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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2008/09/23 (Tue)
お礼話。 黒の騎士団編。
黒の騎士団のメンツが一部出ています。

ゼロ&ルルーシュ×ライ(LC主人公)です。
お話は続きからになります。
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海の贈り物


   波の匂いと風が吹き抜けていく。


「どうだ。此処に来ての感想は?」


 問いかけられた声に振り返ると、黒いマントに仮面を被った男がライの目に映る。


「ああ」
 そう言って、視線を海へとやると、カレン達が海の中に素肌を浸しながら遊んでいるのが見えた。彼らは水着ではなく濡れないよう上へと半分まで折った所から素肌が覗き、肌をぬらす。その楽しげな光景から視界は、陸へと移り、浜辺でビーチパラソルの下、椅子に座ったラクシャータとディートハルトが各々の時間を過ごす光景を見た後、ゼロへと視線を変えた。


「皆楽しそうで、良かった事に思う」


 そう嬉しそうに目を細めて答えたライへゼロが問いかける。


「私が言いたいのは、皆の事ではなく、お前自身の意見だ」


 語尾を若干強めて言ったゼロへちょっと驚いたように目を見開いて、ライがカレン達へと視線を定めたまま答える。


「・・・そうだな。任務とはいえ、こんなにまじかで海を見られた事は、嬉しかった。普段は緊迫感や緊張といったものでピリピリとした空気感はぬぐいきれないから、たまにはこうして、息抜きの時間を持つのも大事なことだ。だから、ゼロが先行として、こういった所につれられてきたのも、含めて嬉しかったとそう思う」


 話の途中にゼロへと向けた言葉は、ゼロを通して誰かに言った言葉のようだが、仮面越しのゼロの表情はライには見えなかったが、息を呑んだ事はライにも自然と理解できた。

 


「おーーーーいーーーっっ!!!ライ、お前もこっちきたらどうだー!!」


 
 遠くから両手を大きく振りながら玉城が、ライに呼びかける声に重なるようにカレン達が言葉を添える、それを見たライが少し笑うのを見届けて、ゼロがライへと近寄った。
 振り返ったライの後ろから背中を押すようにして言葉をかけた。


「呼んでるぞ。見てるだけじゃなく、参加してみたらどうだ?」


 ゼロはその後一言つけて、マントを翻すようにして、ライの元を立ち去った。
 視線をゼロへと向けたままのライへ、玉城が焦れたそうに言葉をかけたのに、答えるように視線を戻したライは濡れないように対処してから、海の中をバシャバシャっと小さく波をたてながら、カレン達のいる方へと歩き進める。水に入る前一瞬ゼロを確認するよう振り返った。

 

 

 夜の砂浜を転々と足跡を残しながら、歩いていく人影があった。
 海は夜と昼とでは雰囲気が違って、明るい青から暗い青に見えるけれど、その下はどちらも同じ色合いのようで、誰かを思い浮かべたのか、不意にライの口元に笑みが浮かぶ。そうしながら、砂場に来る前の事を思い出していた。


「お前に言伝だ。アイツが話がある、海岸で落ち合おうと、言っていたぞ」


 皆の所に向かう途中で引き止められたライへと、C.C.が続けて「ちゃんと行っておけ。・・・でないと、私が伝えてない事で後々やっかいになるからな」と普段と変らない様子で釘を刺してから、ライの横を通り過ぎた、ライはその姿を目で追いながら、少しだけ考えるようにして、足を移動した。
 C.C.が振り向きざま、少しだけ面白そうに笑みを浮かべたのを、ライは知らない。

 


 立ち止ったライの耳には、繰り返される波の音と、僅かに何処からか聞こえる虫の声以外、届いてない。
 ライから離れた場所では皆の声が聞こえてきそうもないほど、波の音の方が大きく入り込む。
 普段は、打ち合わせ等ゼロと話を交わすときは、司令室が主となっているはずなのだが、海岸にわざわざ呼び出したのは、そのことなのだろうかっと考えに耽るライへと近づく気配があった。


「ゼロ・・・」


 気配に振り返ったライの視界に、昼間と同じ装いのゼロがそこに立っていた。


「待たせて悪かった。早速だが、今から場所を移る。ついてこい」


 ゼロがライの言葉を待たずに、ライの前を歩いていくと、ライが声に不審に思いながらも、後を追う様にしてついていく。言いたいことは、目的についてから、言おうと言葉を飲み込んで。

 


 海岸の砂場から岩場のある端のほうへとたどり着いた、ライは月を見上げた。
 曇ったせいか、暗い光景から少しだけ色が見える海と白い砂浜が明るい空気と影を作る。
 ついていったはずのゼロを曲がり角になった途中で見失って、ゼロを 探すように視線さまよわすと、ライと名前を呼ばれた気がして、声の方を振り返った。
 見ると、ゼロとは違う仮面にマントのように長いコート姿のルルーシュだった。
 驚いた様子のライへと、歩み寄りながら、仮面ではないお面を上へとずらした顔は、やはり、ルルーシュで何かを含んでように目を細めて、ライの前で立ち止まる。


