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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
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★2008/10/18 (Sat)
またロスカラで話すこともなかった新キャラのお話です。

ロロ×ライ(LC主人公)です。

といっても、ライ君喋ってない上に、あのエンド再びぶり返しています。
見ようによっては、酷なことかもしれませんので、注意してください。
お話は続きからになります。
拍手を送る


小さなささくれ


 
 
 緑の木々を横切るように走る。
 聞こえてきたのは、はぁはぁっとこぼれる呼吸音と足音。
 そのほかの音にも関心がなく、ただ、一点に意識を集中して、ロロは自分以外のその足音に、気配にひたすら逃れるように足を速めていくターゲットを追う。


「これが、今回の獲物ですか?」


 いつもの確認と返事の言葉を言い終えた後で、目的の場所へと先早に到着して、ロロの表情が任務を遂行するいつもの表情へと変わる。


 後ろから去っていく後姿を追いかけ、彼よりも先にいる事に当たり前に驚き、困惑した表情がロロへと向かれた。

 

 無駄なのに。
 
 それでも、彼は足を止めることなく走り続ける。
 どんなに逃げても逃れない。
 このギアスからは。
 そして、先ほど同様に前に出る。やはり、彼にはわかっていないようだ。
 分ったところでどうにも出来ないとわかれば、抵抗しないのだろうか。
 けれど、走り去る彼に、追いかけごっこを終わらせるために、余計な考えは捨て去るようにして、再び、彼の前に現れる。
 あがなうように後ろへと下がる。何故か、片手を顔の前にして、それは隠すようにも見え、一瞬間を置いてロロは持っていた武器を相手に向けて振りかざす。それは、あっという間の出来事。


 目の前に紅いものが散った。


 見慣れてしまったその光景に何の感情も見せない顔が倒れるそれをただ見つめる。
 重力に従うように地面に沈んだ彼から、紅い液体が広がる。
 倒れる前に一瞬見た表情がロロには何故か印象に残った。
 終わったと一息するまもなく、幾つかの靴音が聞こえ、ようやくお出ましかと、ロロは音のほうへと振り返る。
 同じ追っ手ながら逃してしまった彼らに、逃げた人物の在り処を尋ねられ、彼の居場所を教えた。


「其処にいます」


 驚いた声と顔に興味ないとばかりに、ロロは顔を逸らし、立ち去ろうとすると、確認の声がかかった。


「無駄口叩く暇があるなら、さっさと運んでください」


 どう見ても年下と思える幼い顔は冷たく、上からの物言いに、返事を返し、その言葉にやるべき事を認識して、倒れた彼を数人で運びにかかった。
 其の後景に一度だけ目を向けて、後は自分の任務を報告するために、関心もないこの島から背を向けて、歩いた。



 
 

 

 硝子越しに見えたのは、殺風景な冷たい色の室内とその部屋の色と同一と化したベットに横たわる彼の姿。
 其処には、コードやらが繋がれていて、それは彼を拘束してあるように見えた。
 
「殺しませんよ。逃げる相手を引き止める為の手段に用意いただけですから」

  

 ロロが言うように、彼は、血に汚れただけで、筋電図が彼を繋ぐようにして心臓音を現すように動いている。
 無表情にそれを見つめながら耳にした情報を持って考えていた。
 彼が此処から脱走したということ、自分とは違う何らかの力を持っていたということを。 
 脱走してまで逃れた場所に再びとらわれることになったということを。
 どういった経緯で彼を見つけたとか、聞く事はなかったが、彼も一人なのだということを聞いた。
 いつもならば、任務の後のことは何も考えたことはなかったのだが、心に何かが引っかかる。


 これは何だろう。同情?。それとも、共感なのだろうか?。
 
 そんな馬鹿馬鹿しい思考がロロの頭を過ぎっていくのに、首を振って否定するように考えを追い払う。


 違う、同じものではない。
 違う、僕と彼は。


 このままいても、心の引っ掛かりが留まるどころか、訳もわからず、深まっていくばかりで、幼い顔を暗い陰が差し表情を歪ませて、今は目覚める気配のない彼を強く睨みつけ、その場から立ち去る。振り返ることはなかった。



 



「僕が、弟に?」


  幾つか淡々とこなして行った末、今度の任務は今までのものとは違った。
 ある人物の仮の弟となり、彼を見張れと言う任務だった。
 今までやってきたのは、一人っきりで淡々と行うだけの仕事であった分、少し驚いた。何かに成りすますにしても、兄弟とは、それに、見張るだけのものだというのも、あまりなかった。家族、際も自分から遠ざかってしまったものが。
 言葉もない躊躇いが瞳に揺らいだ。
 もう一度、受け取った写真に写った、人物に目をやる。
 いつもどおり、任務という皆目で、実行して行くだけだと思い返し。
 通常通り冷静さを取り戻した少年、ロロははっきりと口にした。 

「分りました。この任務を遂行します」


[留め]

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