コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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★ プロフィール
HN:
ナッキー観音
HP:
性別:
女性
趣味:
BLゲーム/男主夢小説/小説書き
自己紹介:
(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
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★ お気に入り
★2010/06/03 (Thu)
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六月からも管理人はお話作り続けていけるように頑張りたいと思います。
これからもよろしくお願いします。
振り返る術の知らぬ山羊の続きで、
モニカ×ライです。
お話は、続きからになります。
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六月からも管理人はお話作り続けていけるように頑張りたいと思います。
これからもよろしくお願いします。
振り返る術の知らぬ山羊の続きで、
モニカ×ライです。
お話は、続きからになります。
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虹をまってる
夏ほどではないが気温は暖かくなり、波の打ち寄せる海へと二人はやってきた。
空にかもめが何羽も潮風に乗って羽ばたいてる光景が見られる。
戦いを一瞬でも忘れてしまうような穏やかな空の風景にライは目を細め呟いた。
「これで、三度目か」
モニカと海に行くことになったと話が出たとき、ひどくスザクとセシルは驚き、ロイドは笑っていた。反応の理由がライにはわからなかったのだが、休日に外へ出回ったり考え事をしたりする以外特に予定もなかったので、来て見たのだが気持ちは普段と違い少し上向いていたのは、青く輝いた海の穏やかな波と潮風のにおいが気持ちを落ち着かせたのかもしれなかった。
風が運んで塩の香りが鼻を掠め、鳥と波の音に耳を傾けるように、ただぼんやりと意識がもっていかれそうになったところで、ふと視界が何かに覆い隠される。
正確に言えば、かぶせられたのが正しいか。
「ぼーとしてると、熱中症になるわよ」
それは先ほどモニカの持っていた麦藁帽子だと察する前に、片手で視界を防いだ帽子を持ち上げると、覗き込むように立っていたモニカが微笑んで映る。
「楽しそうですね」
「そう見える?」
軍服ではない夏らしいワンピース姿の私服のモニカは、どこか新鮮に見えた。
着ている服のせいか、表情が和らいでいるせいか、きちりとした仕事中の彼女ではなく、本来の女性の一面を見た気分だからだろうかと、ライは考え込むと、モニカのほうから話しかけてきた。
「貴方は他の人とこういうところで二人きりなんて、以前にもあるのかしら」
「仕事以外できたのは初めてです」
一瞬虚をつかれたような顔をしたモニカが、目を細めるように笑みを戻す。
モニカの華やいだような笑顔を見て、本当によく笑う人だなとライは凝視していた。
「ならもっと、時間を有効に楽しみましょうか」
モニカの手が伸ばされ、引き寄せられるようにライの手を軽く引っ張ると、そのまま二人でゆっくりと歩き始めた。
『・・・様。海って、水溜りより大きくて広いのですか?』
寄せては返す波に誘われるように、ふと自分に呼びかける子供の声が記憶共に横切った。
繋いだ手はライよりも幼く、黒く髪の長い少女であったが、顔はぼやけて曖昧で誰かまでは思い出せなかった。
けれど、手を繋いだ自分は彼女を大事に思っていた事だけは理由もなく感じられて、目を伏せる。 急に立ち止まったライにつられてモニカも足を止め、心配そうに顔を覗き込んでいた。
「平気?」