「随分と驚くな。そんなにこの姿が珍しいのか」


「いや、声に違和感を覚えたから、ある程度予想はあったが、その姿で出歩いて来るとは思わなかった」


 そういいながら、声に怒りめいた感情をのせたライは、心配に危惧してあっての事だろうと、感情から汲み取ったルルーシュが安心させるように、言葉を言う。


「心配するな。きちんと手配はしてある。それよりも、お前に確認してもらいたい所は、別にある。ついて来てくれ」


「ついてこい。と言うばかりでは、何もわからない」


「そうだな。だが、見たほうが、状況的に説明しやすいだろ」


 今度は。ルルーシュに誘導されるように、後を続くライ。
 二人を月明かりだけが見守っているように照らしていた。

 

 ルルーシュが、此処だと教えた場所は岩にはさまれた小さな穴で、そこへ屈むようにしてルルーシュがライへと視線で先を促すと、ライが戸惑いながらも、入り口へと身を屈めて中へと入り込んだ。
 入る際ルルーシュから手渡された懐中電灯を片手に前を照らしながら、細く狭い道を頭上に触れないように注意しながら進めて行くと、遠くから出口を見つけてそこから出ると、広い空間にたどり着いた。
 今度は立ってもぶつかることのない空間に背伸びするようにゆっくり立ち上がって、それらを見上げた。水に半分くらい浸した様にそこにあったのは、大きな見たことの無い武装のナイトメアフレームだった。


「これは、水中でも戦えるように、ラクシャータに作らせた最新式だ。初めて見たのは、俺とC.C.とライ、お前くらいだ」


 ライに続くようにして、後から出たルルーシュがライの疑問に答えるように説明し始めた。


「まだ、試作段階だが、いづれはこれを、団員達が使えるようにする前に、まずは試乗して、これの効果がどれほどか、お前に見せてもらいたいと思っている」


「その為に、此処につれてきたのか?」


 ゼロのような口調に返ったルルーシュの言葉にライが声をかけると、ルルーシュは黙ったまま、奥へと進む。
 いくらか進んで行き止まりの場所に出ると、ルルーシュが立ち止まった姿があった。
 近くで置いたコートとお面を目にして、ライがルルーシュに近寄った。


「ルルー・・・」

「・・・お前に見せたかったのは、別にあるものだ」


 いつものルルーシュの声に、何処か優しさを含めて、水辺の前に屈むようにしたルルーシュへと、えっと視線を向けるが、影となって表情がライからは見えなかった。


「ライ、明かりを消して、水面を見てくれ」


 至極真剣な声色だったので、ライが電源を消すと、ルルーシュに不審に思いながらもそれに従う。
 すると、そこにマリンブルーの光の帯が広がって出来た。
 ルルーシュが水面に手を浸してゆらゆら撫ぜるようにすると、鮮明な青白く発光しルルーシュの手にまといつくように、そこにあり、また青白く印象を残したままの光の名残の繰り返しが、神秘的にライの瞳に映った。


「これは?」


 不思議そうにしたライへ答えるように、ルルーシュが口を開いた。


「ウミホタルだ。甲殻類の仲間で体長は3mm程度の生物、魚など生物の死骸を食べて生きてる。何らかの刺激を受けると、発光液を放出するそうだ、発光促進酵素と海水中の酸素と変化して、出来たエネルギーの一部が青白い可視光として放出されるだが、その発光理由は分かってないようだが・・・」


「調べたのか?」


「いや・・・C.C.が口にしていたのを、覚えていただけだ」


 そう言って手の水を切って、ルルーシュが立ち上がった。水面に僅かに光が数秒たって消えていったが、あの鮮明な光は今も脳から消えず印象深く残っていた。


「さて、戻るか。そろそろ、C.C.が不満を漏らす頃合だからな」


 不思議そうにしたライへと、手を伸ばして告げたルルーシュの手を取って、それにフッと笑みを浮かべるルルーシュにライがその手にひかれながら、不意に思った疑問を口にした。


「ん、ナイトメアフレームの事は理解できたが、何故僕にだけ、ウミホタルの事を教えたんだ?」


 それに答えることなく、後ろ手に手の握る力を強めてルルーシュが言った。


「昼間、礼を言いそびれた、その代わりだ」


 ちらっと見えた横顔は照れたように赤みを帯びたのが、見えてライがやんわりと笑った。
 洞窟を出た二人はしばらく黙ったまま歩いた。淡くそれでも強く地上を照らす月光、砂浜に出来た二つの影が、離れることなく並んで、押し寄せる波の音と微かに聞こえる虫の声を背景に、静かな時間の流れが彼らを優しく包んでいるようだった。


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