コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
★ カテゴリー
カテゴリー別に分かれていて、下に表示されるようになっています。
----LC----- ライ関連
----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
----LC----- ライ関連
----LC小説---- BL小説
----LC小説Ⅱ---- BL小説
----小説以外---- その他
★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
★ お気に入り
★2010/05/14 (Fri)
背中あわせのブルースター
二人で休日を過ごすことが多いはずなのに、今日のスザクはいつもと様子が違った。
「スザク、いる?」
「ライ・・・ごめん。また後でな」
話しかけたライを避けるかのように、スザクは顔を覗かせただけで部屋の扉を閉めた。
何か忙しそうに部屋にこもっていたり、時折探すように部屋の中を走り回っていた。
スザクの事は気になるのだが、二階から降りてきたライは、セシルも何かの準備をしているのにも気になり声をかけた。
「セシル母さん」
「どうしたの?」
「それは」
キッチンで何やら盛り付けているセシルからお皿へと視線を落としたライに、にっこりと笑顔を見せたセシル。
「ちまきと柏餅よ」
「?」
時計を見上げたライは、時間が三時ではないことを確認して首をかしげたのは見慣れない食べ物のせいでもあった。
「今日は、五月五日でしょう」
「うん」
「端午の節句といって、子供の日のそれもスザク君やライ君にも関係のある男の子の日でもあるの。その日は、鯉のぼりや鎧兜を家に飾って、縁起のいい料理を食べて、家族皆で厄除けや身体の健康を祈願するのよ」
そういえばと、部屋の中に見慣れない兜や刀が飾られていたのを見かけたのを思い出す。
「たんごの節句って、なんですか?」
「ライ君には、初めての事だったわね。端は物のはしで使われて、つまり、始まりを意味するもので、旧暦では五月は干支でいうところの午の月になるの。その始めの午の月を祝う行事が、後に五に重なって、午が五に通じることから五月五日を端午の節句と呼ぶようになったともいわれているわ。それと同じように奇数の月と日が重なる日を節句となっているのよ」
「カレンダーにあった。三月三日や七月七日というようにですか」
「そうね。もう一つは、九月九日になるけど」
「…」
そんな祝い事のある日で、セシルはこうしてきちんと話は出来る。けれど、何故スザクは、二人の間に何かあったわけでもないのに僕を避けるのだろうとその理由が思い当たらず、表情に影を緒としたライを見て、セシルが柔らかな口調で言った。
「今はスザク君からは何も言わないけれど、決してあなたを嫌いになったわけではないから、また普段どおりに仲良くする日があるわ。だから、スザククンを信じてあげて」
視線を上げたライと顔を向き合ったセシルの表情は目を細めた優しげな笑みだった。
前にスザクとの間で会話を交わしていた日から、何かを知っているようではあったけれど、今はスザクの事で何を聞いても答えてくれそうな事だけは理解できたライは、黙ったままこくりと頷いた。
夕焼けの色が、カーテンを通して部屋へと差し込む頃、部屋から出てきたスザクは、先早に足音をたてながら、リビングルームへとやってくると、開口一番に、ライを探し始めていた。
「ライ! あれ・・・?」
しかし、部屋を見渡しても誰もいないのに、首をかしげていると、丁度食事の用意を済ませていたセシルに気づいてスザクから声をかけた。
「あっ、母さん、ライは?」
先ほどまで、ライ君が気にしていたのに、今度はスザクのほうが追いかけてることに、やっぱり仲がよいのだとにっこりと嬉しそうに微笑んだセシルは振り返りながら、
