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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
BL書けて、うきうき。積極的な年下でも面白いかと書いてみたら、ちょっとライに悪いなと思うものになってしまった。
ジノ×ライ(LC主人公)です。
続きからになります。
拍手を送る
チョコレートに溶かして
追い求めるような黄色い声を背中越しに、浴びながら、廊下を長い足が駆け、後ろに結わえた三つ編みが不揃いに走りにあわせるように、揺らいだ。
空の青のような明るい瞳は、複数に追いかけくる存在に、怯えることなく、むしろそれを楽しんでいるように笑っていた。
「ははは、こっちこっち」
遊んでいるように、それでもつかず離れずの距離を持つくらい余裕があるのはさすがだろう。後ろから追いかけてくる女の子達は、一生懸命だったが。
「お」
走り去る際に、何人かとすれ違ったか、それに気をとられることはなかったのに、今目の前に見える、後姿だけは、無視することもなく、むしろ先ほどよりも、嬉しそうに声を弾ませて、
「ライ先輩」
名前に振り返ったのは、忘れることとのない銀の瞳と柔らかで窓から差し込む光にキラキラと反射して一層綺麗に目を捉えた。
「ジノ、一体なにっ」
ライの続く言葉も切るようにして、ジノは、横切る途中に自分よりも細い手首を、捉えて、連れ攫うように走り去る。
いきなり、引っ張れる事態に、困惑しつつも、ジノに非難の目を向けることを忘れない。
「あっ、待て、ジノ! 急に引っ張るな。一体なんだ!。何故、追われてる?」
「追われてる?。ああ、彼女たちか。それなら彼女たちに聞いてくれ。俺は追いかけてくるから、逃げているだけだ」
ライの呆れた視線に、ジノは本当に楽しそうに笑うようにして、
「逃げる理由はともかく、あれは君の問題だろう。ならば、もういいだろう。手を」
「いや、ここで、先輩を放せば、次は、貴方が餌食にされる。それは、私としてもそれを見逃しておくわけにもいかない」
「餌食?何のことだ」
「とりあえず、屋上まで突っ走る。話はそこで話しましょうか」
走りながら、喋っているのに、体力はどちらもあるようで、そのまま女子達を眩ますようにして、屋上へと逃げこんだ。
屋上で扉に背を向けるようにして、走り終えた息をつくと、
「それで、屋上へとついたわけだが、どうして、僕を巻き込んだ?」
「え、ああ。そうだったな」
何かを思いついたように、ジノはそう言って、
「?」
不審がるライをよそに、こそこそとポケットから、何かを取り出し、改めてライへと向き直ったジノは、ライの前に何かを差し出してきた。
「あーん」
「…?。何のマネだ。それは」
「何って、贈り物ですよ、ライ先輩。とりあえず、口あけてくださいよ。、あーんって」
「・・・・」
ライは、訝しげな顔をしながらも、ジノの表情はいつもどおりなのに、いやに真剣な口調に、ライは、しぶしぶ口を開いた。すると、何かのあけた音の後、指に摘んだ、何かをライの口内へと入れると、入ったとたんに、口を閉ざしたライは、眉をひそめたが、舌で溶けるそのほろ苦い甘さに、答えを見つけたように声を漏らしてた。
「コレは、チョコレート、か?」
「正解」
小さく笑うようにそう言うと、もう一ついるかと尋ねてくるジノに、静かに首を横に振って、拒否を示すライに、肩をすくめて、今度は、自分の口へと放り込んだ。
「で」
「で?」
「チョコレートと、先ほどまでのあの行動と、何のつながりがあるんだ」
その発言に、目を開いたようにパチクリさせたジノは、逆に問い返すように恐る恐るといった口調で、
「もしかして、ライ先輩は、今日が何の日かだってこと、知らない?」
「?。何かあったのか?」
「そうですね。じゃあ、簡単に説明すると」
「・・・・」
「今日は、異性にチョコレートを贈って、思いを告げる日なんですよ。それも、愛の告白をね」
固まってしまったライに、笑みをこぼして、
「好きな人に、チョコレートを贈って、思いを告げるのだと聞いていたが、ライ先輩は、本当に、知らなかったんだな。俺は、知っているのだとばかり思って、期待してしまったな」
「ちょっと待てくれ、ジノ。彼女たちがそれで、ジノを追っていたのだとしたら、説明はつくが、・・・何故、男である僕にチョコを、異性にだろ? 愛の告白?。何かおかしくはないか」
「此処では、いや、ライ先輩はおかしいと本気でそう思っているのか。俺は、悪い冗談は言いませんよ。それとも、先輩はわからない?。コレでも」
ジノが、口だけで笑うようにして、顔を近づけるように大きく一歩近寄ると、それにあわせるように、ライは、後ろへと足を下げて、一定の距離を保った。
「それでは、ジノ、君は僕に何か告げるのか。愛の告白ではなく、別の意味ではないのか。それは」
「ああ、うん。言葉だけだと、ライ先輩にはわかりづらいかもしれないな」
「?」
再び、ポケットから、取り出したチョコの包みを広げて口に銜えると、にやりと目を細め、口の端を吊り上げて笑ったと見て、嫌な予感に動いた体を、すばやい動作で、掴まれた手首に遮られて、壁際へと縫い付け、目を見開いたままのライを余所に、ジノは目を閉じるようにして、口移しでライの口内へとチョコレートを渡した。
びくりと、肩が跳ねて、抵抗しようとする体をうまい具合に押さえつけて、二人で味わった味は、先ほどよりも甘さが増したように思えた。
校内では、二人を探す女の子達の声があったが、屋上までその声は、届くことはなかった。
[留め]