コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
★ カテゴリー
カテゴリー別に分かれていて、下に表示されるようになっています。
----LC----- ライ関連
----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
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★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
★ お気に入り
★2009/05/02 (Sat)
教室内は、普段以上にざわざわとした騒がしさを残していた。
担任の先生の言葉を聞きながら、ライは、その人物から、視線を逸らせなかった。
授業前は、何もかかれてない緑色の黒板に白い文字が、人物の隣に存在を表していた。
転校生の名前は、ルルーシュ・ランペルージ。
黒い髪に見たことのない紫の瞳、雰囲気と名前から、海外からの帰国子女だと、担任の言葉を聴いて、はっきりとした。
視線は、まっすぐ教室を見ているようで、もっと此処ではない何処かを見ているようなそんな気がした。
ライの斜め後ろの女の子が騒いだので、何かと視線を動かせば、転校生が、ライの横を通り過ぎた。
その時、一瞬視線を向けたれたのだが、気のせいだと思えるほどの間だった。
ジギタリス -Desire of chest-
空き時間になると騒がしくなる、特に、今日来た転入生、ルルーシュの周りを中心にそうであるように。容姿のせいか、女の子の数のほうが見てわかるくらい多い。
女生徒の壁に囲まれて、僅かに時折、表情が見れることもあったが、女の子達の対応はいいものも、何故か、ライには、その表情に違和感が残った。
「ライ」
声に反応して、扉のほうへと視線を向けると、ライの顔が、無表情から嬉しそうに変わる。
呼びかけるまもなく、ライが、スザクの傍までやってくると、二人の会話が親しいものだと遠くからでもわかるほどだった。
その様子を、女生徒の合間に見える隙間から、少しだけルルーシュは、見ていたのだが、女の子が話しかけると再び、受け答えをする。といっても、全てをさらけ出すわけでもなく、表面上はにこやかな仮面を作って、話すのだ。
転校して数日、話す機会もないままだったが、何かがきっかけになるということも自然と生まれた。昼休み、一階からの渡り廊下を歩いていた時のことだった。
視線を中庭へと何気に目をやって、すれ違う人影を遠くに見かけた。
ライのクラスにやってきた転校生だというだけで、それからの彼の後に続く数人の生徒の姿を見かけた。それが、女の子、もしくは、友人だったのなら、特に気にかけなかったけれど、ルルーシュが人付き合いが良くないわけではないものの、ライの知る限りでは、どちらかという、一人でいるほうが多いタイプで、女の子につかまっている姿は見かけたことはあるものの、同級生の、男の子と話す姿はあまりなく、奥へと消えるように歩いていく姿に、言い知れない悪い予感がして、ライは行動を起こした。
歩いていった姿を遅れながら追いかけて、僅かに声がしたほうへと行って見た。
「誰か来た!。逃げろ!」
ライの足音に気づいたのか、バタバタと忙しなく、走り去る足音を聞いて、顔を覗かせると、壁に背を向けて、座ったまま俯いたルルーシュの姿を見かけた。
嫌な予感は当たっていたらしい。ルルーシュの事をよく思わない人がいるのを見たことはあるし、女の子達が怪我をしていたルルーシュを気遣う声も聞いたこともあった。だから、ライが気づくよりももっと前から、こうした事を受けていて、誰にも打ち明けることなく、あの日遅れた言葉で言い訳をして、平然としていたのだろう。今日までのように。
服や顔が地面にでも倒れたのか汚れてあることに気づきながらも、歩み寄ると、影が差したことで、ルルーシュは顔上げる。
目立つところは避けたのだろう。顔に傷はつけられてないものの、倒れたときについたのか、土の汚れが残っていた。
「立てる?」
ルルーシュの驚いた瞳は、すぐさま、突き放すような強い視線へと変わった。
「何の真似だ。余計なことをするな」
ライの差し伸ばした手もつかぬこともなく、自分の力で立ち上がって、砂で汚れた、服を叩くようにして落とす。
「さっきのって、もしかして、前からなの?」
「お前に関係のないことだ」
