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別プログは、テキスト中心。
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失うためじゃなく、見つけるために
七夕の日、イレブンでは、今日がそう言うらしい。
靴下は下げることはあっても、短冊に願い事を書いて笹にぶら下げるなんて事は、ブリタニア人にはないわけで、だから、七夕であるという実感がわかなかった。
恋人もなく今日も一人で、ヘルメットを持ったまま、サイドカーへと向かった。
時間は、夜。
学園での外に出回る人は少なくても、街に行けば、人も明かりもまだ多くある。
愛車であるサイドカーにまたがって、ヘルメットを頭に固定させるようベルトをしていると、背後から声をかけられた。
「リヴァル、今から帰るのか?」
夜の風景の中に現れたのは、女の子達から、噂の美形だと羨ましいくらいに騒がれてる、ライだった。
夜でも、柔らかな髪が一層際立って、背景にある月を合わさったような銀の瞳と白い肌が浮き立つようで、何でコイツはこんなに絵になるんだっと、リヴァルは目を眇めた。
「お前、こんな時間まで外で歩いてたのか?。出歩くのは個人の自由だけど、会長にあんまり心配かけるなよ」
その瞳もすぐに戻って、いつもの調子で話しかけながら、止まった手を動かし、ハンドルを握った。
「リヴァルは、これから家なのか。随分と帰りが遅いようだが」
「今日はな、そうだよ。それよりも、お前とルルーシュが席はずしている間に、生徒会の祭り終わったぜ」
「生徒会の祭り?今日は、何かイベントがあったのか」
「いつもの会長の発案だけどな、七夕祭りてやつだ。ちょうど天気も星を見るのには最適な日だったし」
空を見上げたリヴァルの視線を追うように、ライも空を見上げる。
今日という七夕の日に、年に一度だけ会える男女の話を、聞かされていたが、夜空に浮かぶいくつもある輝きの中から、それらを見つけるのは難しい。
地上で、たった一つの記憶を手がかりを探すのに、未だたどり着かないというのに、ミレイが言うような恋しいと思う相手と、出会う日が訪れるのだろうかとふと、浮かんだ考えを頭の中で切り替えるようにして、空からリヴァルへと視線を変えた。
「七夕、君達もやっていたのか」
「会長からのお誘いだしって。そンなことより、ルルーシュもそうだけど、お前も偶には生徒会室に顔出せよな。会長お前が来ないって溜息ついてたし」
「溜息?」
「そうだぜ。お前が留守の間、俺にまで、生徒会業務多くまわって来るんだよ。俺が書類作業得意じゃないの、お前もわかるだろ。だから、お前らの力が要るんだよ。生徒会には。俺じゃ残念ながら力に及ばない」
それを聞いて、ライが、眼を伏せて、
「・・・・それは、すまないとは思っている」
「そう思うんなら、頭の隅にでも入れとけよな。まあ、お前も記憶探しにと色々事情があるわけだし、忠告してみただけだ」
「ああ・・・」
エンジンをかけて、ゴーグルをつけたリヴァルに、ライの呼び声がかかると同時に、何かを持ったまま差し出すその手を見て、
「? これ、なんだよ?」
「七夕に作ったもので、君におみあげだ」
「七夕にねぇ、まあ、なんか良くわかんねぇけど、サンキュー。じゃあな、おやすみ」
「ああ、気をつけて」
リヴァルがにっこりと手を振ってそれに答えると、次に正面を向いて、サイドカーに乗ったまま、校門から走っていった。
ライが、差し出したのは、折鶴だった。
その意味は、家族がいつも元気であり、長生きしますように。
ライが、黒の騎士団で白の短冊に願ったのは、記憶が戻っても、゛僕が今の僕を忘れませんように゛っとの願いを込めて。
星空はいつもどおりのきらきらと小さな存在を遠くに作って、瞬いている。
散らばるような光の粒を暗闇に確認して、ライは、学園にあるクラブハウスへとそっと足を踏み出したいった。
[留め]