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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
爆発炎上、事の発端
ええ~、今回どういうわけか、解説者となった俺、リヴァルが実況中継をお送りいたします。
ただいま、生徒会室は、二人を中心にピリピリと電流が走っているように緊迫しております。会長とシャーリーは特に変化のない緊張感に、諦めたようで、普通に生徒会業務に戻っています。
ニーナとカレンは、こんな時に運がいいらしく、まだ生徒会室に来ていません。そして、肝心の原因となっているライは、スザクと一緒に買出しに出かけております。そして、俺は一刻も早く此処から抜け出したいんだけど、何故か此処から動けない状態となっています。
「ナナリー、妹だからと言って、手を抜くつもりはない」
「お兄様とて、私もひけません」
この兄妹が争うなんてこと、誰が考えるでしょう。普段のほのぼのとした兄妹のやり取りは此処にありません。そして、運悪く、ルルーシュの近くにいる俺は、動けない状況でただ逃れたいと会長に視線を送ってみたんだけど、がんばれっと口を動かして、素敵な笑みを向けられました。
普通の状態のときだったら、俺だって素直に喜べるんだけど。
「スザク、また思い出し笑いしてる。そんなに僕の質問が可笑しかったのか?」
「ごめん、違うよ。ただちょっと」
「笑いながら言うことか。生徒会室に入るまでに元に戻してないと、変に見られるぞ」
「わかってるよ」
扉の向こうから希望の声が。神の助けか、ライが帰ってきました。それと同時に兄妹らしく二人の視線もライに同時に映ったことで、和らいでます。因みに、後に続いて入ってきたスザクは、眼中にないようだ。
ライが、此処アッシュフォード学園に来てからも、ちょっとだけ賑やかさが増したけれど(特に女子)、それだけに留まらず、人を寄せ付けない硬い無表情だったあの頃とは比べ物にならず、皆とこうして打ち解けるほどにまでになって、そして、ナナリーとめでたく恋人となったライだったが、まだ問題は残っているんだよな。
言わずも知れた、その原因はルルーシュが主にだけど。
恋人の仲は認められたらしいんだけど、まだお義兄様と呼ばれたくない理由があるらしく、ライの知らぬところで、こうした戦いが始められていた。
「お帰りなさい。買い物はもう済んでしまったのですか?」
車椅子を移動させるようにして最初にライに声をかけてきたのは、ナナリーだった。
「ああ。使用のわからない物がまだ多くて、スザクが付き添っていたから、ある程度の買い物はこなせた」
「ふふっ、そうだね」
通りかかりに、小さく苦笑したスザクに、ライが視線を向けると、笑うのを止めた。まだ記憶の戻っていないライは、俺達よりも、多く覚えることがある。
今まで何処に住んでたろうというくらい、世間体に認知されてる物や食べ物といった事に疎いのは仕方のないことだ。
「生徒会の業務、私もお手伝いできる範囲、手伝ってもいいですか?」
「ナナリーも?」
「はい、やることはあんまりないと思うんですけど、私もライさんの力添えになりたいんです。やらせてもらえませんか?」
「・・・ナナリーからそうした手伝いを言ってくれたのは、嬉しい。だけど、もし出来なかったら、断ってもいいから、あまり無理せずに。それを守ってくれるのなら、君の好意を受け入れよう」
「はい!」
嬉しそうな返事をしたナナリーなんだけど、それよりも驚くものを見た。
うわ、小さくだけどライが笑ってるよ。貴重なものを見た俺は、物音に反応して、顔を向けると、会長とシャーリーが探し物をしている光景を見た。
「会長!、写真は見つかりましたが、肝心のカメラが何処にも」
「ああ~!、こんな時に」
写真に撮りたかったらしい。気持ちは俺にもわかる。ライの笑う顔で貴重だし、それにそれを女の子達に売ればっと、考えを読み取るかのように、ルルーシュが咳払いをした。
「会長、一ついいですか?。イベントの時もそうでしたが、本人の許可なく撮影することは、リヴァルの例があったように、俺なりに考えを導き出した結果、此処での撮影を許可することは出来ない為、カメラは俺が没収させていただきました」
「ええ~!?」
非難の声を上げた、シャーリーに、ルルーシュの目が向いて、慌ててシャーリーは、口を閉ざした。
「前に写真撮ったことなら、後で謝罪したはずでしょ?。現に今写真を撮る機会かなり減ってるから、どうして止めたんですかってファンの子達が、此処まで押しかけて色々大変だったのよ」
ルルーシュの目が厳しくなった為、生徒会の写真を撮って裏で売りさばくなんて事は出来なくなったのは、正直、懐に痛かった。結構売れてから、止めるの惜しかったけどな。
「どんな事情があったとしても、例え生徒会長が許可を出したとしても、副会長であるからに俺には、それを止める義務と権利があります。そこを、忘れないようお願いいたしますよ。会長」
「そう来たか」