問いに答えることもなく、その声は、教室でにこやかに向けるものではなくて、本来の彼の心の声のように、冷たく響いた。
「関係ないって」
「助けなんて呼んではない。勝手なことをするな」
ライの言葉をさえぎるように、突き放す言葉で釘を刺す。巻き込みたくないというより、関わりたくないと言っている様に聞こえた。
「助けるのに理由なんていらないよ」
ルルーシュがそれに立ち止まって、後ろを振り返る。ライと同じ幼い顔ながらも、意思の強さの現れに視線が強くなる。
「あれが、今日昨日で始まったことじゃない。お前のあれは、意味がないことだ。
だから、僕と関わろうとするな」
前の学校でもそうだったのか、それとも、彼の境遇がそうなのか、他人には異様に頑なに見えた。人を遠ざけようとしているのはわかったが、それは、昔のライとは、反応が違うにしても、人を拒むその凍った心は、どこかでそれをさびしいと感じる。 それは昔、スザクが、ライの心を解きほぐしたことで、知った気持ちだった。
「・・・」
その時は、何も言えなくて、ルルーシュは、諦めたと思ったと視線の強さが弱ったと同時に、瞳の色が翳った。そのことに気づいてながらも、ライは、何も言うことは出来なかった。
自宅の、スザクの部屋に訪れて、話があるという前に、スザクが快く迎えるようにして、部屋の中へと招き入れた。
パタンと閉じられた、扉の向こうで、ライは、ベットに腰掛けて、スザクは、勉強机にある椅子へと座って、ライから話し始める。
「スザク、相談したいことがあって、僕のクラスにいる転校生の事なんだけど」
「転校生。珍しいな。ライから、そんな話を持ち出すなんて」
「うん」
ライのしんみりとした空気を察してなのか、くるりと前に向けた椅子で、ライへと体を向けるようにして、話を聞く。
「それで、転校生が、どうしたって」
「ルルーシュって言うんだけど、海外からの帰国子女で、女の子にも人気があって、頭もいいんだ、だから、クラスメート達や先生との話すのには問題ないんだけと」
「何かあるのか?」
頷くと、ルルーシュと話したことを思い出してか、僅かにライの声に元気がなくて、話すうちに、表情にもそれが現れていた。
「うん、だけどね。彼に違和感を覚えて、それが何なのか最初はわからなかったけど、クラスメートに接する姿とか話し方とか、実際にも、話をしてみて、他人に見せるものが似てるんだ。以前の僕と」
「・・・似てるか」
「だから、かもしれないけど、気になって」
確かに、二人は本当の兄弟と思えるほど仲はいいし、スザクやライとて他に友達がいないわけでもないことはお互いに知っているけれど、ライがこういうことを言い始めたのは、あまりない。
だから、耳では、ライの言葉を聞きながら、そっけない物言いを始めるのは、ライが別の人の話を言いように話すときに、見せるスザクのいつもの事で、
「ふーん、それで、そいつとどうしたいの?」
「えっ、どうしたいって」
「ライが、気になるだけなら、そのままでもいいし、話したりして仲良くなりたいなら、話しかけていけばいいんだよ」
スザクの口調は、ぶっきらぼうで、面白くないと言いたげな顔をしていたが、ちゃんとライの言葉を聴いている。
「正面から、関わるなって言われた後で、か」
「関わるなって、それだと、昔のライと違うだろ。ライは、僕とどうして話すのって、疑問ばかり抱いてたし、それで終わらず変われた。まぁ、どっちにしても、そいつもそうした人付き合いしか出来ないんじゃないのか?。だから、ライが、教えてやればいいんだよ」
「教えるって、何を」
「俺が教えた、人付き合いって奴をさ」
「僕が、スザクに教わったことをか?」
「そうだよ。それでも、そいつが何の反応もないなら、俺に言えばいいよ。一発バシッと頭こずいてやるから」
「スザク、力技は良くないよ」
「へへ、まぁ、そいつがどう思うより、ライがどうするかだろ。言葉がだめなら、行動だ」
「それって、スザクらしいね」
「だろ」
スザクが顔を寄せて、見合うように近づいた距離で、二人は笑いあった。
そうして、会話がいつもの和やかなものに変わって、セシルの呼び声に押されるように、二人で階段を下りていくのは後の事。
教室以外で、再びルルーシュに会ったのは、洗面所だった。
「ルルーシュ君」
ルルーシュが振り向いて、その瞳がライを捉え、眉を顰めると、そのまま、何も言うことはないのか、通り過ぎるように歩いていってしまう。
「何で、ついてくるんだ?」
「傷は、もう治ったの」
