My being me -⑩-

ライ受けお相手アンケートへ、ぽちりっとありがとうございます。ぼんぼります。
-⑨-の続きで、子犬の出番多い九話。
幼年期ルルーシュ＋ナナリー×ライです。
お話は、続きからになります。

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My being me 理由の欠片をひとつ下さい


「あっ、ジロ」

「？　今、何か・・・」


　ナナリーの声に振り返ると、その元に駆け寄るずぶ濡れた子犬が映る。
　おかけで、泥のついた犬の足跡が点々と続き、せっかく掃除を終えた室内を汚されたこととやけにナナリーに懐いているのもあり、ルルーシュは


「なっ、ちょっと来い」

「あっ、お兄様」


　ぺろぺろとじゃれ付くようにナナリーの顔ほ舐める子犬の後ろ首を掴んで、宙吊りにしたルルーシュに、ナナリーが慌てる。


「お兄様、その子、首輪はしてないけどその乱暴にするのは」


　野良犬が入り込んだと思って追い出されると慌てるナナリーに、もしかして、今まで密かに出かけていたのはこの犬のせいなのではないかと、鋭く子犬を凝視したルルーシュは尋ねる。


「最近、お前の帰りが遅いと思ったら、まさかこの犬が原因か？」

「それは、その」


　合ってるけれど、半分間違ってるとは言い出せず、眉を下げるナナリー。
　ルルーシュの溜息がやけに大きく聞こえ、ナナリーがびくりと肩を震わす。


「心配するな。小動物を手にかけるほど僕は冷淡ではない。だが、一時的にこの場にいることは許可する」

「ほっ本当ですか？」

「ああ、雨がやむまでだからな」

「うん!」

「・・・その前に、まずその濡れた身体を乾かすのが前提だ」


　ルルーシュに頷いて、子犬をせっかく乾かしたタオルで乾かすナナリー。
　その嬉しそうな表情に、ルルーシュも口を緩めたのは、人ではなく動物だったからと安心しただけかもしれない。
　雨はようやく上がり、空に太陽が見えたのは、朝だった。



続く