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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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★2009/07/03 (Fri)
周囲には、恋人と認められてる二人、アーニャは他人に役目も関係も譲る気はないし、ライのほうは自覚なくアーニャに甘い。そんな関係が素敵だと思います。

アーニャ×ライです。
お話は、続きからになります。

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主従恋人 「私の主は困ったお人」



 廊下を歩く、四つの足音。
 一人は、ライで、その後から、ついて行くように、歩くのは、アーニャだった。
 自分がアーニャの主だと、ライの知らぬところで決定をされた事を知った日から、恋人以前に護衛となったアーニャの行動は、その変わりように目を見張るものはあった。


「はい」


 コンコンと扉のノックオンを聞いて、扉を開いたライの前にいたのは、アーニャで、


「アーニャ…」


 無言でライの横を通り過ぎると、ベットに腰掛けたアーニャに、気になりつつも、扉を閉めて、ライが近づいていく。
 何のいわず、こうして部屋に入ることが当然のように、ア-ニャは同様にベットに座ったライの前に立って。


「今日から、此処で寝るから」

「は?」



 部屋に泊まりに来るのは、前にもあったことで、それは珍しいことではなかったのだが、


「今日からとは、どういうことだ?」

「言葉のとおり。今日から、此処で私も寝る」

「本気か?」

「冗談は言わない」

「アーニャ、また此処を出入りすることが見つかれば、怒られるぞ」

「いいたい人には、言わせておけばいい」

「アーニャ・・・?」


 ライの隣にへと移動して、ちょこんと膝を抱えるように座って、携帯カメラに電源を入れて、カシャリと室内を撮るようにかざした後、文字を打ち出した。
 携帯カメラを手にするところは、出会う前から、変わらなかったけれど、ただ、ライでも知らないことはあって、撮る対象物が前にもましてライの写真が多いことをライは知らない。


「せめて、ミレイさんには、話しておく必要があるだろう。アーニャがいいとしても、誰かがこの事を知って妙な騒ぎになるのは、君も嫌だろ?」


 コツンと軽く頭をたたいて、携帯カメラから、視線を此方へと向けたアーニャに、そう言った。


「・・・わかった。ライは、それでいいの?」

「ああ、追い出す気があるなら、ここに入る前もうしてるよ。アーニャの好きにすればいい」

「それは、命令?」

「アーニャ、僕が主になったからといって、すべてを命令するわけじゃないよ」

「だけど、私の主になったのは、もう決まったこと」

「うん、わかってる。だけど、二人きりの時は、前のように普通にしててもいいと思うよ。決められた主従関係となっても、気を張ってばかりいては、身が持たない。だからその分、肩の力を抜くのも大事なことだろ」


 無言で見つめたアーニャは、携帯カメラを電源を切って、ライにもたれかかる。


「アーニャ?」

「今だけ、以前のように好きにしてもいいんでしょう。だから、これは私が決めたこと」

「・・・」


 息をつく声の後、微かにアーニャの頭上で、ライの笑う気配を知った。 
 その後、手のひらが触れた。触れたのはライの細く大きな手で、優しく甘えさせるように撫でたり、時には髪を梳かすように動いて、そのぬくもりに気を許したアーニャは、感触を楽しむようにゆっくりと目を閉じた。
 二人だけの静かな時間が流れていった。


 歩いていた足を立ち止めたのは、考え事をしたせいか、無意識に足を速めたのもあって、アーニャとの距離を開いてしまったからだった。
 遅れるようにやってきたアーニャが距離を縮めていくと十分な距離をとったところで、ライが再び、歩き始めた。
 鴨の親子みたい、誰かにそういわれたことを思い出した。確かに、アーニャがライについて行ってるとも見えるが、意識してそうしてるわけでもなく。






 生徒会室では、ミレイ、ルルーシュ、リヴァルの三人がいた。生徒会の仕事の為に、集まった三人、シャーリーは、部活。カレンとニーナそして、スザクは、それぞれ用事があると言って、此処にきていなかった。
 話を始めたのは、ミレイからだった。


「珍しいわね」

「何がですか?」

「アーニャが、以前にも増してライにべったりになったから」


 因みに二人が恋人だというのは、皆が知っていることであったが、主従関係になったのはまだ知られてはいない。


「良くもまあ、続くものですね。あの二人は」

「そう? アーニャがライになついているのは見ていてわかることだし、二人とも恋人同士であるのだから、ライに恋愛を進めた私としては喜ばしいことだけど」

「ええ、二人でいることで問題がないだけいい話かもしれませんが、アーニャの行動を見ると、あれは少々行き過ぎな気がします。生徒会の一人であるなら、周囲の目にもう少し注意を向けて配慮すべき事ではないかと」

