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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2010/05/02 (Sun)
励みになります。拍手ありがとうございます。
買ってまでしたくない苦労の続き話で、
ルルーシュ×ライです。
お話は、続きからになります。

拍手を送る



ロジカルラヴァーズ



 映画までの空いた時間。
 近くの喫茶店へと入った二人に待ち構えていたのは、ウェイトレスの笑顔と、


「お待たせしました。カップル限定ラブラブドリンクでございます」


 一つのコップにストローがつながれたように二つ分かれてあった。
 アベック限定と思わしき商品が出てきてルルーシュは絶句する。
 何しろ、頼んだ商品と別のものが来ていたからだった。 店側が注文を間違えたのかと顔を見ると、


「あちらにいるお客様からの贈り物でございます。どうぞ、ごゆっくり」


 男二人で一つのドリンクを飲むことに対して顔を引きつることもなく嬉々と立ち去っていたのは、教育が行き届いてると褒めるべきなのか突っ込むべきなのか。
 どう反応があったとしても、気持ちは置いて誤解であると言うしかない。
 誰に対しての誤解なのかはともかくとして。
 店にかかるBGMに溶け込むようで、客の雑音が多く、知れ渡ることはなかったのだが、ちらほらと二人を見る視線はあるものの、気まずい恥ずかしさだけは今のルルーシュに残り沈黙を生む。


「会長、余計なことしたら気づかれますよ」

「いいじゃない。こういう予想外の誤算もいい思い出となるんだから」

「男二人で、あれは何かの罰ゲームとしかいいようがないですよ」

「そうよね~。二人きりでなかったら、当然そう思うけど、今のルルーシュにとってはどうなのかしらね」




「・・・・」


 ライがあまり租界での食事を学食でしか知らないから、より多く味が楽しめ、値段の安い場所を選んだのだが、まず、この得体の知れない大きなドリンクとそれを飾るようにハートマークに繋がったストーロー、これをどうするかとルルーシュは悩み眉を寄せる。
 既に、注文を終えたばかりで、近くにウェイトレスがいない。
 テーブルに置かれたドリンクは見ない振りを出来ないよう存在感を放っているように思えた。
 誰がよこして来たのかわからない故に、デートを邪魔しているように見えて腹の立つものがあった。

 ドリンクを凝視したまま何も言わないルルーシュに、ライから声をかけた。


「ルルーシュ」


 そうだ。休日の昼間に二人、周りにそれと知る人物は見当たらない。見られて困るものはドリンク以外にはないが、今更何を危惧する必要があるッと心中で開き直ったのか、顔をあげたルルーシュは普段どおりに接していた。


「どうした」


 しかし、ルルーシュの心情など知る由もないライは、真顔で尋ねてきた。


「ラブラブドリンクとは、その飲み物の名前なのか」


 聞かないことにして欲しかったが、まあ記憶のない分、知ることの多いのは厄介であると再認識しながら、


「名前に深い意味合いはない。多分、店側のセンスじゃないのか」

「そうか?。先ほど、カップル限定と聞いた気が」

「俺も此処に来るのは一度ぐらいだから、俺の知らない間に店がサービスを始めていたら気づけなかっただろうな。しかし、変わった趣向だな」

「誰がくれたんだろう」

「俺も知りたいよ」


 ライの好奇心とは違った意味で、寄こした人物を突き止めたいと真剣に即答した。 
 沈黙が降りてる間に、注文した食事が届いて昼食が始まる。
 結局、ラフラブドリンクを二人で飲むことはなく(ライに抵抗はないが、公然でこれをするのに抵抗があるルルーシュがいる為)、興味を持ったライだけで飲み干していた。



「じれったいわね」

「会長。ルルーシュが抵抗感なくやれたら、今のルルーシュはいませんって」


 残念そうに呟いたミレイに、リヴァルがツッコミ、ニーナはラブラブドリンクを見つめ、ちょっと羨ましげに見ていた。



 映画館へとたどり着いたルルーシュは、あらかじめ手にしたチケットを二枚胸ポケットから取り出す。
 見るのは勿論、決まっている。
 アニメからドキュメンタリーまであるのだが、妥当なところで選んだ映画を二人で見るために受付へと向かったルルーシュだったが、身体を地面に倒す勢いでぶつかってきた女の子に痛みをひきづったまま、顔をあげると、


「ごめんなさい」


 帽子を被ったその子は顔を確認するまでもなく、立ち去って言った。
 地面に落ちたチケットと服の汚れを払うようにして、受付に差し出した手のままルルーシュは固まる。
 しかし、あっさりと抜き取ったチケットで中へと通された二人であったが、動こうとしないルルーシュにライはいぶかしがる。


「ルルーシュ。君と見る映画はどれなんだ。上映時間があるのだろう」

「あ、ああ。そうだな」


 ライが近づきながら声をかけるのに、慌てた様子でルルーシュがポケットにしまう。
 チケットに一瞬映ったものは、ルルーシュが買ったものではなくホラー映画だった事に驚いたのを隠すかのように。
 さっきぶつかった時に相手とチケットを間違えてしまったのは理解できたが、ライに説明してその相手の姿を探しに行く事は出来るものの、それには時間がかかる。何より、上映時間が限られているし、ライと映画を見る予定も狂わせられる。
 そうして考えてるうちに、結局ライを優先させることにした。
 映画の内容はホラーにせよ。映画館自体、初めてのライには、どれも新鮮に映るだろう考えもあったが、第一ライの好みを知る火っょヴあると思っての考えでもあった。