後ろから、足音と気配が近づいて、ルルーシュが振り向かないままに、声をかけると、ライが、隣に並ぶようにして、問いかけの答えではなく言葉をかけた。
「話したはずだ。お前には関係のないことだと」
途端に、足が止まったルルーシュが、ライへとようやく顔を向き合って、話す。
「うん。だから、ちゃんと話そうと思って」
訝しげに向けられたルルーシュの顔には、警戒の色が強くあったが、ライは、思い切ったようにして、話し始めた。
「昨日、大事な人に、君の事で相談したんだ。それで、話を聞いてもらって、色々言われたよ」
「・・・」
拒否するように、ルルーシュが顔を横に向けて、
「昨日まで、君に何がしたいのか、わからなかったけど、相談して、やっぱり、気づいたんだ」
「何をだ」
助けたいとか、手を貸したいとか、ある程度前にも言ってくれた誰かのお節介な言葉が脳裏に思い浮かんで、それが、その場しのぎなのだと、その時になって、思い知った、あの時思いが甦り、そうして、人と関わっていくうちに、壁を作って、変な期待を持つことはやめた。それなのに、今ルルーシュの目の前にいる、ライは、こう言うのだ。
「僕、友達になりたいんだ。君と」
「っ、ふざけたことを」
言われ慣れてないのか、何かを思い出したのか、明らかに動揺して、急ぎ足に歩いていってしまう後ろ姿を、先に回りこむようにして追いかけて行くと、
「まだ、何か言うつもりか」
「逃げないで」
「逃げる?僕は逃げてなどいない」
視線をそらさない姿勢から、今までの周囲に弱さを見せない彼のプライドの高さから、そうしないことは知っていた。だからとて、ライも引き下がる気はなかった。
「うん、じゃあ、放課後、屋上に来て」
「何を言ってっ」
「逃げないなら、ちゃんと、話をしよう」
「っ」
答えもなく、顔を歪めるようにして、そのまま、ライを振り切るようにして、駆けて行ったルルーシュの後姿を、今度は追おうとはしなかった。
スザクを真似て、多少強引にしてみたやり方は、自分らしいとは違う上に、あれが正解なのかもわからないけど、緊張してたらしく、ふぅっと、ライは息をこぼし、肩の力を抜いた。
まだやることは、あるけれど、今のライに出来ることを、スザクが教えてくれたのだ。それをここにはいないスザクへともう一度、ありがとう、と心で呟いて、後は、自分の力で実行していくだけだと、決意を決めるように、銀の瞳がそれに現れる。
仲良く慣れるとまでは行かなくても、せめて、普通に話せるぐらいになれたらっと、開いた窓から、青空を見上げた。
[続く]
担任の先生の言葉を聞きながら、ライは、その人物から、視線を逸らせなかった。
授業前は、何もかかれてない緑色の黒板に白い文字が、人物の隣に存在を表していた。
転校生の名前は、ルルーシュ・ランペルージ。
黒い髪に見たことのない紫の瞳、雰囲気と名前から、海外からの帰国子女だと、担任の言葉を聴いて、はっきりとした。
視線は、まっすぐ教室を見ているようで、もっと此処ではない何処かを見ているようなそんな気がした。
ライの斜め後ろの女の子が騒いだので、何かと視線を動かせば、転校生が、ライの横を通り過ぎた。
その時、一瞬視線を向けたれたのだが、気のせいだと思えるほどの間だった。
ジギタリス -Desire of chest-
空き時間になると騒がしくなる、特に、今日来た転入生、ルルーシュの周りを中心にそうであるように。容姿のせいか、女の子の数のほうが見てわかるくらい多い。
女生徒の壁に囲まれて、僅かに時折、表情が見れることもあったが、女の子達の対応はいいものも、何故か、ライには、その表情に違和感が残った。
「ライ」
声に反応して、扉のほうへと視線を向けると、ライの顔が、無表情から嬉しそうに変わる。
呼びかけるまもなく、ライが、スザクの傍までやってくると、二人の会話が親しいものだと遠くからでもわかるほどだった。
その様子を、女生徒の合間に見える隙間から、少しだけルルーシュは、見ていたのだが、女の子が話しかけると再び、受け答えをする。といっても、全てをさらけ出すわけでもなく、表面上はにこやかな仮面を作って、話すのだ。
転校して数日、話す機会もないままだったが、何かがきっかけになるということも自然と生まれた。昼休み、一階からの渡り廊下を歩いていた時のことだった。
視線を中庭へと何気に目をやって、すれ違う人影を遠くに見かけた。
