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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2009/08/08 (Sat)
アーニャと小動物のコンビを書きたくて書いてしまいました。

アーニャ×ライです。
お話は、続きからになります。

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主従恋人 「何をしててもつい考える」



濡れた毛を震わせて、訴えるくりくりとした円らな二つの瞳が見上げる。両手に抱えた子猫に、アーニャは呟く。


「見つからない・・・」


 休日、主であるライに許可を貰い外へと出かけたアーニャ、許可を貰ったといっても、特に予定しているのはなく、主であり、恋人でもあるライから、言われた言葉に頷いただけ。
 年頃の女の子なら、同級生と過ごすのも悪くはないということだったが、特に親しい友人もいるわけでもなく、淡々とした喋りで表情もあまり変わらないアーニャは、近寄りがたいのもあるし、何より、本人がそれを気にしたこともなく甘んじて受け入れてるのもあって、一人で街を歩いていた。
 ふとした瞬間にも、考えてしまうのは、主であるライの事、私がいなくてもライは強いけれど、内面的には弱いものもある。それを周囲に気を配って見せないで一人で抱え込んでしまうライの弱さをアーニャは、理解しているからこそ心配だった。
 公園のベンチでいつもの携帯をいじっていると、足元に小さな子猫が擦り寄ってきた。
 それだけの事だったけれど、子猫と遊ぶ時間をもったアーニャに、空は雫を落とした。
 最初はポツリポツリと小さな雫ばかりだったが、やがて周囲を濡らすほどの霧雨へと変わり、母猫を探す為に、子猫を抱えたアーニャは、雨の中で立っていた。


「ニー」


 寒いのかそれとも励ましているのか雨にまじって聞こえる子猫の声に、アーニャは目を向ける。寒さに震える小さな身体をたいして大きくもないその腕で抱きしめるように身体を寄せて、片手で撫でると子猫が目を瞑るようにして喉を鳴らした。
 そのことに、安堵したように、アーニャの目が僅かに細まる。それは些細なことで、よく見ない限りは、わからないアーニャの表情の変化だったが、子猫は確かにその優しさに触れ、安心していたのだ。
 晴れの日は人通りもある公園も、雨の日は人を寄せ付けないのか、さっきとは違って人の姿もないままだったが、それでも、アーニャは自分が濡れていることにすら眼中にないのか、母猫を探していた。
 まだまだ小さな子猫だから、母猫が近くにいるのかと考えていたからだったが、猫一匹姿も見えない。
 植え込みの中を覗き込んでみたりと探しても、やはり見当たらない。
 漂う香りは、湿気を含んだ雨の匂いばかり。
 ライは、きっと帰りを待ってる。私が守る側であって、従者としてなら、主に余計な杞憂をさせるわけにはいかない。
 そう思って、溜息をつくのと共に、大きな影がアーニャに覆いかぶさり、雨が触れることなく頭上で、何かの上に弾けた音を聞く。
 アーニャが見上げた其処に、主として心配そうな顔をしたライがいた。迎えに来たのは、恋人してなのか。こちらもわかりにくいほど小さな表情の変化だったが、アーニャにはそれが伝わった。


「ニー」


 子猫が鳴くのと一緒にアーニャが振り返った。その抱えた腕の中の子猫を視界に捉えたライは、それを見て困ったように眉を下げて、


「もしかして、今までずっと母猫を探していたのか?」


 確かめるようにライが訊ねると、アーニャが頷く。雨でびしょ濡れとなり、いつものふわふわとした柔らかさを持ったピンクの髪が水気を含んで、重く毛先から水滴を落としていた。


「・・・・・その様子では、まだ見つかってはいないのだな」

「・・・・」


 問いかけるように向けたアーニャの瞳は、諦めたものではなく、子猫とアーニャを交互に確認するように視線を動かしたライは、傘を持っていないほうの手で、アーニャの頭を撫でる。


「・・・わかったよ。僕も探す、だが、今日はあいにくの雨だ。このままで此処にいても、アーニャ、それとその子猫も身体を冷やしてしまう。だから、また後日此処に探しに来るとして、今日は帰らないか?」

「ニー!」


 アーニャの代わりに、子猫が自分の存在を教える。この子猫はどうするのかと無言で訴えかけてくるアーニャに、ライは気づいて、苦笑する。


「ミレイさん達には僕から、訳を話しておくから、その子も連れて帰ればいい」


 目元を優しく僅かな微笑のライに、アーニャの瞳が驚いたように僅かに開いてそれから、嬉しそうに笑みを浮かべる。
 抱きしめた腕に力がこもったのか、鳴き声を出す子猫の頭にライが触れてから、アーニャと共に歩き出した。

 安心したせいか、ようやく雨の冷えを感じて、ぬくもりを求め、アーニャがライに寄り添う。従者ではなく、恋人して甘える姿に、小さく笑ったライがアーニャの肩を引き寄せた。
 近づいた距離に温もりを肌越しに覚えて、アーニャが顔を寄せる。まるで、子猫のように。
 子猫も自分も忘れるなと言いたげに、甘えた声で鳴いて、二人と一匹、一つの傘の下で雨の音を聞きながら、歩いた道はほんの少しの温かみを持って冷たさを溶かしていくのだった。


[留め]

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