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バレンタインデー、リヴァル篇。片思いなお話。
リヴァル×ライ(LC主人公)です。
続きからになります。
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まとわりつく不要なものの数々
空は、晴れていた。
だが、バイクにまたがったまま、ため息をついた制服姿の男がいた。リヴァルだ。
「なにやってるんだ。俺は」
?」
心の迷いに、そんな事をぼそりと誰に言うわけでもなく、口にしていたのだが、運よく、それを拾う声があった。
?」
「どうしたんだ。リヴァル?」
幻の美形と密かに噂されるが、本人にその自覚がまったく無いある意味罪作りな男、ライが同じように制服姿のまま、リヴァルの方へと近づいてきた。
確認にしなくても、立ち姿から、歩く姿まで育ちの良さと綺麗があるというのは、認めるが、それをわざわざ口にするのは、リヴァルのキャラではないし、なにより、そういう言葉は、ライと同じくらい天然なところがあるスザクぐらいのものだろう。
「ん、おぉ!よく来た最愛の友よ。今日はお前に会いに来たんだぜ」
リヴァルの冗談にも、真面目なライには、それが伝わらず。
「?」
「いや、だから、そこで、スルーするなよ。まぁいいけど。んで、お前は、成果の方はどうだったんだよ。たくさん貰ったのか。やっぱり」
「今日?今日は何かあったのか?」
「・・・それ、マジで言ってる?」
「ああ。それに、何かを貰うような事は何もしていない」
真面目にそんなことを言うライに、リヴァルは、大げさなくらい深いため息をついて、
「貰うてのは、チョコの事だよ。今日は、男にとっても、女の子にとっても重要なイベントでもある、バレンタインデー。それで、チョコを誰かにあげたり貰ったりするんだよ。友達だったり、義理だったり、自分用に買うてのもあるけど、一番は、異性から異性に愛の告白に送るって言うのか、本当で、すきって気持ちをこういう機会に伝えるんだ。女の子から俺ら男子にだったり、男から逆に女の子に送ったり、それが、今日あるバレンタインデーだよ」
「ああ、それで、周りがやけに騒がしかったのか」
「気にならなかったのか?」
「いや、気にならない事もなかったが、ミレイさんが、今日は誰かに物を貰うと思うから、それは必ず受け取る事だと、学校に来る前に言われていたんだ。理由を聞けば、話せば、何故か、僕へのせっかくのチャンスがふいになるから言えない、と聞いていたのだが」
「会長~・・」
リヴァルは、嘆くように独り言をもらした。
何故ミレイが、そんなことを言ったのか、ライが不在のときのシャーリー達と話すのを耳にしていたので、リヴァルはわかっていた。
面白い事が好きなあの人らしいことだが、ライの反応を見て楽しんでるというより、今日のは、ライの恋に本人以上におせっかいになっているミレイのことだ、そこで恋のひとつでもきっかけとして始まればと踏んでいるに違いないと。
「それで、その言葉通り、チョコは受け取ったんだろ」
「いや、それが、見知らぬ女生徒や男子生徒、あるいは教師が何かを持って近づいてくると、スザクをはじめ、ルルーシュ、ロロ、ジノっと、事あるごとに用事を持って来て、話しかけてくるものだから、何も誰からも受け取った事は残念ながらないんだ」
「・・・・・へぇ」
天然なライには、その意味するものがわかってはいないようだったが、リヴァルはそれだけを聞いて、わかってしまった。
多分、ルルーシュ達の行動は、わかっててやっているのが、大半なんだろうと。
勇気を持ってライに、近づいていったのに、横から掻っ攫われた特に、女の子達に、同情した。そして、女の子からきっと貰える可能性は、リヴァルより高いだろう、ルルーシュ達が、何故、進んで邪魔をしようとしているのか、そこまで、リヴァルは、理解できていなかった。
「とにかくさ、お前も俺も一個もチョコは無い、ということは、今だけ同士ってことなんだよな」
「今だけ?、何故わざわざ、同士にする必要があるんだ」
「それは・・・、いや、わからなくていい。今は。一人でも多く仲間が、なるべく身近にいるってことが重要なんだ。それが、救いにもなる。多分、俺と同じ考えのやつが、いるはずだろうしな」
「・・・リヴァル?今から、出かけるのか?」
「ん、ああ、バイク飛ばしたら、ちょっとは頭の中スッキリするかもって思ったら、バイク乗りたくなって」
「スッキリする・・・」
「そだ。なんなら、お前も乗ってみるか?行きたい場所があるなら、連れて行くけど」
「行きたい場所に、行くのか?」
出発する気満々にバイクのエンジンをかけながら、リヴァルは、
「おう。ただ、走るそれも気分的にスッキリ出来て気持ちいいけど。目的を決めておくのも楽しいだろ」
どうすると、問いかけてくるリヴァルの視線を受けて、リヴァルから手渡しされたそれを目にして伏せてから、顔をあげるようにして、ライは、
「目的地は・・・」
「?」
「目的地は、無くて構わないと言うのなら、リヴァルの言う゛ちょっと、頭の中スッキリ出来て気持ちいい゛というのが、やりたくなった」
何か照れたように、リヴァルらしい笑い顔で、ライに準備を促すと、バイクを飛ばしていった。
青い空の下で、長い道をバイクに、二人を乗せたまま、風だけが二人の肌を撫ぜていった。
[留め]