ライのクラスにやってきた転校生だというだけで、それからの彼の後に続く数人の生徒の姿を見かけた。それが、女の子、もしくは、友人だったのなら、特に気にかけなかったけれど、ルルーシュが人付き合いが良くないわけではないものの、ライの知る限りでは、どちらかという、一人でいるほうが多いタイプで、女の子につかまっている姿は見かけたことはあるものの、同級生の、男の子と話す姿はあまりなく、奥へと消えるように歩いていく姿に、言い知れない悪い予感がして、ライは行動を起こした。
歩いていった姿を遅れながら追いかけて、僅かに声がしたほうへと行って見た。
「誰か来た!。逃げろ!」
ライの足音に気づいたのか、バタバタと忙しなく、走り去る足音を聞いて、顔を覗かせると、壁に背を向けて、座ったまま俯いたルルーシュの姿を見かけた。
嫌な予感は当たっていたらしい。ルルーシュの事をよく思わない人がいるのを見たことはあるし、女の子達が怪我をしていたルルーシュを気遣う声も聞いたこともあった。だから、ライが気づくよりももっと前から、こうした事を受けていて、誰にも打ち明けることなく、あの日遅れた言葉で言い訳をして、平然としていたのだろう。今日までのように。
服や顔が地面にでも倒れたのか汚れてあることに気づきながらも、歩み寄ると、影が差したことで、ルルーシュは顔上げる。
目立つところは避けたのだろう。顔に傷はつけられてないものの、倒れたときについたのか、土の汚れが残っていた。
「立てる?」
ルルーシュの驚いた瞳は、すぐさま、突き放すような強い視線へと変わった。
「何の真似だ。余計なことをするな」
ライの差し伸ばした手もつかぬこともなく、自分の力で立ち上がって、砂で汚れた、服を叩くようにして落とす。
「さっきのって、もしかして、前からなの?」
「お前に関係のないことだ」
問いに答えることもなく、その声は、教室でにこやかに向けるものではなくて、本来の彼の心の声のように、冷たく響いた。
「関係ないって」
「助けなんて呼んではない。勝手なことをするな」
ライの言葉をさえぎるように、突き放す言葉で釘を刺す。巻き込みたくないというより、関わりたくないと言っている様に聞こえた。
「助けるのに理由なんていらないよ」
ルルーシュがそれに立ち止まって、後ろを振り返る。ライと同じ幼い顔ながらも、意思の強さの現れに視線が強くなる。
「あれが、今日昨日で始まったことじゃない。お前のあれは、意味がないことだ。
だから、僕と関わろうとするな」
前の学校でもそうだったのか、それとも、彼の境遇がそうなのか、他人には異様に頑なに見えた。人を遠ざけようとしているのはわかったが、それは、昔のライとは、反応が違うにしても、人を拒むその凍った心は、どこかでそれをさびしいと感じる。 それは昔、スザクが、ライの心を解きほぐしたことで、知った気持ちだった。
「・・・」
その時は、何も言えなくて、ルルーシュは、諦めたと思ったと視線の強さが弱ったと同時に、瞳の色が翳った。そのことに気づいてながらも、ライは、何も言うことは出来なかった。
自宅の、スザクの部屋に訪れて、話があるという前に、スザクが快く迎えるようにして、部屋の中へと招き入れた。
パタンと閉じられた、扉の向こうで、ライは、ベットに腰掛けて、スザクは、勉強机にある椅子へと座って、ライから話し始める。
「スザク、相談したいことがあって、僕のクラスにいる転校生の事なんだけど」
「転校生。珍しいな。ライから、そんな話を持ち出すなんて」
「うん」
ライのしんみりとした空気を察してなのか、くるりと前に向けた椅子で、ライへと体を向けるようにして、話を聞く。
「それで、転校生が、どうしたって」
「ルルーシュって言うんだけど、海外からの帰国子女で、女の子にも人気があって、頭もいいんだ、だから、クラスメート達や先生との話すのには問題ないんだけと」
「何かあるのか?」
頷くと、ルルーシュと話したことを思い出してか、僅かにライの声に元気がなくて、話すうちに、表情にもそれが現れていた。
「うん、だけどね。彼に違和感を覚えて、それが何なのか最初はわからなかったけど、クラスメートに接する姿とか話し方とか、実際にも、話をしてみて、他人に見せるものが似てるんだ。以前の僕と」
「・・・似てるか」
「だから、かもしれないけど、気になって」
確かに、二人は本当の兄弟と思えるほど仲はいいし、スザクやライとて他に友達がいないわけでもないことはお互いに知っているけれど、ライがこういうことを言い始めたのは、あまりない。