 帽子をかぶった少女、二ーナは、ミレイの前で立ち止まり、胸を抑えるように息を切らせながら、


「ミレイちゃん。ちゃんと換えてきたよ」

「ふふっ、ご苦労様」


 二ーナにわざわざ変装させてまで向かわせたミレイは至極満足そうな笑みを浮かべているのに、リヴァルがその様子に訝しがる。


「会長。今度は何やったんですか」 

「前にライが学園祭に出店していたホラーハウスあったじゃない」

「ああ、ありましたね。でも、それが今の」


 指を左右に振るように、にんまりとミレイは笑みを作る。


「それが関係あるの。あれで、ライ。かなり楽しんでいたみたいだから、この際映画にも楽しんでもらおうかと思って」

「ライって、ああ見えて、ホラー系は駄目なんですよね。平気そうに見えるけど」

「そうよ。あれで怖がるぐらいならホラー映画にも一つ挑戦してもらわないと」


 いつの間にか、二人のデートよりも


「会長。デートの事より、ライの反応が見たいだけじゃないですか」 

「そう? 否定はしないけど」

「・・・」


 画面に釘付けとなっているライに、恋愛や動物物よりもこういった現実的でない最先端技術を使った作り物であるホラーの方が好きだったのかと新しい情報として覚えておくことにして、


「ライ」


 顔を伏せたままのライに、ルルーシュが心配になる。


「ライ?」


 はっと顔をあげたライの目じりに涙が浮かんでいて、ルルーシュはひどく動揺する。


「どうした。ライ、体調でも悪くなったのか」


 少し青ざめた顔で、緩く首を振ったライを見て、人に酔ったと思ったのかルルーシュは、幾つか計画していたコースを脳内で変更させてから、


「少し休憩していくか。それなら飲み物でも」


 自販機に向かいかけたルルーシュをライが呼びとめる。


「ルルーシュ。恥ずかしいことなんだが」

「なんだ」

「さっきの映画のことなんだが」

「ああ、あれか。特殊メイクはどうであれ、演技と演出は褒めていいものだったな」


 しかし、ライは映画の内容ではなく、口に出したのはルルーシュにとっては意外な言葉だった。


「僕は、怖かった」

「怖かった?」


 確認のように訊ねると、頷かれた。


「そうだ。だが、不思議なことに目が逸らせなかった」


 怖いけれどそれを上回る見たい気持ちがあって、あれだけ画面から目を離せなかったのだろう。
 目を瞑るか、耳を防ぐか出来ただろうにそれをしなかったのは、興味本位か、ルルーシュが傍にいるからか、わからずじまいではあった。
 けれど、さっきの映画を思い出して、その白く細い手を振るわせるライは、ルルーシュ一人平気な様子に恥ずかくなったようで僅かに頬を染めたまま目を伏せ、再び顔をあげたライの瞳は潤んでいて、普段よりも可愛く見えてしまったことに口が緩む。
 笑ってるように見えなくもない口元を誤魔化すように手元で隠して、目を逸らす。


「誰にも苦手なものはあるだろう。お前の好みも聞かず選んだ、俺の選択ミスだ。次機会があれば、お前のみたい映画にしようか。それなら、今日のようになることもないだろ」


 目を瞬かせたライは、やがて少し困ったようなはにかんだような笑みを僅かに浮かべ、呟くように言った。


「ああ。ルルーシュ・・・すまない。それと、ありがとう」

 
 見るはずだった映画ではなかったけれど、ライの意外な一面を見て、愛しさを募らせたようにルルーシュの瞳は優しく細まる。
 公衆の面前もあってか、ライを抱きしめたいと思う衝動をこらえて、手を重ねるだけにとどめる。
 その震えた手を安心させるかのように、ルルーシュガ包み込む。





 残念なことに、リヴァル達の位置からルルーシュの背中しか見えなかったので、手を握っていることなど知らず、リヴァルは壁に隠れたまま発展のない二人に退屈そうに様子をうかがう。
 

「この調子で次も何もないんですかね。会長」


 振り返ると、一緒になって覗いていたミレイではなく、二ーナだけが傍にいた。


「ミレイちゃんなら、もう帰ったよ」

「えー、最後まで後ついていく気じゃなかったのか」

「それはわからないけど、でも、ミレイちゃんが言ってたよ。「なーんだ。私の出るまくないじゃない」って」

「そう思うなら、最初から言ってくれれば」

「ふふっ、ミレイちゃんも複雑なんだよね」


 くすくすと笑う二ーナに、リヴァルが首を傾げたまま、


「複雑?」

「リヴァルも気になったからここにいるんでしょ」

「俺も、か。ふーん。まぁ、そうだな。俺も頑張らないと」


 映画館を出ていく二人の背中を見つめ、リヴァルは誰に言うまでもなく呟いていた。





 デートが終わりを迎えた夕暮れの帰り道、ライからの言葉を思い出していた。


「町を見て回るだけしゃなくても、実際にそこへと足を運んで見ないとわからないものはまだまだあるんだな。記憶探しだけが全てじゃないとミレイさんに言われたことを思い出した。今日はありがとう。ルルーシュ」


 別れ際のライの台詞は、ルルーシュにとって誤算は合ったものの、一つの思い出として心に残るのだった。


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