「まぁね、二人の事面白くないって顔をした人が此処にいるものね」

「それは、誰の事ですか?」

「もしかして、自覚してる?」


 ミレイから、顔をそむけるようにして、残った生徒会の仕事のほうに戻るルルーシュは、書類に目を向けたまま無言だった。


「あれくらいの事なら、可愛いものじゃない」

「だが、年頃の男女が同じ寝床というのは、不謹慎ではないかと」

「恋人だから、大目に見たけど、やっぱりそう思う。ライならそんな心配ないと思うのよね。あの妙な安心感からかしら。だけど、男であるわけだから、そういう心配やっはり預かってる保護者としては、一言注意したほうがいいのかしらね」


 ルルーシュが口を開くと同時にリヴァルの声がそれを遮った。


「お、噂をすれば、やってきたぜ」


 生徒会の扉を開けたのは、ライで、その後ろにアーニャの姿が覗いて、ルルーシュは、眉間にしわを寄せる。それも一瞬で元に戻るのだが、リヴァルが見てしまったらしく、可笑しそうに笑うと、ルルーシュの鋭い視線が向けられ、リヴァルはとぼけるようにして、顔を背けた。


「お帰りなさい。待ってたわよ。はい、こっちは、大方片付けておいたから、後は残りをお願いね」

「はい。わかりました」

 
 ライの隣から書類を覗き込むアーニャを目にして、ライは、


「アーニャは、どうする?。そんなに時間はかからないと思うが」

「手伝う…」

「アーニャ、だが」

「いいじゃない。人の助けは素直に受けるものよ。じゃあ、アーニャは、手伝える範囲ライと一緒に、お願いね」

 
 頷いたアーニャと一緒に残りの仕事が始められ、各々のやる仕事をこなしていく中、ルルーシュへと近寄ったリヴァルが背後から声をかけるようにして、


「そんな鋭い視線向けてると、ライに気づかれるぞ?。やっぱし、気になりますかあの二人」

「リヴァル、俺はともかく、お前はただでさえデスク業務に向いていないことを踏まえたうえで、手を借りているとしても、動かすなら、先に手を動かせ。そうでもないと、一向に作業がはかどらず、時間の浪費だ」

「へいへい」


 これ以上言っても、倍に返されるだけで、リヴァルは諦めたようにして自分の仕事へと戻った。
 仕事を続けながらも、時折ルルーシュの視線は気になるのか、アーニャとライのいるほうへと向けられる。
 それを見て、口元に笑みをこぼしたミレイの傍にリヴァルが近寄って、


「ルルーシュも、もっと素直になればいいんだろうけど」

「それが出来ないんじゃない」

「どうしてですか?」

「あの二人を見てれば、わかるわよ。それより、゛も゛とは気になる発言ね。ほかは誰?」

「俺の情報によると、カレンかな。本人は気にしないようにはしていたけれど」

「ああ、それはあるかもね。でも、アーニャはともかく、ライの方は人の好意に自覚ない天然だから、困り者よね。アーニャも大変ね。無自覚な恋人を持つと」

「恋人、…俺から一番遠い言葉だな」

「出来るわよ。作ろうとする気持ちと想いがあれば」

「それなら、片思いの場合、どうすればいいんですか?」

「そうね。努力して両思い!…は難しいけれど、まず一番に想いを伝えてその想いと決別するの。そして、新しい恋を探すてのも、一つのやり方ね」

「どっちも勇気はいりますね」

「しょうがないじゃない。恋は一人では、手にいられないんだから。さてと、私も新しい恋人を探すぞ」

「え、マジですか?。もう少し、待ってみるのは」

「滞在期間長くしてたら、あっという間に機会を逃すじゃない。やっぱり素敵な恋人を見つけて、恋がしたい。あの二人を見ると、余計に気持ちが触発されちゃうわね」

「ええ~、そんな~」

「というわけで、まずはお仕事よ。ほーら、リヴァルも二人を見習って早く片付けちゃいましょう。その後恋人を探すなりの行動に出てもいいから」

「いや、俺は恋人を探すよりも目の前の」

「ん?」

「・・・いえ、なんでもないです。仕事に戻ります」


 腰を丸めるように去っていくリヴァルの後姿は、もの悲しいものだった。


 続く

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