ルルーシュとミレイの会話となった中で、シャーリーが見守るので、俺は、其処は任せるとして、気になったナナリーとライの会話に視線を向ける。
周囲がほっといている状態で、いつの間にかいい雰囲気を作っていた。
俺には、背景にハートが散って見えるくらいに甘い空気だ。
ナナリーの恥らうように笑う顔はいいとして、お前はそんな表情も出せるのだなっと言うくらいに、ナナリーを見るライの瞳は、優しく、恋人同士になると普段よりも表情を出すライに、其処まで変えたナナリーを、俺はすごいと思って見ていた。
「ライさんと、こうして肩を並べてお仕事してると、私も生徒会のひとりになった気がします」
「ナナリーが、成長したらそれも叶うんじゃないか」
それを聞いた、ナナリーは、顔を俯かせて、
「私がここに通うとき、ライさんはもう卒業しているんですよね。それは、少し残念です」
「ナナリー・・・」
「私もお兄様みたいに年が近ければ、ライさんと登校したり、ライさんとお昼にお弁当を食べてみたり、一緒に授業を受けたり、出来るんでしょうけど、それは叶わないことなんですね。だから、ちょっとだけお兄様が、羨ましいと考えてしまいます」
「そうだろうか?。僕は、今のままでも十分だと思う」
「どうしてですか?」
そう言って、顔を向けたナナリーに、ライは、
「君と仮に同い年だったら、僕は会えなかったと思うし、今のように恋人になることも難しかったと思うんだ。それに、学校生活を共にすることは確かに出来ないけれど、何処かへと遊びに出かけたり、食事をしたりすることは、今からでも出来ることだ。学校以外での思い出は、今からでも残せることだろう?だから、今のままで十分だ」
「ライさん」
此処、生徒会室だよな?っと、俺は改めて、室内を見回した。
うん間違いなく、生徒会室だと、確認が取れた俺は改めて、ナナリー達を見る。
他の奴らもいるのに、二人の世界を作れるそんな二人が羨ましい。というか、スザク、そんな甘い空気を作っている二人の近くにいるのに、見ることもなく仕事に打ち込んでるお前は、一体何者だと思った。
俺が二人を止めてもいいんだけど、二人の仲を邪魔したとして、罪悪感が襲うこと間違いない。それに、会長やシャーリーから、冷たい視線受けそうだし。
此処はどうしたものかと、俺が悩んでいると、ルルーシュがやってきて、ナナリーとライの間から机に手をつくようにして、間に割り込んだ。
その勇気は賞賛に値する。
傍から見れば、シスコンのルルーシュがナナリーを守る為の行動とも思えるが、実際は、それとは逆だった。
ルルーシュが、ライへと視線を向けて、ナナリーを隠しているので、ライからは見えないのだが、ナナリーが不満そうに眉を寄せているのが俺には見えた。
背後の視線を気にしないようにしてか、ルルーシュが、
「ライ、手が止まってるぞ。ナナリーに構うなとは言わないが、此処は生徒会室だ。二人の時間を過ごしたいというなら、するべきことをしてからにしろ」
「お兄様」
ナナリーの声がかけられたことに、今度はナナリーへと向いたルルーシュが、
「ナナリーまで手を煩わせる必要はない。これは、ライに与えられた仕事だ。引き受けた責任は、ライにあるのだから」
「煩わせるなんて、私は」
「ナナリー、咲世子さんが先ほど呼んでいた。後で、ライもお前の部屋に向かわせるから、部屋で待っていればいいことだろう」
「いつもはそうですけど、偶には私もライさんの力になりたいんです。少しでも手伝えることがあるなら、私もお手伝いをしたいんです」
「わがままを言ってはいけないよ。ナナリー」
水面下ではライをめぐって兄妹争いをしているなどとは知らない、ライは、今はそれを見ているだけ。そこで、俺はすかさず、会長に駆け寄って、
「会長、止めてくださいよ」
「どうして?」
「いや、だって、あれは」
「ライを挟んでのいつものやり取りじゃない。口で言い合ってる程度だし、まあ、ないと思うけど、殴り合いになるとさすがに」
「止めるんですか?」
「生徒会室でも暴れられると、困るわよね。うん、そうね、外でやってもらうわ」
「止めてくださいよ。会長…」
がっくりと頭を垂れたリヴァルに、ミレイが、それよりもあっち見なさいよっと言わんばかりに、笑みを浮かべて指で指し示す。それを追った俺が目にしたのは。
「ライ、明日、用がなければ、生徒会の事でお前と話し」
「あの、予定がなければ、明日付き合ってくれませんか?。私、ライさんとひさしぶりにお買い物に行きたいです」
「買い物に?、予定は特にないけど、ナナリーからの誘いなら断れないな」
その時、何処からともなくゴングが鳴り響いたように聞こえた。結局、恋人であるナナリーの勝利で、兄のルルーシュは、終わったとばかりに、床に両手を着いて、項垂れていた。
転んでもただで起きないルルーシュは、不敵な笑みもこぼしながら、立ち上がると。
「まだだ。俺はまだ諦めてはいない」
ライにそう宣言した。多分、今のライが理解していることがあるとするなら、ナナリーとの仲を兄としてまだ多くを許してはいない、とルルーシュの心情を読んでいると思うが、実際は違う。
ライ、そのことに、早く気づいてくれっと、俺はひそかに望むのだった。
[留め]