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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
買ってまでしたくない苦労
デートをすることになったルルーシュは、待ち合わせの場所である租界ショッピングモールにて五分前にやってきていた。
私服姿の片手につけていた腕時計で時間を確認する。
前回のように街の案内ではなく、本日はいかにライと楽しくかつ邪魔されることなく過ごせるかということだけに本気で重要視している。
入るお店は想定して、例えば、買い物であるならいかに品質のよく良心的な手ごろなのか、食事のお店であるなら、噂だけに及ばすその下で確認して、既にいい店は頭で覚えている。
後は、ライの返事に答えられるかルルーシュにかかってるだけなのだが、デートにおいても計画的な人であると生徒会の皆がもし見ていれば呆れたものであるが。
噂をしていれば何とやら、待ち合わせ時間に合わせてきたように走ってきたのはライだった。
柔らかな波のように光沢のある髪、キリとした眉、透明に見える銀の瞳、整った鼻筋、綺麗な口元、言わずも自然と女性達の視線を集めていることに対しては、敵意のないがきり鈍い神経のライは、少しだけ息を乱してルルーシュの前に到着した。
いつも制服姿でいることに見慣れているせいか、会長から貰ったラフな私服を着ているにもかかわらず、どこか品が感じられ涼やかな印象を与える。
男二人なのに華があるのは変な話だが、周囲の女の子たちの視線は確実に二人を遠巻きに見ていた。
見ていたのは、離れた場所で埋め込みから顔を出して双眼鏡を手に私服姿のミレイと、リヴァルとニーナの三人もそうだった。
「ミレイちゃん、あんまり顔を出すと、ばれちゃうよ」
「大丈夫よ。今のところは。みんなの視線でまぎれるし」
「会長。どうしても、ついていく気ですか」
会長に誘われ期待したリヴァルだったが、デートの尾行ということで密かに落胆しつつ、堪忍するよう質問していた。
「勿論。だって、女性から誘われることはあっても、自分から誘ったことなかったあのルルーシュがライを誘ったのよ。何処へ連れて行くのか気になるじゃない」
「ルルーシュの事だから、期待できる様な展開はないと思いますけどね。それに、会長はただ、面白がってるだけでしょう」
「ピンポーン♪」
「ミレイちゃん・・・」
ちょっと呆れたニーナだったが、ミレイは屈託なく笑うと、
「まあ、でもね。何がきっかけになるかわからないけど、ライも含めていい方向に、幸せになることが見つかるなら私は全力で応援したいのよ」
一度双眼鏡へと視線を落として、それから二人を見つめたミレイは優しい表情を浮かべていた。
リアァルとニーナが声を揃えて、ミレイを呼ぶ。
「半分、楽しいのは本当だけどね」
と付け足すようにいつもの口調に戻ったミレイに、リヴァルとニーナは会長らしいと笑いあう。
映画までの空いた時間。
近くの喫茶店へと入った二人に待ち構えていたのは、ウェイトレスの笑顔と、
「お待たせしました。カップル限定ラブラブドリンクでございます」
一つのコップにストローがつながれたように二つ分かれてあった。
アベック限定と思わしき商品が出てきてルルーシュは絶句する。
何しろ、頼んだ商品と別のものが来ていたからだった。 店側が注文を間違えたのかと顔を見ると、
「あちらにいるお客様からの贈り物でございます。どうぞ、ごゆっくり」
男二人で一つのドリンクを飲むことに対して顔を引きつることもなく嬉々と立ち去っていたのは、教育が行き届いてると褒めるべきなのか突っ込むべきなのか。
どう反応があったとしても、気持ちは置いて誤解であると言うしかない。
誰に対しての誤解なのかはともかくとして。
店にかかるBGMに溶け込むようで、客の雑音が多く、知れ渡ることはなかったのだが、ちらほらと二人を見る視線はあるものの、気まずい恥ずかしさだけは今のルルーシュに残り沈黙を生む。
「会長、余計なことしたら気づかれますよ」
「いいじゃない。こういう予想外の誤算もいい思い出となるんだから」
「男二人で、あれは何かの罰ゲームとしかいいようがないですよ」
「そうよね~。二人きりでなかったら、当然そう思うけど、今のルルーシュにとってはどうなのかしらね」
「・・・・」
ライがあまり租界での食事を学食でしか知らないから、より多く味が楽しめ、値段の安い場所を選んだのだが、まず、この得体の知れない大きなドリンクとそれを飾るようにハートマークに繋がったストーロー、これをどうするかとルルーシュは悩み眉を寄せる。
既に、注文を終えたばかりで、近くにウェイトレスがいない。
テーブルに置かれたドリンクは見ない振りを出来ないよう存在感を放っているように思えた。
誰がよこして来たのかわからない故に、デートを邪魔しているように見えて腹の立つものがあった。
ドリンクを凝視したまま何も言わないルルーシュに、ライから声をかけた。
「ルルーシュ」
そうだ。休日の昼間に二人、周りにそれと知る人物は見当たらない。見られて困るものはドリンク以外にはないが、今更何を危惧する必要があるッと心中で開き直ったのか、顔をあげたルルーシュは普段どおりに接していた。
「どうした」
しかし、ルルーシュの心情など知る由もないライは、真顔で尋ねてきた。
「ラブラブドリンクとは、その飲み物の名前なのか」
聞かないことにして欲しかったが、まあ記憶のない分、知ることの多いのは厄介であると再認識しながら、
「名前に深い意味合いはない。多分、店側のセンスじゃないのか」
「そうか?。先ほど、カップル限定と聞いた気が」
「俺も此処に来るのは一度ぐらいだから、俺の知らない間に店がサービスを始めていたら気づけなかっただろうな。しかし、変わった趣向だな」
「誰がくれたんだろう」
「俺も知りたいよ」
ライの好奇心とは違った意味で、寄こした人物を突き止めたいと真剣に即答した。
沈黙が降りてる間に、注文した食事が届いて昼食が始まる。
結局、ラフラブドリンクヲ二人で飲むことはなく(ライに抵抗はないが、公然でこれをするのに抵抗があるルルーシュがいる為)、興味を持ったライだけで飲み干していた。
「じれったいわね」
「会長。ルルーシュが抵抗感なくやれたら、今のルルーシュはいませんって」
残念そうに呟いたミレイに、リヴァルがツッコミ、ニーナはラブラブドリンクを見つめ、ちょっと羨ましげに見ていた。
続く