だから、耳では、ライの言葉を聞きながら、そっけない物言いを始めるのは、ライが別の人の話を言いように話すときに、見せるスザクのいつもの事で、
「ふーん、それで、そいつとどうしたいの?」
「えっ、どうしたいって」
「ライが、気になるだけなら、そのままでもいいし、話したりして仲良くなりたいなら、話しかけていけばいいんだよ」
スザクの口調は、ぶっきらぼうで、面白くないと言いたげな顔をしていたが、ちゃんとライの言葉を聴いている。
「正面から、関わるなって言われた後で、か」
「関わるなって、それだと、昔のライと違うだろ。ライは、僕とどうして話すのって、疑問ばかり抱いてたし、それで終わらず変われた。まぁ、どっちにしても、そいつもそうした人付き合いしか出来ないんじゃないのか?。だから、ライが、教えてやればいいんだよ」
「教えるって、何を」
「俺が教えた、人付き合いって奴をさ」
「僕が、スザクに教わったことをか?」
「そうだよ。それでも、そいつが何の反応もないなら、俺に言えばいいよ。一発バシッと頭こずいてやるから」
「スザク、力技は良くないよ」
「へへ、まぁ、そいつがどう思うより、ライがどうするかだろ。言葉がだめなら、行動だ」
「それって、スザクらしいね」
「だろ」
スザクが顔を寄せて、見合うように近づいた距離で、二人は笑いあった。
そうして、会話がいつもの和やかなものに変わって、セシルの呼び声に押されるように、二人で階段を下りていくのは後の事。
教室以外で、再びルルーシュに会ったのは、洗面所だった。
「ルルーシュ君」
ルルーシュが振り向いて、その瞳がライを捉え、眉を顰めると、そのまま、何も言うことはないのか、通り過ぎるように歩いていってしまう。
「何で、ついてくるんだ?」
「傷は、もう治ったの」
後ろから、足音と気配が近づいて、ルルーシュが振り向かないままに、声をかけると、ライが、隣に並ぶようにして、問いかけの答えではなく言葉をかけた。
「話したはずだ。お前には関係のないことだと」
途端に、足が止まったルルーシュが、ライへとようやく顔を向き合って、話す。
「うん。だから、ちゃんと話そうと思って」
訝しげに向けられたルルーシュの顔には、警戒の色が強くあったが、ライは、思い切ったようにして、話し始めた。
「昨日、大事な人に、君の事で相談したんだ。それで、話を聞いてもらって、色々言われたよ」
「・・・」
拒否するように、ルルーシュが顔を横に向けて、
「昨日まで、君に何がしたいのか、わからなかったけど、相談して、やっぱり、気づいたんだ」
「何をだ」
助けたいとか、手を貸したいとか、ある程度前にも言ってくれた誰かのお節介な言葉が脳裏に思い浮かんで、それが、その場しのぎなのだと、その時になって、思い知った、あの時思いが甦り、そうして、人と関わっていくうちに、壁を作って、変な期待を持つことはやめた。それなのに、今ルルーシュの目の前にいる、ライは、こう言うのだ。
「僕、友達になりたいんだ。君と」
「っ、ふざけたことを」
言われ慣れてないのか、何かを思い出したのか、明らかに動揺して、急ぎ足に歩いていってしまう後ろ姿を、先に回りこむようにして追いかけて行くと、
「まだ、何か言うつもりか」
「逃げないで」
「逃げる?僕は逃げてなどいない」
視線をそらさない姿勢から、今までの周囲に弱さを見せない彼のプライドの高さから、そうしないことは知っていた。だからとて、ライも引き下がる気はなかった。
「うん、じゃあ、放課後、屋上に来て」
「何を言ってっ」
「逃げないなら、ちゃんと、話をしよう」
「っ」
答えもなく、顔を歪めるようにして、そのまま、ライを振り切るようにして、駆けて行ったルルーシュの後姿を、今度は追おうとはしなかった。
スザクを真似て、多少強引にしてみたやり方は、自分らしいとは違う上に、あれが正解なのかもわからないけど、緊張してたらしく、ふぅっと、ライは息をこぼし、肩の力を抜いた。
まだやることは、あるけれど、今のライに出来ることを、スザクが教えてくれたのだ。それをここにはいないスザクへともう一度、ありがとう、と心で呟いて、後は、自分の力で実行していくだけだと、決意を決めるように、銀の瞳がそれに現れる。
仲良く慣れるとまでは行かなくても、せめて、普通に話せるぐらいになれたらっと、開いた窓から、青空を見上げた。
[続く]
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