コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2010/11/10 (Wed)
Girls Dream of bubble・番外編 貴方の言葉は優しい凶器
どんよりと赤と黒とが入り混じる不可思議な光景に、ライはいた。
空間だけしかないその中は、光はないに関わらず赤がはっきりと見えるほどで、黒かがった影と重なり腐気味なものに思えた。
「成り下がった、今は亡き領主の息子よ」
鼓膜に震えて聞こえるくらいその声は存在感を放つ。
「誰だ?」
呼びかけるライの声もまるでトンネル内に向かって響くように耳に届いた。
「戸頃よりは時も人も移り変わっても、貴公だけは未だその常態を保つか」
姿さえ見えないのに、しっかりと声が頭に響くように聞こえてくる。
遮れる自然の齎す調べのように、聞いているだけで自分の中の何かがぐらつき、目眩の予兆を思わせるかのごとく視界が靄かがったように一瞬ぶれる。
「っあなたは、誰なんだ?!」
「その様子では、想起も否か」
光の差すほうへとやってくる相手の正体が、足元から進みゆくうちに目に見えてくる。
ライと同じ銀でありながら白の強い髪から覗く、見透かすような赤紫の瞳が、面白いものを見たというように怪しく目を細めた。
その男はライを知っている口ぶりではあるが、ライ自身はその男に見覚えはないものの、男を見た途端にめまいと頭の痛みを同時に覚える。
まるで記憶を呼び起こそうとするのを躊躇うかのように、ライを苦しめていて、先ほどから呼吸が乱れると共に心臓が痛いほどに脈打つのだ。
「誰、なんだ。貴方は」
「誰何と聞くか。人の子よ」
ふわりと一枚の花びらが落ちたようにライの前に音もなく現れ、苦悶を浮かべるその顔に添えるように顎に指を添えて瞳をあわせる。
「我の言霊に従えしは、その身は石のごとく塊るが、口と目は正常なり」
魅入られたかのように視線は逸らされぬまま、言葉の通りに目と口以外の体が動きが出来なかったのは、いつの間にかその相手がライの動きを封じていたからに過ぎない。
「っ、あ、何をする、んだ」
覗きこんだ顔を離して背の高い褐色肌の男は、無表情ながら視線を少しだけ和らげた瞳で、言い募る。
「貴公の記憶に眠る故郷を知っていると言っても、我を信じぬか?」
「(故郷、僕の)」
「貴公の過去を知りたいと言うのであれば、我の手をとれ。さすれば、この地に縛られ苦しむことはないだろう」
悪魔のような誘いにライの心が動揺を表す瞳と共に揺れる。
男に嘘は見えなかったのもあるし、どこかでこの男を知っている自分に戸惑っているのだ。
どうして、懐かしいと思うのかさえもわからない。
どうして、この手を信じられると疑いさえも浮かばぬ自分にも戸惑いを覚える。
この男は自分の忘れ去った過去を知っている。けれど、この手をとれば今居る場所から自分がいなくなるように思えた。
それは普段の日常に戻るだけで、ライの記憶を呼び覚ますのであれば、誰も引き止めることはないのだろう。
故郷に戻ったとしても、今のみんなの迷惑にもならないし、生徒会にもい続ける理由も見つからない。
しかしそれまでのさまざまな新しい記憶がライの頭に駆け巡る。
もう、自分を受け入れてくれた皆の元には戻れないのかと離れたくない未練は確かにあった。
差し伸べられた手を、とるかどうか選ぶのは誰でもないライ自身の答えになるのだ。
一瞬、迷ったけれど、ライの答えは一つだった。
続く
どんよりと赤と黒とが入り混じる不可思議な光景に、ライはいた。
空間だけしかないその中は、光はないに関わらず赤がはっきりと見えるほどで、黒かがった影と重なり腐気味なものに思えた。
「成り下がった、今は亡き領主の息子よ」
鼓膜に震えて聞こえるくらいその声は存在感を放つ。
「誰だ?」
呼びかけるライの声もまるでトンネル内に向かって響くように耳に届いた。
「戸頃よりは時も人も移り変わっても、貴公だけは未だその常態を保つか」
姿さえ見えないのに、しっかりと声が頭に響くように聞こえてくる。
遮れる自然の齎す調べのように、聞いているだけで自分の中の何かがぐらつき、目眩の予兆を思わせるかのごとく視界が靄かがったように一瞬ぶれる。
「っあなたは、誰なんだ?!」
「その様子では、想起も否か」
光の差すほうへとやってくる相手の正体が、足元から進みゆくうちに目に見えてくる。
ライと同じ銀でありながら白の強い髪から覗く、見透かすような赤紫の瞳が、面白いものを見たというように怪しく目を細めた。
その男はライを知っている口ぶりではあるが、ライ自身はその男に見覚えはないものの、男を見た途端にめまいと頭の痛みを同時に覚える。
まるで記憶を呼び起こそうとするのを躊躇うかのように、ライを苦しめていて、先ほどから呼吸が乱れると共に心臓が痛いほどに脈打つのだ。
「誰、なんだ。貴方は」
「誰何と聞くか。人の子よ」
ふわりと一枚の花びらが落ちたようにライの前に音もなく現れ、苦悶を浮かべるその顔に添えるように顎に指を添えて瞳をあわせる。
「我の言霊に従えしは、その身は石のごとく塊るが、口と目は正常なり」
魅入られたかのように視線は逸らされぬまま、言葉の通りに目と口以外の体が動きが出来なかったのは、いつの間にかその相手がライの動きを封じていたからに過ぎない。
「っ、あ、何をする、んだ」
覗きこんだ顔を離して背の高い褐色肌の男は、無表情ながら視線を少しだけ和らげた瞳で、言い募る。
「貴公の記憶に眠る故郷を知っていると言っても、我を信じぬか?」
「(故郷、僕の)」
「貴公の過去を知りたいと言うのであれば、我の手をとれ。さすれば、この地に縛られ苦しむことはないだろう」
悪魔のような誘いにライの心が動揺を表す瞳と共に揺れる。
男に嘘は見えなかったのもあるし、どこかでこの男を知っている自分に戸惑っているのだ。
どうして、懐かしいと思うのかさえもわからない。
どうして、この手を信じられると疑いさえも浮かばぬ自分にも戸惑いを覚える。
この男は自分の忘れ去った過去を知っている。けれど、この手をとれば今居る場所から自分がいなくなるように思えた。
それは普段の日常に戻るだけで、ライの記憶を呼び覚ますのであれば、誰も引き止めることはないのだろう。
故郷に戻ったとしても、今のみんなの迷惑にもならないし、生徒会にもい続ける理由も見つからない。
しかしそれまでのさまざまな新しい記憶がライの頭に駆け巡る。
もう、自分を受け入れてくれた皆の元には戻れないのかと離れたくない未練は確かにあった。
差し伸べられた手を、とるかどうか選ぶのは誰でもないライ自身の答えになるのだ。
一瞬、迷ったけれど、ライの答えは一つだった。
続く
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