「キッチン傍のテーブルにいるけど、今はそっとしておいたほうがいいかも」
気になる言葉を残して、通り過ぎていった。
一瞬スザクは首を傾げそうになったが、今日の自分の行動と、扉を閉じる際に見たライの寂しげな表情を思い出して、気まずい顔となる。
スザクとて、セシルの言うとおりライが嫌いになったわけでもなかったのだが、ただ避けるような行動をとっていたのは、ライを驚かせる準備をしていたからだった。
お祝いを込めて手作りの兜をプレゼントしようと、部屋にこもっていたのだが、もしかしたら知らず知らずそれがライを傷つけた原因で悲しませているのかもしれないと、スザクは慌てて駆け寄ってみる。
すると、すぅすぅとした寝息をこぼして、テーブルに両手を枕にしたまま眠っているライを見つけることが出来た。
綺麗な睫の縁取る寝顔に涙の痕がないことに、ほっとスザクは胸をなでおろすのだが、テーブルに一皿ラップに包まれているのが目に留まる。
気になって、覗いてみるとスザクは目を見開いた。
後から近づいてきたセシルが教えるように口にするのだ。
「それは、ライ君が作ったのよ。あなたのために何かできることはないかって聞いてね。スザク君が隠していた事は内緒にしてあるけれど、それまでライ君あなたの事ずっと待ってたみたいだから、今は少しだけ寝かせてあげてね」
一枚の皿にあったのは、オニギリで作った鯉のぼりとその下に、スザクやライ、ロイド、セシルの顔をおかずや海苔で作った卵が四つ並んであった。
どれも笑顔で、スザクに笑いかけてるように見えた。
ライの方が急に避けられて寂しい思いをしていたはずなのに、涙がこぼれたのはスザクのほうだった。
「ごめん、ライ。ありがとう。目が覚めたら俺もちゃんと話すから、ちゃんと渡したいものがあるから。だから今度は、いつもどおりの俺達に戻ろうな」
眠ったままのライへとスザクは泣かぬ様にと我慢して掠れた声で告げた。
それを聞いたのか偶然なのか、ライが笑ったように表情を緩めた。
今度こそ、ライを落ち込ませるためではなく、喜ばせる為にスザクはこぼれでた涙をぬぐいとった。
それから、普段どおりの二人に戻ったように話し始めて、スザクから兜を貰い、セシルからは二人で本を貰い受け、家族揃っての楽しい端午の節句をお祝いするのだった。
終わり
二人で休日を過ごすことが多いはずなのに、今日のスザクはいつもと様子が違った。
「スザク、いる?」
「ライ・・・ごめん。また後でな」
話しかけたライを避けるかのように、スザクは顔を覗かせただけで部屋の扉を閉めた。
何か忙しそうに部屋にこもっていたり、時折探すように部屋の中を走り回っていた。
スザクの事は気になるのだが、二階から降りてきたライは、セシルも何かの準備をしているのにも気になり声をかけた。
「セシル母さん」
「どうしたの?」
「それは」
キッチンで何やら盛り付けているセシルからお皿へと視線を落としたライに、にっこりと笑顔を見せたセシル。
「ちまきと柏餅よ」
「?」
時計を見上げたライは、時間が三時ではないことを確認して首をかしげたのは見慣れない食べ物のせいでもあった。
「今日は、五月五日でしょう」
「うん」
「端午の節句といって、子供の日のそれもスザク君やライ君にも関係のある男の子の日でもあるの。その日は、鯉のぼりや鎧兜を家に飾って、縁起のいい料理を食べて、家族皆で厄除けや身体の健康を祈願するのよ」
そういえばと、部屋の中に見慣れない兜や刀が飾られていたのを見かけたのを思い出す。
「たんごの節句って、なんですか?」
「ライ君には、初めての事だったわね。端は物のはしで使われて、つまり、始まりを意味するもので、旧暦では五月は干支でいうところの午の月になるの。その始めの午の月を祝う行事が、後に五に重なって、午が五に通じることから五月五日を端午の節句と呼ぶようになったともいわれているわ。それと同じように奇数の月と日が重なる日を節句となっているのよ」
