コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
★ カテゴリー
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----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
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★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
★ お気に入り
★2009/12/28 (Mon)
冷えゆく世界に温もりを
イルミネーション彩る街の中、大きなもみの木の前で人待ちしているのは、長い髪の少女の姿があった。
外の寒さと僅かに浮かぶ高揚が頬を僅かながらに薄桃色に色づきながらも待っていたのは、シャーリーだった。
時刻は、八時四十五分。
クリスマスまで、もう少し。
念願のライとのデート、の約束を取り付けて、気持ちの先走りにより早くに着いてしまったシャーリーは、愛する人へと用意したプレゼントを嬉しそうに抱えて待っていた。
プレゼントを選ぶ中で、何をプレゼントしたら喜んでもらえるだろうと色々考えた。
贈る相手の顔を想像しながら、選ぶ品物も楽しいけれど、手作りも捨てがたい。
売られているものよりは見劣りはするかもしれないけれど、人の手によって創られたものにはその人独特の形があり、温かみが出るのだ。
そう言った意味で、手作りというのは情がはいってひかれるという反応もあると聞いたけれど、それは人によりけりだということも知っている。
記憶喪失になる以前のライが、どんな人物だったのかはわからないけれど、今のライは手作りに抵抗感はないように思える。
作ったことには、後悔はないけれどやはり、どんな反応が返るのかと期待と不安を同時に抱え込んだまま、身体に感じる冷たさを紛らわすように両手をこすり、吐息で温めた。
「よし!」
一人で勝手に気合を入れて、シャーリーは、人の行きかう流れを見やる。
光景は見慣れた事だけど、イベントの浮き立った気持ちがそうさせるのか、彩を沿え華やかさを増した周りの雰囲気がそうさせるのか、いつもよりも楽しげでそれでいてひっそりとした寂しさを併せ持つのが不思議に思えた。
人の声と音楽がとけあい、その場に賑やかさを齎す。
不意に吹いた風の冷たさにシャーリーは、小さく震え口元からこぼれた白い息が夜にも目に見える形で消えゆくように、空気に流れていく。
それを追いかけてるうちに予感みたいなものを感じて、前を見据えると、たくさんある人混みの中からたった一人を見つけて、嬉しそうに笑顔を向けるのだった。
待ち合わせの場所からコンサート会場へと向かった後の帰り道で、二人で公園に寄っていた。
ベンチに腰掛けるようにして、談話からプレゼントの交換へと変わっていた。
差し出されたライからの贈り物に、心底嬉しそうにシャーリーが受け取る。
「ありがとう、ライ。開けてみてもいい?」
頷いたライを待てずにキラキラと輝きを帯びたシャーリーに、小さく笑うのだが、それに気づくことなくプレゼント包装を開くと、ジュエリーケースがあった。
艶やかな色味を帯びたケースを、そっと手にとって中を開けてみると、ひっそり物思いに小さな星を見上げる猫と月、その物語から抜け出たようなやさしい雰囲気のペンダントが、ほのかにけれど目を奪われる形でそこにあった。
「可愛い」
そんな感想がシャーリーの口からこぼれていて、大切にケースの中からペンダントを手にとって、ライへと振り向くと、
「ありがとう。大事にするね」
にっこりと微笑むシャーリーは、手に取ったペンダントをケースの中にしまってから、
「私もね。用意してたんだけど」
シャーリーから貰えるとは思ってなかったらしく、小さく首を傾げたライに笑うと、横においていた袋からプレゼントを取り出した。
「えっと、形は悪いと思うけど、笑わないでね」
照れ交じりに差し出された手作りに、ライの瞳が驚いたけれど、その瞳に拒絶の色は無く、シャーリーの不安をも溶かすように、優しげに細まっていた。
シャーリーの手から手袋を受け取ったライは、その自分よりも細い手が冷たいままであるということに気づく。
「冷たいな」
「えっ?、ああ、うん。私のはね、おそろいにしようと思ってたんだけど、間に合わなくて」
置いてきたままだと苦笑するシャーリーに、手を重ねたまま、考えるように眼を伏せるライは、
「つけてもいいだろうか」
「うん」
喜んで頷いたシャーリーから、手袋を受け取りその手につけてシャーリーへと見せるように、
