカレンに触れそうになった事に、気付いた瞬間に離れのだが、あのまま時間を長くしていたのなら、ライは抱きしめていたのだろうかと、キスを返していたのだろうかと、考えてしまった思考に、カレンはまた恥ずかしさがよみがえってきたのか、払いのけるように首を横に振った。

 イライラしながらも、恋が片恋ではなかったと知って、浮き足が立ったのかと、自分の行動力に、おかしさを覚え、カレンは壁から、背を離し歩き始めた。

 放課後のやけに静かな廊下に、走る音がカレンの方へと近づいてくるように聞こえてきて、ナナリーのように雰囲気や足音ではなく、理解できたのは、どうしても捉ってしまうあの声が、呼ぶのだ。

 カレンの名前を。

 それにまたひとつ、笑顔を浮かべるカレンは、嬉しそうに普通の女の子と変わらぬ笑みが、花冠と似た愛らしさをもっているのだった。


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