----LC----- ライ関連
----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
好きな曲を鼻歌にしながら、妄想してみたお話。
アーサー×ライ(LC主人公)です。
お話は続きからになります。
拍手を送る
思うこと思われること
小さな足が四つ地面を歩いていく、その後ろをついていく大きな二つの足。
アーサーの後を護衛のようにして歩くのは、ライだった。
小さく何かを引っ掻く音に気付いたライが、読んでいた本をそばにあったテーブルに置いて、その音の発信源を辿ると、窓の方へとたどり着いた。
視線を下に移せば、二つのつぶらな目がライと向き合う。
「にゃあ」
とでも言うように口が動いた。
「アーサー」
そう言いながら、室内へと入る扉を開くと、外の匂いと柔らかな風が室内へと妨げもなく入り込んできた。
けれど、風と匂いだけで室内にアーサーの姿はなく、視線を変えるといつの間にか移動したようで、離れた場所で、ライへと振りかえる姿が見えた。まるで、ついておいでというように鳴いて、小さな足を動かし、ライの気持ちも待たぬままそそくさと歩いていく。普段はそういった予測不能な事に進んで関るものではなかったが、何がライの心を動かしたのか、窓を閉めてアーサーの後を追うように外へと出て行った。
室内は入り込んだ風で、僅かにページがめくれた音と時計の針だけが、その場を動いているように存在していた。
ざわざわと人の声と乗り物や信号機等の機械の音が混ざり合い、街中に雑音となって残る中で、アーサーは自分よりも大きな足を、器用に避けながらも歩いていく。ライはそれに遅れないようにしながらついて行くのだが、距離は僅かながら広がりつつあった。
それも当然なように、人が前を横切って、一瞬視界を塞がれた後、アーサーの姿を見失う。仕方なく、僅かながらにアーサーの姿を、視界に捕えた方へと、ライは足を向けた。
壁と壁の間にある場所は人が通るのには狭いが、小動物には通るには最適な場所だった。大通りとは違って、壁には黒い沁みがあり、塵かカビと、金属の錆びた匂いが独特な匂いとなって、ライの鼻を刺激する。
「はぁ~」
そこから路地裏へと抜け出たライは匂いから防ぐように覆った手を離して、深く息をはいて深呼吸。
その後、きょろきょろと左右へと顔を向けるが、何処にもアーサーの姿が見当たらない。
それに、落胆したかのように小さく息をついて、路地裏を歩いていった。
隣接した場所には垣根や塀などがあり、上からひょっこりと顔を出す家々の姿が、ライの視界に映る。住宅地の中まで来た事を認識して、見慣れない道を手探りに元の場所へと戻るように、足は動かす。
歩いていた足が、何かの音に反応して、立ち止まった。
アーサーの時のように、微かに聞こえた音を頼りに進んで行くと、広く空間が出来た緑の生えただけの空き地へとたどり着く。
声はそこからなのは、足を踏み込んで数歩歩いたところで、ライは声を上げた。
「アーサー?!」
「にゃあ」
そう言って振り返った後ろ姿は確かに、アーサーで、その後ろからはみ出るように見えた、近づいてそれに、目を向けたライは目を見開いた。
段ポールの中で、活発的に動き回ったり、一緒に入ってるものとじゃれたりして、遊んでいる三匹の小さな命の姿がその中に存在していた。
「それで、拾ってきたの?」
ライから経緯を聞いたミレイが、段ボールを覗き込んだ後で、ライを振り返ると、頷いたライと目が合った。
腕を組んだ片手を顔に添えて何やら考えるミレイと答えを待つようにまっすぐ見たライの間に沈黙が降りた。そんな中で、同じように段ボールの中を見たシャーリーは、嬉々と目を輝かせ、可愛いと口に出していると、その横でその生き物を目にした、カレンは何を思ってか悲しそうに眉を下げた。
「でも、どうするんだ?。こいつらの面倒、此処には既にアーサーがいるんだぜ?」
同じように箱の中を見たリヴァルがライの方へと振り返ると、アーサーが名前に反応して鳴く。
ライが僅かに困ったような顔を見せたのを知ってか、腕の中にいるアーサーが顔を上げて見ると、視線に気付いたライは、その視線を受けてからアーサーに小さく笑みを浮かべた後で、
「貰いてが、見つかるのが一番いい方法なんだが、それまでの暫しの間、僕に預けてもらいたいんだ」
「でも、ライ。貴方、記憶探しと両立していくことになるのよ?」
それでもいいの?と続くように、カレンが心配げにそう話すと、
「ああ、それについても考えてある。記憶探しの合間に貰いてを探そうと思うんだ」
「うん、そうね。ライが決めたことなら、もう言わないわ。けど、あんまり無理しないでね?そういうことも大事だけど、ちゃんと貴方の体も大事にしないと、前のように無理がたたるから」
ミレイの言葉に、ライは目を細めて笑うようにして、頷いた。
「ありがとう、ミレイさん。次は、倒れないように心がけるよ」
「約束よ。でないと、生徒会長命令で罰を受けてもらうわよ~?」
ミレイが後半冗談交じりで言ったのを、ライは苦笑するようにして頷いた。そこへ、スザクがライの近くに歩み寄って、手を伸ばすと、いつものように、アーサーがその指に噛み付いた。痛みで苦痛な顔を浮かべたスザクは、その後眉を下げて、アーサーへと問い掛ける。
「どうしてなんだ?。アーサー」
アーサーはスザクの指に噛み付いたままなので、返事は返らなかった。
「多分、愛情からきてるんじゃないか?」
と言ったライに、そうかなっと困ったように笑うようにして、スザクが言った。
「君は、だいぶアーサーに懐かれるようになったね」
「そうか?」
ライが首を傾げると、口を離したアーサーが鳴き声を上げた。
すると、ライとスザクの二人が、アーサーへと目を向けるが、何食わぬ顔でアーサーは、ただしっぽをパタパタと僅かに動かすだけに終わった。
そこへ、ミレイが近寄ってきて、声をかける。
「そういえば、最近見ると、アーサーと一緒にいるところ、よく見るわね?。今日も、アーサーと一緒に何処かに行ってたみたいだったし」
何かを思い出したかのように、笑って言うミレイに、ライは「見てたんですか・・・」と恥ずかしげにしながら呟いたライに、スザクが口を挟む。
「アーサーと?。今日も、って?」
「聞きたい?、なら・・・」
それにライが「ミレイさん、からかわないでください」、何かを思い出したのか、僅かに照れ交じりに言うライに、「からかってないわよ。本当のことでしょ?」と話す気満々のミレイに、止めるようにしてライが言葉をかけるのを見て、スザクが不思議そうに聞き返すと、二人に話かけられ、困惑したライは板ばさみ状態になっていた。
アーサーの頭上では、三人のそんなやり取りが繰り広げられる中、アーサーは気にした様子もなくすりすりと頭をライの腕に擦寄り、ゴロゴロと小さく声を鳴らしていた。
それは名残惜しむように、愛着をこめて。
[終わり]