「少し大きいが、今の季節には温かい」
「うーん、やっぱりもう一回り小さくしておけば良かったよね」
少し大きかった事が気になるらしく、なにやら考えるようにぶちぶちと小言をもらすシャーリーに、微苦笑したライは、
「ありがとう」
頬を染めたままのシャーリーにそう返した。
一瞬の出来事だった。
こめかみにキスをされたことに驚いたせいか、それともライの笑みを見たせいか、呆然としたままシャーリーの顔は耳まで赤くなっていた。
「手はまだ冷たいか?。確か、摩擦で熱が上がると聞いた事がある、効果があるかは試したことは無いがやってみる価値はあるだろう」
シャーリーの両手を手袋をした手で包むようにして、温もりを分け与えるように擦る。
時折驚くほど大胆であるけれど、元からあった性格なのか、今あるライだからか、こうした可愛い一面を見せることに、安堵する。
慣れではなく天然だからなのだと安心するからだった。
けれど、言わなくてはならない事があるのも事実。
「ねぇ、ライ。今したことなんだけど」
「今?」
「その、キスしたり、今みたいに手に触れたりすることだよ」
「ああ」
「・・・私以外の人にやっちゃ駄目だよ?」
「何故だ?」
「何故って、女の子皆勘違いさせちゃうから!」
「勘違い?」
何を勘違いさせるのか理解しきれてないライに、
「ライが他の子とそういうことしてると、私が困るの。不安になるから」
「それは、嫌だな」
「だから、ほかの子とは絶対にやっちゃ駄目だよ」
「心配は無い」
「どうして?」
「恋人となってから触れたいと思ったのは、シャーリーだけだ」
「・・・本当に?」
「信用されてないのか?」
「そういうわけじゃないけど(ライが優しいのはわかっているけど、その優しさに触れて好きになる子か増えていく中で結ばれたからかな。いつか今ある幸せも消えてなくなるんじゃないかって不安になるのって、考えすぎなのかな)」
思案にふけるシャーリーの包んだ手をぎゅっと握り締めたライに、シャーリーが顔を向けると
「過去を失ってしまった僕には、何が残せるかはわからないけれど、大切なものはできた。シャーリー・フェネット、僕が愛した人の名前だ」
その言葉だけで、何も言えなくなってしまった。
それは、惚れた弱みであるがゆえ、真顔で言ってのけるライに、シャーリーはもう一度好きだと思ったからだった。
少しずつ暖かくなった手と共にシャーリーの頬を色づけて、言葉もなく目を閉じると、二人の距離は縮まった。
どこかで十二時を告げる鐘の音とクリスマスの音色を聞いた気がしたけれど、シャーリーの胸にあるのは幸福感だけだった。
[留め]
イルミネーション彩る街の中、大きなもみの木の前で人待ちしているのは、長い髪の少女の姿があった。
外の寒さと僅かに浮かぶ高揚が頬を僅かながらに薄桃色に色づきながらも待っていたのは、シャーリーだった。
時刻は、八時四十五分。
クリスマスまで、もう少し。
念願のライとのデート、の約束を取り付けて、気持ちの先走りにより早くに着いてしまったシャーリーは、愛する人へと用意したプレゼントを嬉しそうに抱えて待っていた。
プレゼントを選ぶ中で、何をプレゼントしたら喜んでもらえるだろうと色々考えた。
贈る相手の顔を想像しながら、選ぶ品物も楽しいけれど、手作りも捨てがたい。
売られているものよりは見劣りはするかもしれないけれど、人の手によって創られたものにはその人独特の形があり、温かみが出るのだ。
そう言った意味で、手作りというのは情がはいってひかれるという反応もあると聞いたけれど、それは人によりけりだということも知っている。
記憶喪失になる以前のライが、どんな人物だったのかはわからないけれど、今のライは手作りに抵抗感はないように思える。
作ったことには、後悔はないけれどやはり、どんな反応が返るのかと期待と不安を同時に抱え込んだまま、身体に感じる冷たさを紛らわすように両手をこすり、吐息で温めた。
「よし!」
一人で勝手に気合を入れて、シャーリーは、人の行きかう流れを見やる。
光景は見慣れた事だけど、イベントの浮き立った気持ちがそうさせるのか、彩を沿え華やかさを増した周りの雰囲気がそうさせるのか、いつもよりも楽しげでそれでいてひっそりとした寂しさを併せ持つのが不思議に思えた。
人の声と音楽がとけあい、その場に賑やかさを齎す。
不意に吹いた風の冷たさにシャーリーは、小さく震え口元からこぼれた白い息が夜にも目に見える形で消えゆくように、空気に流れていく。
それを追いかけてるうちに予感みたいなものを感じて、前を見据えると、たくさんある人混みの中からたった一人を見つけて、嬉しそうに笑顔を向けるのだった。
