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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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web拍手にあるのは、女体化ライ小説(絵含む)・現在6種類。女性化ライ・番外 スザク篇話追加


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(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2008/10/16 (Thu)

リクエスト、ありがとうございますっ。
丁度、BL小説なら何でもとリクエストもありましたので、
はじめて書いたことのないキャラクターで挑戦しました。
ロスカラでしかやっていないので、絡んでないキャラを書くのは悩みました。

ジノ×ライ(LC主人公)です。
お話は続きからになります。
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喜びの裏側


 生まれのよさか表す様に背筋を伸ばして、颯爽と廊下を歩いて行くと、動きに合わせて結った三つ編みが優雅に揺らぐ。 階段に続く踊場が現れ、角を曲がるその場で、佇む人影が視界に入りジノはそちらを見た。
  
 男だ。

 一度たりとも話を交わしたことはなかったが、いつだったが、あのスザクが笑いかけてているのを見かけた。軍にいる時の硬い表情は何処に行ってしまったのかと疑ってしまうほどに、和やかな空気があった。思わず此方も立ち止まって確認してしまうほどに。
 だから、見かけたその姿と周囲からの耳にした情報が彼に重なり、デジャビュが起こる。
 ジノは興味が移ったのか、立ち止まった足とマジマジと目視したことに気付いたのか、下に向けたその顔が此方へと静かに向けられる。
 どくんっとジノの中に妙な高揚感が芽生えて、目を見開いた。
 柔らかな髪色なのか、肌の色なのか、それとも見通すような色の瞳の所為か、動くことも出来なくなってしまう。

 「あ」

 口を開くのだが、意味のない言葉がこぼれるだけで、何かを言おうとしてそれでも口に出すことはなく、閉じられる。ジノの中から唾を飲む音が聞こえた。
 訳もなく、緊張しているらしい。
 そんな自分自身に可笑しいと思うのだが、緊張はほぐれなかった。
 相手は何を思ったのか、大人びた表情とは違って、無表情に近いがきょとんとしたように見えて、それがスザク達と同じ幼さを残していて、嬉しくなるのだが、彼はその場から歩いていこうとしたのに、最初には何も言えずにいたジノの口が滑る様に声が出た。
 

「あ、待ってくれ!」



 引き止めたその声に歩みだした足が立ち止まり顔が振りかえる。だが、立ち止めて見たものの次の言葉がすんなりと出ないことに顔が下を向く。


「どうした?」


 遠くからしか見たこと無いためか、初めて聞いた声は思ったより柔らかく静かだったことになんだかほっとする。
 何も言わないのを眉に潜めるのだが、それは不快というより、困ったようで、待つように身体を此方に向かい合って、


「君は、転校生?、それとも新入生か?」


 思わず顔を上げて、見返す。


「いや、会った顔ではないが、転校生ならミレイさんから聞いているはず、けれど生徒全員の顔を知っているほどではないから、違うかもしれない」


「?」


「すまない。急に独り言を言って。どちらにしても、何か困ったことがあるなら、生徒会室に聞いてみるといい。僕でもあまり学園内のことはある程度しか把握しきれないから。答えられそうなことなら、僕にも手助けできるのだが」


 彼は自分を迷子か何かと勘違いしたのかそう言った言葉に確かに嬉しくはあったが、首を振って、そうじゃないと否定する。
 今度こそ、首を傾けた、彼に。
 引き締めた顔のまま、やっと動いた足は、彼の前まで来ると、僅かに見上げた視線と近くで、正面で、初めて出合った。自分の方が背が高かったのかと改めて実感しつつも、今度は沈黙することなく口を動かす。


「はじめまして、ああ、会うのは、此処で初めてになりますね。私、いや、俺は、ジノ。ジノ・ヴァインベルグといいます。此処では一年で、スザクと同じ、「ナイトオブラウンズ」に所属するものです。貴方のことはスザクや他のナイトオブブラウンズの方々からお話を聞いてぜひとも話をしてみたいと思っていました。以後、よろしくお願いします。ライ先輩」


 そう言って、ニッコリと人懐っこい明るさの笑顔を見せて手を差し出し握手を求める、ライは、見ても分る驚いた視線がジノへと向けられる。それは、思考を巡らせて、やがて、小さく笑みを浮かべて、穏やかに言った。


「ああ、此方こそよろしく。ジノ君」


 手のひらが重なり互いに握り返す。少しだけ小さなその手を握り、少しだけ汗ばんでしまった自分の手にも、困ったように眉尻を下げて、


「ジノ、でいいですよ。ライ先輩」


 苗字で呼ばれることに抵抗があるわけではないけれど、そう呼ばれたかった、スザクと交わしたその声で、視線を合わせたその瞳で、此方を見て、


「ジノ・・・?。ああ、わかった」


 自分の名前は誰にでも幾度も聞いた事はあるのだが、今始めて呼ばれた名前は特別なものに思えた。
 それは、嬉しさも交じって、どこかくすぐったい気持ちだった。




 初めて、挨拶を交わした。それは、何てことのないこと。
 けれど、未だ、緊張は残ったまま、喋りたい言葉が心に溢れるけれどそれは言い出せないまま、留まって、もどかしくはあるけど、ジノの心中は喜びのほうが大きかった。
 次はどう声をかけようか、何を話そうかとあすの事を考えてそれも楽しみであると思った。
 何故、あの時に声をかけられなかったのか、不思議ではあるけれど、こうして接点を持てたのは、過去の悔いさえも見返すほどだったとは、当人も思わなくそれが笑みとしてこぼれる。
 そうして、合った視線にごまかしながら笑って、一時の時間の合間、ライと言葉を交わしたのだった。


                                             [留め] 

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