「カレンダーにあった。三月三日や七月七日というようにですか」
「そうね。もう一つは、九月九日になるけど」
「…」
そんな祝い事のある日で、セシルはこうしてきちんと話は出来る。けれど、何故スザクは、二人の間に何かあったわけでもないのに僕を避けるのだろうとその理由が思い当たらず、表情に影を緒としたライを見て、セシルが柔らかな口調で言った。
「今はスザク君からは何も言わないけれど、決してあなたを嫌いになったわけではないから、また普段どおりに仲良くする日があるわ。だから、スザククンを信じてあげて」
視線を上げたライと顔を向き合ったセシルの表情は目を細めた優しげな笑みだった。
前にスザクとの間で会話を交わしていた日から、何かを知っているようではあったけれど、今はスザクの事で何を聞いても答えてくれそうな事だけは理解できたライは、黙ったままこくりと頷いた。
夕焼けの色が、カーテンを通して部屋へと差し込む頃、部屋から出てきたスザクは、先早に足音をたてながら、リビングルームへとやってくると、開口一番に、ライを探し始めていた。
「ライ! あれ・・・?」
しかし、部屋を見渡しても誰もいないのに、首をかしげていると、丁度食事の用意を済ませていたセシルに気づいてスザクから声をかけた。
「あっ、母さん、ライは?」
先ほどまで、ライ君が気にしていたのに、今度はスザクのほうが追いかけてることに、やっぱり仲がよいのだとにっこりと嬉しそうに微笑んだセシルは振り返りながら、
「キッチン傍のテーブルにいるけど、今はそっとしておいたほうがいいかも」
気になる言葉を残して、通り過ぎていった。
一瞬スザクは首を傾げそうになったが、今日の自分の行動と、扉を閉じる際に見たライの寂しげな表情を思い出して、気まずい顔となる。
スザクとて、セシルの言うとおりライが嫌いになったわけでもなかったのだが、ただ避けるような行動をとっていたのは、ライを驚かせる準備をしていたからだった。
お祝いを込めて手作りの兜をプレゼントしようと、部屋にこもっていたのだが、もしかしたら知らず知らずそれがライを傷つけた原因で悲しませているのかもしれないと、スザクは慌てて駆け寄ってみる。
すると、すぅすぅとした寝息をこぼして、テーブルに両手を枕にしたまま眠っているライを見つけることが出来た。
綺麗な睫の縁取る寝顔に涙の痕がないことに、ほっとスザクは胸をなでおろすのだが、テーブルに一皿ラップに包まれているのが目に留まる。
気になって、覗いてみるとスザクは目を見開いた。
後から近づいてきたセシルが教えるように口にするのだ。
「それは、ライ君が作ったのよ。あなたのために何かできることはないかって聞いてね。スザク君が隠していた事は内緒にしてあるけれど、それまでライ君あなたの事ずっと待ってたみたいだから、今は少しだけ寝かせてあげてね」
一枚の皿にあったのは、オニギリで作った鯉のぼりとその下に、スザクやライ、ロイド、セシルの顔をおかずや海苔で作った卵が四つ並んであった。
どれも笑顔で、スザクに笑いかけてるように見えた。
ライの方が急に避けられて寂しい思いをしていたはずなのに、涙がこぼれたのはスザクのほうだった。
「ごめん、ライ。ありがとう。目が覚めたら俺もちゃんと話すから、ちゃんと渡したいものがあるから。だから今度は、いつもどおりの俺達に戻ろうな」
眠ったままのライへとスザクは泣かぬ様にと我慢して掠れた声で告げた。
それを聞いたのか偶然なのか、ライが笑ったように表情を緩めた。
今度こそ、ライを落ち込ませるためではなく、喜ばせる為にスザクはこぼれでた涙をぬぐいとった。
それから、普段どおりの二人に戻ったように話し始めて、スザクから兜を貰い、セシルからは二人で本を貰い受け、家族揃っての楽しい端午の節句をお祝いするのだった。
終わり
PR
この記事にコメントする