夢から覚めたように、少女ではなく司会はクリアになっていき、目の前にいるモニカが映り、また何かの拍子に記憶が呼び起こされたのだということを知るかのように額に手を添える。
以前はあった頭にズキズキとした痛みはない代わりに、心ひどく悲しみが波紋のように募る。
綺麗な人形と思えるくらい、ライは無表情が板についている為つい忘れてしまうけれど、ライにも感情がある。
それは些細なことで見落としてしまいがちになるけれど、気づかないうちにライは一歩一歩と知らぬ間に遠ざかっていく。
誰が傍にいたとしてもだ。
ライにしては無意識にしてもその儚い雰囲気を持ったこの少年だけはほっておけないと、モニカは堅く心を改めさせられる。
不安を読み取ったように、ライのほうから気遣うように言葉が投げかけられる。
「はい。心配はいりません」
「・・・心配なのは、空のほうかもね」
ふっと寂しいそうに笑ったモニカの言葉を受け、その視線を辿るように空を見上げると遠くのほうで黒い雲が近づいてくるのが見えた。
不安が現実のように黒い雲が空を覆いつくし、霧雨が降り注ぐ。
雨宿りにと選んだのは、寂れた木造の小屋だった。
「貴方が自然に笑ってられる場所は何処にあるのかしらね」
窓の外を眺めたまま呟いたモニカに、ライは無言で返した。
それは自分の事を言われてることに気づいてないのもあるのだけれど、何よりも先ほどの追憶が何かと気になったからだった。
前にもルルーシュに言われたのだが、少女の幻影を何度も見るように、やっぱり自分には妹がいたのかもしれないと思った。
今回の場合でなくとも、同じ少女は登場する。それは夢の中であってもだ。
かも知れないと思うのは、妹の存在ではなく、生きてるのかどうかもわからない故の言葉だった。
しかし、どうしてそう思うのか自分でもわからなかったが、その少女を振り返ろうとすると胸が痛んだ。
湿気を含んだ空気が余計に気持ちを重くさせ、空では小さな雷の音が聞こえてきた。
「平気? 多分今は、にわか雨だけどまた晴れるわよ」
顔をあげると、ふわりと香りが鼻をくすぐり見つめた先には、肩に寄り添うようにモニカが傍にいた。
晴れると空に向けての言葉というより、ライに向けての言葉に聞こえたが、ライは何も言わなかった。
答えず視線を伏せたせいか表情が翳ったように見えたのもあって、モニカの手がライの手を包み込む。
雨ではなく、ライの心に呼びかけるように安心させるかのその手は優しかった。
雨が止む夕暮れの沈むまでの間、二人で海辺を過ごしていた。
霧雨が降り注ぎ、砂浜にしみこんでいく。
まるで、ライの記憶の奥底に沈み込んでゆくみたいに。
しかし、モニカは、雨のあがった空にできる虹を待つように、ライの傍に寄り添っていた。
いつしか、彼の支えになれるようにと。
終わり
夏ほどではないが気温は暖かくなり、波の打ち寄せる海へと二人はやってきた。
空にかもめが何羽も潮風に乗って羽ばたいてる光景が見られる。
戦いを一瞬でも忘れてしまうような穏やかな空の風景にライは目を細め呟いた。
「これで、三度目か」
モニカと海に行くことになったと話が出たとき、ひどくスザクとセシルは驚き、ロイドは笑っていた。反応の理由がライにはわからなかったのだが、休日に外へ出回ったり考え事をしたりする以外特に予定もなかったので、来て見たのだが気持ちは普段と違い少し上向いていたのは、青く輝いた海の穏やかな波と潮風のにおいが気持ちを落ち着かせたのかもしれなかった。
風が運んで塩の香りが鼻を掠め、鳥と波の音に耳を傾けるように、ただぼんやりと意識がもっていかれそうになったところで、ふと視界が何かに覆い隠される。
正確に言えば、かぶせられたのが正しいか。
「ぼーとしてると、熱中症になるわよ」
それは先ほどモニカの持っていた麦藁帽子だと察する前に、片手で視界を防いだ帽子を持ち上げると、覗き込むように立っていたモニカが微笑んで映る。
「楽しそうですね」
「そう見える?」
軍服ではない夏らしいワンピース姿の私服のモニカは、どこか新鮮に見えた。
