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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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web拍手にあるのは、女体化ライ小説(絵含む)・現在6種類。女性化ライ・番外 スザク篇話追加


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(女性主権のBL編)(BL編)ライ・受ラブ同盟
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2010/06/11 (Fri)
BLお相手アンケート投票ありがとう。結果により、スザライ。
LCゲーム学園編のスザクにて、図書館イベントの裏は?スザクのあれはこうあったんじゃないかと予想と管理人の希望が混じっています。
スザク×ライです。
お話は、続きからになります。



棄てきれないもの



 誰しも綺麗なものをその瞳に映すと目が喜び、神聖な場所を訪れると心が洗われる様に雑念が薄れる。

 その心を見透かすような銀の瞳に、僕は自分の中にある闇を見てしまい恐ろしくもあるがそれでも目が離せなくなる。
 一体何人がその瞳に捉われたのか、僕にも知る良しもないけれど、ライの心はまるで水面に落ちた雫が波紋を描くように静かに、何処までも見えない深海のように奥深いところにあるようで、近くに手を伸ばしても触れる感触さえないような気がした。



 昼間の図書館に訪れたスザクは、本棚に並べられた本のタイトルと独特の本の匂いを辿るように歩いて、首をめぐらす。
 立ち止まったのは、目的の本を見つけたのではなく、遠くからでもわかる綺麗な髪の主が、本棚の間をまるでかくれんぼするかのように通り過ぎていくのを見つけてしまったからだった。
 一瞬の幻を見たような錯覚と、会いたかった喜びに自然と僕の胸が高鳴った。


「ライ・・・」


 求めたように声が出てしまい、僕はそれを隠すことなく、足が動いて銀色を探し始める。
 本棚の偶にすれ違う人とで、この時迷路に迷い込んだように思うのだが、ゴールがないわけではなく、机にて真剣に読んでいるライの後ろ姿を見つける。
 慌てる事はなかったのだが、歩き回ったせいか息を乱した僕は、ふぅっと息をはくように整え、その時ちょっとした悪戯心が芽生え、足音を消すようにライに近づき、その華奢な肩へと手を伸ばした。


「ライ」

「スザク!」


 肩を叩いた僕に、足音を消して近づいたことが良かったのか、思ったとおりライは、けれど普段の無表情ではなく少し瞠目した表情で振り返る。
 滅多に態度を崩さないといえばいいのか真顔の多い彼が、少しだけ人間じみた隙をつかれた表情に、そんな顔も出来るんだと安心して僕は口を緩めていた。

だけど、昔から武道の心得もあり身についた洞察力が、ライの無意識と思える動作で、僕から一歩距離を置くように足を後ろに引いたことは見逃さなかった。
 まるで、以前から身に沁みたと思えるほど自然な動きだったから、彼も武道を習っていたんだろうかと確信めいたものが頭に浮かぶ。


「声が大きいよ。ライ。けど、そうやって驚いた顔を見られたから嬉しいね」


 若干声を潜めて、ちょっと笑うように言った僕に、ライは黙然と目を伏せて視線を逸らす。
 照れ隠しのようにも見えるところが、正直可愛いなと思ったのは秘密だけどね。


「ああ」


 肩越しに僕が見る前に本を閉じてしまったらしく、机に置かれた繊手の下は、本の表紙しか見えなかった。

 ブリタニアの古い歴史書を見ていたのは、熱心に読んでいたのもあって、直感的に興味本位というよりも、そこから何か例えば記憶となるものを探していたのかもしれないと僕は思った。

 でも、まだ僕の距離は遠くに感じるのは、過去を
求めるライの姿が余計にそう感じさせるのかもしれない。

 今のライが必要としているのは、誰かではなく過去なのだと。
 

 僕の名前を覚えて、声をかければ答えてくれるくらいの反応は見せてくれる様にはなったけれど、まだ一歩、いやライとの距離を縮めるのには僕を含めて一線を引いているように見える。
 
 けれど、記憶がないからとてあまり周りを頼らない孤高とする彼の存在は、綺麗な見た目と内面から出る弱さゆえか、どこか神秘的であまりにも儚いからこそ、ミレイさんを筆頭につい気にかけてしまうのかもしれない。
 ライを通して昔の自分を思い出したこともあって、それが余計に彼を気にしているのだけど、そう理由をつけて仲良くなりたいと僕はそう思ってならない。

 最初はただ友達としてだと思っていたけれど、接していくうちにそれ以上の感情を抱いてる事に戸惑ったけれど、紛れもない僕の本音だった。


「スザクは勉強か?」


 手元に持ったままの本に視線を向けたライに、僕は思いついたように誘いをかけてみた。
 

「ああ、そうだ。勉強で必要な本を探しているところなんだけど、この通り量もあるから一人じゃ見つからなくて、ちょっとだけ手伝ってくれないかな?」

「・・・・」

「頼むよ」


 残った本の整理を手伝って欲しいと思ったのもあったけれど、ライともう少しだけ話をして過ごしたかったのもあったけれど、もしかしたら、もっと親密になろうと心が動いたからかもしれない。
 だから、自然と口にこぼれていた僕に、ライが口を開いた。


「手伝うのは構わないが、何をすればいいんだ?」


 断ることもなく話を変えるのにあわせただけかもしれないけれど、僕はつい嬉しくなってたまらず笑顔を見せた。 


「ありがとう。これなんだけど」


 ライの手伝いのおかげで早く終わった頃には、あの驚くような表情もなく、張り付いたような無表情へと戻っていた。
 一度だけ、口端を引き上げるような微笑をこぼしていたのは見たことがあるけれど、あれ以来ライの笑った顔はない。
 もしかしたら、僕以外の人には笑いかけてるところを僕が見たことがないから余計にそう思うのかもしれないけど。
 
 ただ僕がライを見かける時、いつも見るのは難しそうな顔で考え事をしている時と、どこか遠くを見るように空を見上げる時だ。
 そうしている時は大抵一人きりで、決まって寂しげに目を伏せる。

 声をかけると一瞬でそれも消えてしまうけれど、ライからは言葉にはしないものの、本当は寂しいじゃないのだろうか。

 それに気づいているのは、僕だけではないことも知っている。
 特に心配しているのは、ミレイさんだけど。

 誰一人自分を知らない世界で、自分が誰かもわからない不安を抱えたライを助けたいと思うのは、本人にはおせっかいなのかもしれないけど、僕はどうしても、ライの笑顔をもう一度だけでも取り戻せるきっかけが欲しいと願わずにはいられなかった。


続く 

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