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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
理由はすべて、君にある
「ルルーシュ、これは?」
仕事から家に帰ってきたルルーシュが、ブルー系に纏めた花束を、ライに差し出し、それを受け取ったライは、どういうことかと首をかしげる。
上着を椅子へとかけて、ネクタイを緩め、それを解きながら、ルルーシュが答える。
「帰りに、買ってきた」
「女の子達からの貰い物ではないのか?」
「ああ、今日のは違う。俺からお前への贈り物だ。花束の中に、メッセージカードが入ってるから、読んでおけ」
上着と靴下を持って寝室に向かったルルーシュを一瞥して、ライは、花束に埋もれるようにしてあった、一枚のカードを見つけ、それを取り出す。
一言のメッセージがあった。それだけで。
「これは、どういう意味だ?」
寝室から、戻ってきたルルーシュにカードを手にしたまま訊ねると、ルルーシュの眉が顰めて、口を開く。
「花束とカードの指す意味を理解していないのか?」
「カードには、今日を祝い、またお前と過ごした日々をこれからも誓うっと、書いてあったのだが、どういう意味なんだ」
今日は、結婚記念日だと覚えていたルルーシュとそのことすら忘れているライとの間に沈黙が下りた。ルルーシュは、額を手で覆うようにして、
「忘れているか・・・ふふふっ」
「ルルーシュ?」
含むように笑い出したルルーシュに、訝しげに視線を向けるライ。
「何が可笑しい?」
「いや、とりあえず、せっかくの花が枯れてしまっては元もこうもないだろう」
抱えた花束を見たルルーシュの視線を辿って、ライは、返事をすると、カードをテーブルに置くようにして、その場を移動した。
花束を包んだ薄葉紙とアルミホイルとリボンを取り除いて、活ける為の準備を済ませた後、時間を置いて、花瓶に活けるよう、まず三つそれから、一つ一つと花瓶にさしていく。
その作業で花瓶にも華やかさが増していくのだが、背後から近づいた気配に振り返らぬままライは、口にする。
「ルルーシュ?何をしているんだ」
「何もしていない。するとしても、これからだ。ところで、本当に覚えていないのか、もう一度確認をしておきたいのだが」
「さっきも言っていたが、覚えているかと訊ねられても、何のことか僕には見当もつかない」
「やはりな。そうか、それでいい。今の言葉で俺の判断は決まったのだから」
ルルーシュの声が低くなったことに、花束をすべて花瓶に移し終えて、ようやくライは、ルルーシュに振り返る。
「なんの・・・っ」
背中に窓が押し当てられ息を呑む隙もなく、ルルーシュから顔を近づけて、キスをされたライは、突然の事と、花瓶を置いた台の角にぶつかり、花瓶の揺らぐ音とで驚きに抵抗するように僅かに身じろぐ。
それに合わせる様に、ルルーシュがキスをとめて、
「っはぁ、何のつもりだ。ルルーシュ、今日の君は何か変だ」
「そうか?。俺とお前といつもやっていることだろう」
「・・・確かに、そうではあるが、では、あれは何だ。君の背後から、こちらに向けてビデオカメラが光って見えているが」
「ああ、あのビデオカメラは俺の所有物だ。誰の目にも触れることはない。気にするな」
「どうしたんだ。僕が君に訊ねた時から何か君の様子が可笑しい」
「可笑しい?俺だけが知ることに、なんの躊躇いがある。どうしてもとお前がいうのなら、ライ、お前が今日という日の事を思い出したのなら、今すぐにでも止めてやれるぞ」
ライに覆いかぶさるルルーシュの瞳は、笑っているのだが酷く意地悪に口の端をあげる。それを凝視したままライは、非難するかのように名前を呼ぶ。
「っルルーシュ!?」
「考える余裕くらい作れるだろう。もっとも、それが出来ればの話になるが」
そうして、怪しく細めた紫の瞳を至近距離で、揺れるライの瞳を覗きこむように告げる。
「ライ、俺は今以上に不愉快になった事はない。その原因はお前にあると身をもって味わうがいい」
そうして、ルルーシュから唇を合わせた。僅かに身じろいだだけで、だんだんとルルーシュに思考が溶かされていく。
行き場のない手がルルーシュの背中を捕らえて、握り締めたシャツに皺を作る。
それに気づいたルルーシュが、笑うように合わせた口内から吐息が漏れ、その瞳が細まる。
まだ躊躇いはあるものの、目を瞑って眉を下げルルーシュに答えようとしている、健気だとライの表情をその瞳で確認して、ルルーシュも目を閉じその味わいを深めていく。
ジーと微かに聞こえるビデオカメラだけが、その一部始終をそのレンズに映し撮る。
カーテンを開いた、マンションの一室で、密かにルルーシュの仕置きは始まっているのだった。
[留め]