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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
いい雰囲気出したかったのだけれど、やっぱり書くとなると難しいですね。
というわけで、カレン×ライです。
お話は、続きからになります。
拍手を送る
ほろ酔い加減で誘惑
その光景を見たカレンは、唖然としたまま、言った。
「何、この有様」
騎士団メンバー達は、ゼロの提案により、バスにて移動した連中は、旅館に着いて、夕飯を始めると共に一時の宴会を楽しんでいたのは、知ってはいるが、既に出来上がっている人とまだ飲んでいる人と、テーブルの上に置かれた缶や一升瓶の空を目にして、カレンは頭が痛くなった。
「ほらー、カレン、あんたもこっちに来て、飲みなさいよ~」
「井上さんまで、もう酔っ払ってる。井上さん、私は未成年なので、遠慮します」
「いいじゃない~硬い事言わなくて。ほら、私がお酌してあげるから、ぐぐぅっと飲んでみなさいよ」
「はぁ」
酒を含んで、より一層盛り上がりを見せて、がやがやと雑音交じりの会話がにぎやかに飛び交う中、視線を彷徨わせたカレンは、ゼロの他に、いるはずのライの姿が見当たらないことに首を傾げて、一升瓶をなぜか持ったまま、通りかかった玉城に声をかけてみた。
「ねぇ、玉城、ライが見当たらないみたいだけど、何処にいるか聞いてない?」
「あ? ライ? あいつだったら、酔い覚ましてくるって、さっき出て行ったぞ。まだ、これの半分も飲んでねぇうちにさ。根性ねぇやつだぜ」
「飲んでって、飲ませたの!?、ちょっと、玉城、ライは私と同じまだ学生なのよ。聞いて」
カレンの言葉も聞くこともなく、玉城は飲んでいる仲間のうちに溶け込んで、お酒を呷っていた。
酔っ払いに何を言っても会話として通じなくて、カレンの様子を好物のピザをかじりながら、見ていたC.C.が話しかけてきた。
「もう既に、この場は収拾がつかない。お前を抜きにしても、この状態はまだ続くだろう。詮索されずに探すのなら、今だぞ。行ってやれ」
「言われなくても、そのつもりよ」
バタンとかけてくる声も遮断するかのように、背で襖を閉めて、ライを探しに言った。
まずは、玄関帳場、受付に聞いてみたが、ライが此処を通った様子はなく、洗面所などの公共の場にも、いる様子はなく、歩いた足は、縁側へとたどり着いて、見間違うはずのない姿を眼にして、声をかけて近づいた。
「ライ」
月明かりに照らされた横顔が、ゆっくりと振り返ると、綺麗な髪が月の光に反射するように、白く映った。
「・・・ああ、カレン、か。こんなところで、どうしたんだ?」
「それはこっちの台詞でしょ。・・・大丈夫なの?。貴方、お酒飲んだって聞いたけど」
そう言いながら、カレンは着た浴衣を縁側から外へと足を出すようにして、腰を下ろした。普段の活発的な表情は隠れていないものの、浴衣のせいか、大人しいとはまた違った味わいが雰囲気に出ていた。
「いや、そんなに飲んだつもりは」
「そうなら、よかっ・・・じゃないわね。ライ、もしかして酔ってる?」
ライはいつもの無表情に、頬に赤みを帯びたまま、目を細めた。
「酔ってはいないが、気分はいいな」
「十分酔ってるじゃない…」
ライから進んで飲むと言う考えは思いつかず、騎士団メンバー、あの様子からだと言うと、主に玉城あたりが無理やり飲ませたのだろう。何があったのかは、カレンの知ることではなかったが、断れなかったのかと、非難を帯びた視線が一瞬ライに向けてから、ぼやいた。
「はぁ、どーしてわたし一人だけ」
三人を除いて、騎士団のメンバーは皆、大人で、素面としている自分が、わいわいと賑わう中で、一人だというのは、気が沈んだ。
話せる相手が一人でもいるのなら、良かったのだが、ゼロはこういう仲間内の事に、深く干渉すると言うより、一人を選ぶ方ではあるし、C.C.はあのようにピザに夢中で、唯一、同じ学生で話せる仲間である、ライが今のさっきいた連中と同じく酔っ払いとなってることが、寂しいと思った。
「カレン綺麗だよ」
「な、何言って!?」
突然の言葉に、カレンは驚くのだが、カレンの様子を知ってか知らすが、白い肌を映して、月を指差して、いつもの無表情より、幾分か柔らかな顔で、口に笑みを浮かべて口にする。