待ち合わせの場所からコンサート会場へと向かった後の帰り道で、二人で公園に寄っていた。
ベンチに腰掛けるようにして、談話からプレゼントの交換へと変わっていた。
差し出されたライからの贈り物に、心底嬉しそうにシャーリーが受け取る。
「ありがとう、ライ。開けてみてもいい?」
頷いたライを待てずにキラキラと輝きを帯びたシャーリーに、小さく笑うのだが、それに気づくことなくプレゼント包装を開くと、ジュエリーケースがあった。
艶やかな色味を帯びたケースを、そっと手にとって中を開けてみると、ひっそり物思いに小さな星を見上げる猫と月、その物語から抜け出たようなやさしい雰囲気のペンダントが、ほのかにけれど目を奪われる形でそこにあった。
「可愛い」
そんな感想がシャーリーの口からこぼれていて、大切にケースの中からペンダントを手にとって、ライへと振り向くと、
「ありがとう。大事にするね」
にっこりと微笑むシャーリーは、手に取ったペンダントをケースの中にしまってから、
「私もね。用意してたんだけど」
シャーリーから貰えるとは思ってなかったらしく、小さく首を傾げたライに笑うと、横においていた袋からプレゼントを取り出した。
「えっと、形は悪いと思うけど、笑わないでね」
照れ交じりに差し出された手作りに、ライの瞳が驚いたけれど、その瞳に拒絶の色は無く、シャーリーの不安をも溶かすように、優しげに細まっていた。
シャーリーの手から手袋を受け取ったライは、その自分よりも細い手が冷たいままであるということに気づく。
「冷たいな」
「えっ?、ああ、うん。私のはね、おそろいにしようと思ってたんだけど、間に合わなくて」
置いてきたままだと苦笑するシャーリーに、手を重ねたまま、考えるように眼を伏せるライは、
「つけてもいいだろうか」
「うん」
喜んで頷いたシャーリーから、手袋を受け取りその手につけてシャーリーへと見せるように、
「少し大きいが、今の季節には温かい」
「うーん、やっぱりもう一回り小さくしておけば良かったよね」
少し大きかった事が気になるらしく、なにやら考えるようにぶちぶちと小言をもらすシャーリーに、微苦笑したライは、
「ありがとう」
頬を染めたままのシャーリーにそう返した。
一瞬の出来事だった。
こめかみにキスをされたことに驚いたせいか、それともライの笑みを見たせいか、呆然としたままシャーリーの顔は耳まで赤くなっていた。
「手はまだ冷たいか?。確か、摩擦で熱が上がると聞いた事がある、効果があるかは試したことは無いがやってみる価値はあるだろう」
シャーリーの両手を手袋をした手で包むようにして、温もりを分け与えるように擦る。
時折驚くほど大胆であるけれど、元からあった性格なのか、今あるライだからか、こうした可愛い一面を見せることに、安堵する。
慣れではなく天然だからなのだと安心するからだった。
けれど、言わなくてはならない事があるのも事実。
「ねぇ、ライ。今したことなんだけど」
「今?」
「その、キスしたり、今みたいに手に触れたりすることだよ」
「ああ」
「・・・私以外の人にやっちゃ駄目だよ?」
「何故だ?」
「何故って、女の子皆勘違いさせちゃうから!」
「勘違い?」
何を勘違いさせるのか理解しきれてないライに、
「ライが他の子とそういうことしてると、私が困るの。不安になるから」
「それは、嫌だな」
「だから、ほかの子とは絶対にやっちゃ駄目だよ」
「心配は無い」
「どうして?」
「恋人となってから触れたいと思ったのは、シャーリーだけだ」
「・・・本当に?」
「信用されてないのか?」
「そういうわけじゃないけど(ライが優しいのはわかっているけど、その優しさに触れて好きになる子か増えていく中で結ばれたからかな。いつか今ある幸せも消えてなくなるんじゃないかって不安になるのって、考えすぎなのかな)」
思案にふけるシャーリーの包んだ手をぎゅっと握り締めたライに、シャーリーが顔を向けると
「過去を失ってしまった僕には、何が残せるかはわからないけれど、大切なものはできた。シャーリー・フェネット、僕が愛した人の名前だ」
その言葉だけで、何も言えなくなってしまった。
それは、惚れた弱みであるがゆえ、真顔で言ってのけるライに、シャーリーはもう一度好きだと思ったからだった。
少しずつ暖かくなった手と共にシャーリーの頬を色づけて、言葉もなく目を閉じると、二人の距離は縮まった。
どこかで十二時を告げる鐘の音とクリスマスの音色を聞いた気がしたけれど、シャーリーの胸にあるのは幸福感だけだった。
[留め]
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