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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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★2010/11/14 (Sun)
家族ごっこのライ君トリップで、高校生のスザクと始める物語、五話目。
一話の続きでスザク×幼いライです。
お話は、続きからになります。

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気持ちを言葉に変えた日


 雨の公園の中に君を見つけたときに、忘れかけていた過去の記憶が少しだけ過ぎった。
 窓の外はまだ雨音がぽつぽつと伝って流れてゆく。
 それは、遣らずの雨だというように、時間が遅いというのもあって、スザクがクラブハウスに泊まることになった。
ぽつぽつとだが、先ほどよりも弱い雨音が窓へとぶつかり、流れていく。
 スザクは窓を見つめ、ライの事を思い出す。

 誰も何も知らない地の、それも公園で一人きりで何かに怯え隠れるように膝を抱えて泣いていた。
 どれくらいの不安をその小さな身体で耐えていたのかは、わからないけれど、普通の子供のように我が侭を口にしないけれど、ライもまだ幼い故に家族とはなれ寂しい気持ちもあるのに、ずっと何て事のないような顔をして皆と過ごしていた。
 早く気づいてあげたら良かったのだろうか。
 何が出来ることがあるのなら、協力した磯の気持ちはスザクの中で今も変わりなかった。
 例え、兄弟でなくとも、助けになりたい。
 家族のような愛情が確かな形で芽生えつつあったから強くそう思ったのだ。


「やっぱり、あの時の話を聞かれて」


その時小さく扉を叩く音を拾って、スザクが扉のほうへと歩み寄る。


「はい?」


 開いた扉の向こうに人の姿がないのに不思議に思ったのだが、目線を下げてみると、そこにはライがいた。
 躊躇うかのように視線を上げては目を伏せる。
 誰に借りたものか子供用のパジャマ姿に着替えていて、風呂上りのいい匂いがスザクの鼻をくすぐった。
 

「・・・あ、君は」

「スザク、に言い忘れたことがあって」


 何か照れ隠しのように視線を伏せてやや斜めに顔を向けるライに、小さく笑ったスザクは、大きく扉を開いて中へと招き入れた。


「それなら、中でもいいかい」


 意外だったのだろうきょとんとしたように目をまたたせたライは、こくりと頷いて中へと足を踏み入れる。
 ばたんとライの背中越しに扉が閉められた。


「言い忘れたことって何かな」


 ベットに腰掛けるようにして、スザクは問いかける。
 それだけで、先ほどよりも目線が低くなり、ライの緊張が僅かに和らいで見えた。


「・・・僕が勘違いで迷惑をかけたことだけど、君に助けられたのは本当だ。御礼をするのがまだだと思って、いいに来たんだ」

「えっ・・・」

「ありがとう。本当の家族ではないけれど、見知らぬ僕を受け入れてくれて、雨の中を探してくれて嬉しかった。だが、此処は元々僕の居場所ではないから、ミレイさんに話す前に君に告げていこうと思って、

「ライ・・・」

「学生ではない僕を置いたくれた事は嬉しいのだが、みんなの気持ちを踏まえて考えてみても、此処に僕の探すものは見つからないと思うんだ。だから、これから探しに行く為、此処を出る。僕を待っている人にこれ以上心配かけたくないんだ」


 服の裾をぎゅっと掴むライの小さな手は、少しだけ震えていた。
 小さな身体で家族のいない寂しさを抱えていたのか、幼い顔に似合わずどこか決意を込めた強い瞳と大人びた物言いが、スザクの知るライと被るような面を見つけ、スザクは戸惑う。
 幼いライは確かにスザクの出会ったライとは似ているけれど、別人だった。
 

[続く]

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