「?ほら、月が綺麗だ」
「えっ、ああ…月、ね」
カレンは、一瞬、自分の事を言われたのかと思った気持ちが、月を見上げて、声と共に残念そうに下がった。
「本当、どれくらい飲んだか知らないけど、まだ学生なのよ。それに貴方だって、まだ年は変わらないわよね?」
記憶喪失な為、ライ自身も知らぬ事を、今たずねたとしても、返ってくる答えはないのは明らかで、きょとんとしたライの顔がカレンへと向けられる。
「まぁ、記憶喪失だから、その辺は私もわからないけど、貴方も学校の生徒であることに変わりはないんだから、もっと自覚しないと」
カレンの言葉に、眼を伏せたライは、再び、月を見上げた。
「…生徒か、いつの間にかそれも定着していたな」
「ライ?」
心配そうに眉を下げてカレンは名前を呼んだ。それは明かりに映した銀の瞳と、浴衣から覗く白い肌が、月光に似合って、ぼんやりとはかない印象にカレンには映って見えたからだった。月から、地面へと顔を向けて、呟くように気になる言葉を口にする。
「僕はいつまで、ここにいられるんだろうな」
さらりと吹いた風が音と共に、存在を示して、其処にあるものたちを、風がなでる。一瞬の沈黙と風の終わりに、虫の声か微かに聞こえ始めた。
「いつまでなんて、黒の騎士団でも学園でもあなたの場所でしょ。みんなだって、そう思ってるはず。それに、私だって」
そう言って、カレンはライから、顔を背けて、足へと置いた握った手を見つめた、照れを浮かべてまま。
けれど、ライから、何も反応がないことに、カレンが、顔を向ける前に、肩に乾いた音と同じく重みがかかり、視線を向ければ、頭があった。
少しだけ顔を覗き込むように、カレンが体勢を崩すと、普段の凛とした表情は隠れ、変わりにあどけない寝顔を見せ、小さな寝息を立てていたライがいるのだった。
「もう寝てる。ああ、何なのよ、これは!」
声が大きくなり、はっとわれに返ったカレンは、慌てて口を手で隠すと、チラリとライを横目に盗み見る。
「・・・大丈夫みたいね。それにしても、よく寝てる」
起きたようすがないことに、ほっと息をついたのだけれど、少し離れた距離でカレンにもたれたライは、バランスが悪く、数分で落ちてしまいそう起こそうかと手を伸ばしかけたときに、不意ににぎやかな声が聞こえ、そちらへと目を向ければ、聞こえてきたのは、先ほどまで自分がいた宴会場で、気づいたわけではないと、息をついて、もう一度、ライを目にした。
カレンの伸ばした手は、戻された。
僅かに開いた距離をカレンが詰め寄ったことで、崩れることなくもたれさせたまま、膝を抱える。
「皆、浮かれすぎな気もするけど、それだけ、普段の戦いは今よりも緊張している事が多いだけ、当然なのかもしれないわね」
視線を横へと投げて、カレンは独り言を続けた。
「それよりも、人の気も知らないで暢気に、寝ちゃってる人をどうにかしないと」
不満そうな顔は寝顔にほだされてか少しずつ、小さな笑いをこぼして優しい顔になって、月明かりの照らす中で、二人のいる光景があまりにも、似合っていた。
「なっ!?」
「…ゼロ!。あっ…」
ライがまだ自分にもたれるようにしていることに気づいたのだか、それよりも早く、ゼロがそれを見てしまったことに、カレンは慌ててしまっていた。それ故、どこかいつもの声が、強張って動揺を隠すかのように、不自然な声で喋る、ゼロに気づくことが出来なかった。
「・・・失礼。邪魔をしてしまったようだ」
「えっ、あ、邪魔って事は、これは」
「いや、二人には、黒の騎士団として重要な戦力であるが、側近の事を良く知らなかったとはいえ、プライベートなことまでは私の管轄ではない。この事を、皆に口外するつもりはないから、安心していい」
「いえ、あの、これはっ」
カレンが立ったことで、支えのなくなったライが、床へと倒れる。
頭を打った音も聞こえそれに、一瞬気をとられつつも、ゼロから、顔を逸らせなかった。
「だが、その様子だと、二人一緒だと言うことが、バレる可能性がある。他のもの達には、気分が悪くなったと話しておいてやろう。心配する必要はないが、・・・・ライの事は、いや、一時的な旅行になったとはいえ無理をするな。それだけだ」
何かを言う前に、後ろを向けたゼロを見送ったまま、カレンは、戸惑いを露にする。ゼロに誤解されてしまった。
