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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
影の実力者?
扉の叩く音を耳にして、ライは、読んでいた本から手放すようにして、ベットに置き去りにすると、歩み寄った足が扉の前で立ち、開いてみると、
「フフッ、こんにちは」
普段の無表情ではなく、愛想を振りまくような笑顔で両手を後ろへと合わせるようにして、立つアーニャに、ライは首を傾げる。
アーニャ本人であることはわかっていても、雰囲気にその表情に違和感を覚え、けれど、その違和感が何かも答えを見つけ出す前に、
「お邪魔しても、いいかしら?」
「あ、ああ」
口調も違うことに戸惑いながらも、ライが答えるよりも早く、アーニャが部屋と入り込み、ライは特に咎める言葉もなく、開いた扉を閉めた。
ぎしっと、軋んだ音を後ろに聞いて、振り向けば、アーニャがベットの上に腰掛けていた。
「さっきまで、本を読んでたの?」
アーニャへと近づいたライは、ああっと、言うようにして、同じようにベットに座る。
目に入った本を手にとって、パラパラと流すようにめくっていた、アーニャはライが近づいても、移動することはなかった。
「記憶を探すなら、外へ出歩いていたほうが、ずっと健康的じゃない?」
「そういう日もあることにはあって、此処の世話になってる人達にもそれとなく言われたが、曖昧な記憶を見つけ出すことに、僕はどうにも焦っている傾向があるらしく、偶に、こうして違うことを・・・、気分転換というものを、必要なんだと学んだ。それを実践している」
「そう。でもね、自分の事を探すよりも、貴方は貴方のままでいられるなら、貴方の幸せなんじゃないかしら?」
「・・・・」
会話をしている間も、本に目をやったままのアーニャに、ライが視線をやったことに気づいてか、アーニャがやっと、顔を向ける。
「何?」
「違和感を覚えていた、気のせいかと最初は思ったが、君と話しているうちに、違和感の正体がまだ明確ではないが、少しわかったことがある」
「・・・・」
「君はいったい誰なんだ?」
沈黙が降りた。ライの真剣な表情とは裏腹に、不意に笑い始めたアーニャが言った。
「本当ね、C.C.の言うとおりだったみたい」
面識のないアーニャから出るはずのない、名前が出て来て、ライが眉を顰める。
「そんなに、怖い顔しなくていいのよ?。貴方の敵だというものでもないでしょう」
「君は? アーニャではないんだな」
「それを教えてあげてもいいけど。違和感の正体は、アーニャ。つまり、私ね。今は、この子の体を少しだけ借りてるだけよ。だけど、この子にも、貴方にも危害を加える意思はないわ」
「アーニャの身体を借りてるとは、どういうことだ」
「運命ね。そう言ってしまったほうが、簡単でしょ?」
「では、質問を変えよう。僕のもとに現れたのは、何故だ?」
「可愛くないわね、まぁいいわ」
横顔を見せたアーニャの表情はアーニャであっても、別の誰かを見ているような妙な気分にさせられた。
「ルルーシュの様子を見に来たの。だけど、C.C.が偶に貴方の事を、言うから、気になって挨拶に来たのよ。母親としてね」
「っ、母親?」
「疑ってる?。でも、これは、本当よ。ルルーシュの近い位置にいる貴方が、どんな子が話したかっただけなの。変に警戒されちゃったみたいだけど」
いつものアーニャとは、違った喋りでルルーシュの母親と語るアーニャの姿をしたというか、アーニャの姿を借りた誰かがライの隣で、微笑んでいた。
「さすが、ルルーシュね、ちゃんと傍にいる人を選んでいるわ」
「・・・」
「それで、優秀な片腕と言われる貴方に一つお願いがあって、ルルーシュがもし私と会ったときは、貴方がっ、何、で、今頃・・・」
突然頭を抑えるようにして、苦痛な表情を浮かべたアーニャは、糸の切れた操り人形のように、崩れた。
地面に倒れそうになったアーニャの体を支えるようにして、片手で抱きとめた。
覗いた顔は、意識はなく、目を閉じてはいたが、呼吸はあって、その事を安堵するように、ライは息をついた。
ルルーシュの母親と呼ぶ女が、どうした訳かアーニャの体を使って、ライに接触してきた。何のためにと思ったが、とりあえずアーニャをベットに横たえることにした。
「ライ・・・?」
「気がついたのか。体調は平気か?」
小さく頷いたアーニャは、身体を横たえたまま、無表情ながら心配の色見えるライに視線を上げる。
「偶に記憶がなくなるときがあるけど、今日もそうだったみたい。覚えがないから」
アーニャの中の誰かと会話したことを言うべきか、アーニャの表情はいつもどおり淡々としているがどこか不安が除いていた。
「少し休んだほうがいい」
「・・・私、ライに何かした?」
「それは、顔色が良くなってからにしないか?」
アーニャの前髪をかき上げるように頭をなでると、アーニャは気になっているようだったが、ライの撫でる手に導かれる様に目を伏せて瞳を閉じた。
二人きりとなった室内は、沈黙に包まれていたが、先ほどのような警戒心はなく、ただ不安を溶かすような優しさがあるだけだった。
[留め]