いとしき闇は、意外にやさしい

にょたライ番外編投票にて、「狂王ライとにょたライが恋人同士に」というネタを頂きました。 恋仲設定のにょたライ視点で
ライ×ライ（女体化）です。
お話は、続きからになります。

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Girls　Dream of bubble・番外編_{いとしき闇は、意外にやさしい}



―にょたライ視点―


「貴様自身を私は失いたくはない」


　言葉は抑揚もなかったけれど、ぎゅっと抱きしめる腕は熱を込めているほどに強かった。
　まるで全てを失ったかのように、心を引き裂かれたような寂しさが身体を通して伝わってくるのは、自分の半身なのだと思える存在だからだろうか。
　それとも、恋情たる気持ちを抱いてしまった故にそう思うのか。我知らず鼓動は高鳴り続ける。


　自分自身を知りたいと一層思った。だからこそ、もう一人の男、ライディオに尋ねたとき、彼は冷たく引き離すように口にする。


「過去を知ってなんになる。今の貴様には必要のないものだ」


　何度もなく拒絶の言葉を向けられる。
　ライディオを通じて、時折呼び起こされる思い出はあまりよいと思える記憶ではないことは知っていた。
　けれど、自分自身がそこにあるようで、またそこに自分の生きてきた証があるようで知りたい気持ちは一層募っていくばかりだ。

　何に喜び何を想い何を大事にしてきたのかと、僕は知りたいと強く願った。


続く