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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
勝負の行方
屋敷内の一室で、フリルのついたスカートは動きに合わせるようにひらひらと波打つように動いて、後ろから前へと向いて、ノネットが、それを見て満足げに笑みを浮かべた。
「なかなかよく似合ってるぞ。表情が少し硬くなければもっといいのだろうが」
「嬉しくありませんよ。この格好で言われても」
「そうか。純粋に褒めているのだがな」
ノネットの実家にて、休日にと、貴族らしく広々とした室内には、数多くの部屋があり、仕事に鍛えるためのジムやプールの他、またそれ以外に娯楽室の部屋もあり、本日は、そこで、ビリヤードをしていたノネットを横から見ていたライは、色とりどりに着色されてた的球があり、キュー先に取り付けられたタップで手球に触れて撞くと、コロコロと回って、壁に幾つか跳ね返り、うまい具合に一つの的球をポケットと呼ばれる穴へと落としていく、それを、関心したようにライが口にした。
「面白い動きですね。それは」
「そう思うなら、見るのでなく、やってみてはどうだ?」
その呟きに、ノネットがライの方へと振り返った。
「やったことは有りませんよ」
「はじめは皆そうだろう?。来い、実践交えて教えてやろう」
そう言って、半ば強引に腕を掴まれ、台の前へと連れられ、キューを持たされた。
ビリヤートのやり方を教えられながら、ライは、見よう見まねで何回かやってみた後。
「どうだ、やってみた感想は?」
「実際にやってみるのと、認識が変わりますから、難しいですね」
「そうだろう。それにしては、体で覚えていくのは早いように思うが」
「ああ、でも、少しずつやっていけば、上達していくかもしれませんね」
ライの言葉に、悪戯を思いついたようにノネットはにやりと笑うと、
「では、こうしよう。私が全て落とす間に、一回でもポケットに落とすことが出来れば、お前の言う望みを一つ叶えてやろうじゃないか」
「それじゃ、ハンデが違いすぎませんか?」
「おや?なんだ。私との勝負は、もう目に見えてるような言い方だな」
「いえ、そう言うつもりでは」
「あはは!。まぁ、良い。私が勝てばお前にも何か考えおかなければならんな」
「え、ノネットさんも」
「賭けなのだ。当然だろ?。そうだな。何か、ああ、イイのがあった。私の屋敷で働く彼女達のために、感謝をこめて、偶に贈り物を渡すのだが、丁度、いい品を見つけて最近取り寄せたのはいいが、まだ、直接確認してはいないから、アレを少しお前でためさせてもらおうか」
「それはどんな物を」
「それを言っては、面白みがないであろう。それよりも、勝負を始めようじゃないか。先行は簡単にコインで決めようか。これならば、文句はあるまい」
結果がわからないわけではなかったが、ノネットに負けてしまったのは、経験の違いから多少なりとも理解はしていた。が、こんなことになるのであれば、もう少しきちんと覚えて練習をさせてもらえば、いや、賭けの条件をよく聞いてから、辞退していればという後悔が芽生えたが、今となってはどうしようもない。
「彼女達と聞いてはいたが、この格好になるとは」
そう言って、試着した服を見た。
ロングメイド服とはいえ、スカートを履いてるのは、気恥ずかしい。ご丁寧にも、レース付きのカチューシャが頭に飾り、そして、見えないところにもメイド達と同じものを着せられ、ライとしては、今すぐにでも、着替えてしまいのだが、賭けの約束の手前、それは出来なかった。
それにしても、女性用のものであるはずなのに、何故男であるライにも、体格さもあるのだから、こんなにもすんなりと入るのは、おかしいと考えたが、自分の知らないところで何かが行われようとしていたのかと思うと、聞くのが恐くなった。
「沈んだ顔だな。スタイルが気になるなら、詰め物でも用意させておこうか」
「いえ、大丈夫です。そんなことを、気にしてませんから」
「しかしな、もう少し愛想が出来ないか?。それでは、来たる客人方に会わせるのは難しくなる」
「え、客人って、どういうことですか!。これは、貴方の前だけで見せるだけの格好では無いんですか?」
「ん?いつそうだと決めたんだ?。せっかく可愛く出来た姿だ。他のものにも見せてやりたいところだ。それにいい時に、今日はパーティーも控えてある、都合がいいではないか」
「この格好で、パーティーに、ですか」
「ああ、遠慮はするな。そうだ、接待する際に、飲み込みが早いお前なら、すぐに覚えるだろうから、一からメイドの基礎を教え込むように、彼女達に話をつけておこう」
「まっ、待ってください!。そんな、事をいきなり、進められても」
「最近、彼女たちも、退屈していたからな。いい刺激になるだろう」
「ノネットさん!」
既に、行動へと動くノネットを引き止めるように、ライが声をかける。
「ライ。しっかりと学んでおけ。これも、いい経験だぞ。ああ、そうだ、文句なら、パーティーの後でゆっくりと、感想を交えて聞こうか。では、またな」
出て行ったノネットは、妙に楽しそうだったが、置いてけぼりにされたライは、逆に沈んでいた。
それからさらに、何故か嬉しそうなメイド達により教え込まれたライは、屈辱的な服装のまま、招待を受けた客人たちの、給仕と来客の取次ぎ、接客をすることになった。
男女の客人たちに、好奇の視線に晒されたが、特に何かを言ってくるものはなく、男が女装しているのだと気づかなかったのか、背の高いメイドとでも思われてのか、ライには、知ることはできなかったが、バレなかった事にはほっとしたが、内心複雑なものはあった。
問題なく進められたのは、一重に露出の少ない服装と、断ったのに押し切られるように入れられた詰め物と、メイド達による化粧が良かった所為だったのかもしれない。
それでも、ちゃんと教えたとおりに動く自分の体をライは、心のうちで涙していたが、パーティーではなく、尋ねられれば笑顔で楽しそうに、ライの事を紹介するノネットさんに、文句を言う口もなかった。
ただ、気力だけが、ライの体を少しずつ削いでいった。
【留め】