ライの事をいやと言うわけではないが、憧れのゼロに、見られたというのは、心境は複雑なばかりで。
「っ!」
背中越しにライの痛む声を聞いて、我に返った。
「!、ごめん!、ライ、大丈夫?」
起き上がらせるように、支えたカレンにライの瞳が向けられる。
「カレン?」
「さっき、私が立ち上がったせいで、頭打ったでしょう?。・・・怪我は」
突然視界が、流れるように天井を映して、ライの顔が眼に入る。押し倒されたのだと、数秒で自覚したカレンは驚いた。
「…」
見詰め合うようにして、ライが顔を寄せると、近い距離となった事に、今度こそ、カレンの頬が染まった。。
カレンの顔を覗き込んだその瞳が、月に似て綺麗だけど起き上がりの寝ぼけ眼のようで、瞬きを繰り返すうちに、意識は覚醒したらしく、ライは口を開いた。
「何やってるんだ?」
目の前で、聞いたその言葉に、カレンは一瞬思考が止まったようにして、それから、くすぶるように芽生えた感情は、胸の中で怒りへと変わる。
正確には、ライが押し倒しているから、こういった状態になっているわけで、けれど、自覚はしてないライの言葉に、カレンは言った。
「そんなこと・・・・・・、私に聞くな!」
ドカっと、殴るようにして、ライを押しのけると、反射的に身を引いてみたものの、完全ではなかったらしく、攻撃を受けた頬に片手を当てたライは、わからないと言ったように、目を瞬かせた。
「?。何故、殴られるんだ?」
「自分の胸に手を当てて、聞いてみなさいよ!」
恥ずかしさと怒りでこぶしを震わしながら、力説する。
カレンの言葉と、もう一度、先ほどの状況を思い返した、ライは、
「あれは、僕が、押し倒したのか?」
「ええ、そうよ」
「まだ、曖昧なところでしか、覚えてはいないが、すまなかった」
無表情なのに、シュンと犬が耳をたれて見せるよう見えるのは、酒の影響か、
「・・な・・・・」
口の中で話すように、小さい声は、ライは届かず、
「カレン?」
「…もういいわよ。私もさっき貴方を落としたことを、誤らなきゃいけないから」
「落とした?」
「っとにかく!、これで、もう、平気ね。寝たいのなら、此処じゃなくて、部屋のほうで寝たほうがいいわよ。あっちの宴会の事は、気にせずにね」
立ち去ろうとした腕をひっばられ、ライの隣で床に足をつけて座る体制になった、カレンが、視線で何だと言いたげに、ライを向く。
「まだ、酔ってるの?」
「いや、今度は、起きてる」
「そう。それなら、私はいる必要ないわね。探しに来ただけだから、もう、戻るわ」
そう言って引こうとする手を、掴んだままのライの手が、それを止まらせ、訴えるように掴んだ手から、ライへと視線を動かす。
「ライ」
「カレン、さっきので思い出したことがあったんだ。寝ていたときに、触れたぬくもりがあったが、あれは、君なのだろう?」
「それは・・・」
目をごまかすように、逸らすカレンに、ライは問う。
「違ったか?」
「そうじゃないけど、気づくの遅いわよ」
「そう、だな」
掴んだままだった、ライの手がゆっくりと離れたが、カレンは立ち上がることはしなかった。
カレンは、来たときのように、座りなおして、顔が近づいた時に、香った匂いを思い出して、
「まだ、酒の匂いが残ってるわね」
「ああ、記憶にないせいか、身体には馴染めなくて、まだ意識はあったつもりなのだが、いつの間にか寝てしまった。それで心配をかけて何だが、カレンも、少しは飲んでみようとは思わなかったのか」
「私は、まだ未成年だから、飲めるわけ、ん?!」
重なった影が離れ、頬を染めたまま、驚いた瞳のカレンと、悪戯に細めるようなライの瞳が合って、
「これで、カレンも飲んだことになるだろうか」
言いたい言葉は、つっかえてしまったのは、恋人のそれとなった甘い微笑が、自分を見ていたからで、唯一、口に出来たのは、一言だった。
「馬鹿…」
カレンが視線からそらすように、横眼をむくのだが、ふっと笑う声に気づいて、ライへと向き直る。
宴会場では、にぎやかな声が遠くに聞こえてきたけれど、二人のいる場は虫の声だけで、静かにカレンの手が伸びて、ライの手と重ねて、僅かに葉を揺らす風が髪をなでて揺らめく、見つめ合う二人の空気に溶けていく。
ほんのりと月光に浮かんだ二つの伸びた影があり、近づいたのはどちらが先なのか、影が寄り添うように重なると、何処からか、風鈴の音が祝福するかのように、音を響かせるのだった。
[留め]