着ている服のせいか、表情が和らいでいるせいか、きちりとした仕事中の彼女ではなく、本来の女性の一面を見た気分だからだろうかと、ライは考え込むと、モニカのほうから話しかけてきた。
「貴方は他の人とこういうところで二人きりなんて、以前にもあるのかしら」
「仕事以外できたのは初めてです」
一瞬虚をつかれたような顔をしたモニカが、目を細めるように笑みを戻す。
モニカの華やいだような笑顔を見て、本当によく笑う人だなとライは凝視していた。
「ならもっと、時間を有効に楽しみましょうか」
モニカの手が伸ばされ、引き寄せられるようにライの手を軽く引っ張ると、そのまま二人でゆっくりと歩き始めた。
『・・・様。海って、水溜りより大きくて広いのですか?』
寄せては返す波に誘われるように、ふと自分に呼びかける子供の声が記憶共に横切った。
繋いだ手はライよりも幼く、黒く髪の長い少女であったが、顔はぼやけて曖昧で誰かまでは思い出せなかった。
けれど、手を繋いだ自分は彼女を大事に思っていた事だけは理由もなく感じられて、目を伏せる。 急に立ち止まったライにつられてモニカも足を止め、心配そうに顔を覗き込んでいた。
「平気?」
夢から覚めたように、少女ではなく司会はクリアになっていき、目の前にいるモニカが映り、また何かの拍子に記憶が呼び起こされたのだということを知るかのように額に手を添える。
以前はあった頭にズキズキとした痛みはない代わりに、心ひどく悲しみが波紋のように募る。
綺麗な人形と思えるくらい、ライは無表情が板についている為つい忘れてしまうけれど、ライにも感情がある。
それは些細なことで見落としてしまいがちになるけれど、気づかないうちにライは一歩一歩と知らぬ間に遠ざかっていく。
誰が傍にいたとしてもだ。
ライにしては無意識にしてもその儚い雰囲気を持ったこの少年だけはほっておけないと、モニカは堅く心を改めさせられる。
不安を読み取ったように、ライのほうから気遣うように言葉が投げかけられる。
「はい。心配はいりません」
「・・・心配なのは、空のほうかもね」
ふっと寂しいそうに笑ったモニカの言葉を受け、その視線を辿るように空を見上げると遠くのほうで黒い雲が近づいてくるのが見えた。
不安が現実のように黒い雲が空を覆いつくし、霧雨が降り注ぐ。
雨宿りにと選んだのは、寂れた木造の小屋だった。
「貴方が自然に笑ってられる場所は何処にあるのかしらね」
窓の外を眺めたまま呟いたモニカに、ライは無言で返した。
それは自分の事を言われてることに気づいてないのもあるのだけれど、何よりも先ほどの追憶が何かと気になったからだった。
前にもルルーシュに言われたのだが、少女の幻影を何度も見るように、やっぱり自分には妹がいたのかもしれないと思った。
今回の場合でなくとも、同じ少女は登場する。それは夢の中であってもだ。
かも知れないと思うのは、妹の存在ではなく、生きてるのかどうかもわからない故の言葉だった。
しかし、どうしてそう思うのか自分でもわからなかったが、その少女を振り返ろうとすると胸が痛んだ。
湿気を含んだ空気が余計に気持ちを重くさせ、空では小さな雷の音が聞こえてきた。
「平気? 多分今は、にわか雨だけどまた晴れるわよ」
顔をあげると、ふわりと香りが鼻をくすぐり見つめた先には、肩に寄り添うようにモニカが傍にいた。
晴れると空に向けての言葉というより、ライに向けての言葉に聞こえたが、ライは何も言わなかった。
答えず視線を伏せたせいか表情が翳ったように見えたのもあって、モニカの手がライの手を包み込む。
雨ではなく、ライの心に呼びかけるように安心させるかのその手は優しかった。
雨が止む夕暮れの沈むまでの間、二人で海辺を過ごしていた。
霧雨が降り注ぎ、砂浜にしみこんでいく。
まるで、ライの記憶の奥底に沈み込んでゆくみたいに。
しかし、モニカは、雨のあがった空にできる虹を待つように、ライの傍に寄り添っていた。
いつしか、彼の支えになれるようにと。
終わり
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