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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
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★2009/10/22 (Thu)
風邪のお見舞いの
カレン×ライです。
お話は、続きからになります。

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痛みを優しさに変えて


室内で、ゴホゴホッと大きく咳を零したのは、学校では淑やかにを仮面とした、元気な少女は今や、ベットの上で寝込んでいた。
ずっと、秘めていた事が黒の騎士団として生まれ変ってやってきてから、学校と基地と行き来していた。
そこで、やっと手にしたのは、大きな力を持ったゼロという指導者、それが自分達の仲間として存在し、彼のおかげで変わってきた事も幾つかある。
 紅蓮という名の機体を貰い受け、自分の手足のように駆使しブリタニアの貴族達と戦えるほどになった。
 今まで元気で何もなかったのが、不思議なくらいだが、今になってそれが纏めて帰ってきたらしく、ベットの中で手を額の上に置くようにして不満げに眉を寄せた。長く寝てる暇なんてないのにと。
 だが、カレンの思いとは裏腹に、熱は下がる様子もなかった。
 室内を改めてみるように横目にすると、忙しかったためか多少物に散らかった室内には、カレン以外の人の気配はなく、静かだった。
 ふぅーっと息をついて、目を瞑ると、不意に仲間の言葉が蘇った。
 それはカレンを責める言葉ではなく、労わりの言葉で玉城のからかいの言葉もあったが、それは本心ではないことは明らかだった。
 怒りから笑いに変って、表情に僅かに穏やかさが戻る。


「カレンお嬢様、ご学友がお見えになられておりますが、いかがなさいましょうか?」

「(会長かしら?)扉は開いてるから入ってもらって」

「はい、ではどうぞ。中へ」


 扉の向こうで話し声を耳にして、熱に息をつくようにカレンは、目を瞑ると同時に、扉の開く音と誰かの足音が聞こえた。


「失礼します」


 扉の向こうで一礼しているメイドに向ける為ではなく、やって来た訪問者を確認する為に、カレンはゆっくりと目を開いた。ぼやけた視界に人影が近づいてくるのが見え、何度か瞬きを繰り返しぼやけた視界がハッキリしてくると、その人物を見てカレンは瞠目した。


「カレン、熱のほうはまだ」


 どうしてライが、部屋の散らかりを目の端に確認してカレンが、布団から上半身を起こし立ち上がろうとするが、慌てたせいかベットから落ちそうになったのを、支える手があった。


「なっ、何で!?」

「? さっきまで、寝てたんだろ? ベットに横になったほうが」 

「そうじゃなくて!、何で、ライが此処に来てるのよ!」

「君が風邪をひいてるとミレイさんから話は聞いたんだ。ミレイさん達も来る予定だったが、皆で押しかけるのも悪いと思って、僕一人で来たのだが、何かあるのか?」

「・・・(会長、何考えてんだろう。あの、連絡はライをよこすって意味だったのかしら)そうじゃないけど、いいえ、なんでもないわ」

「? とりあえず、忘れるといけないからここに置いて置く。これは、皆からだ」


 そう言ってライは、ベットの横にあるテーブルに、皆からのお見舞い品を置いた。


「ああ、ありがとう。其処まで気を遣わなくても良かったけど」

「皆の気持ちだとミレイさんが言っていた。それより、病気になると寂しくなるものだと聞いたことがあるが、体調の方は?」

「(会長、ライに何を言ったの?変なこと言ってないわよね)熱はあるけど、咳もさっきよりはだいぶ良くなってるわ」

「そうは言うが、顔色あまり良くないぞ。カレンは無理しがちなところがあるから、心配になる。念のため、しばらく、様子を見たほうがよさそうだな」


 熱で頬を染め上げたカレンは、声からもいつもの元気強さは感じない。見上げた瞳がどこか不安げに見えるのは、気のせいとも思えなかった。
 表情からわからないが、心配してくれてるのだという気持ちは、カレンには嬉しかったけれど、素直になれないからこんな言葉が出ていた。


「風邪移らない程度にならいいけど、長居しないでよ」

「わかったよ。ところで気になったのだが、見る限り、誰かが看病している気配は見られないが、君の家族は此処には」

「さっきも見たでしょう?。此処では母は、メイドのままなのよ。私も一応はお嬢様のまま。それで、家族というよなやり取りも今はもう」

「寂しいんじゃないのか?」

「そうね・・・。でも、不思議と慣れると平気になっていくものよ」


 優しく、カレンの頭をサラリと撫でた手があった。随分と昔にも、似たようなくすぐったい感覚はと、脳裏に思い浮かべたのは、生前していた兄の姿。それは、一瞬だけで、触れていた人の名前と顔を認識する。


「ライ?」

「家族ではないけど、僕は此処にいるから」

「・・・・ありがとう。可笑しいわよね、一瞬だけ、お兄ちゃんに見えたなんて、顔も体型も似ていないのに」

「それは、血筋がないから、当然だ。けれど、カレンの知るお兄さんにはなれないが、甘えたくなったのなら甘えてもいいと僕は思う」


 無表情だけど、僅かながら感情を持っているのは、カレンにも付き合っていくうちに見え始めた不器用な優しさを知っているから、以前のような近寄りがたく冷たい印象はない。真面目な顔で言うライに、カレンは笑って、


「ふふっ、同級生じゃない。そんなの変でしょ」

「変?そうだとは思わないけれど、カレンがそうした弱い部分も見たのは、嬉しかった」

「馬鹿・・・」

「聞いた話だと、馬鹿だと風邪をひかないというから、それなら君も安心出来るだろう」


 それに、ふっと笑みをこぼしたカレンは、


「そうね・・・・ねぇ、ライ」

「ん?」


 手招きしたカレンに、耳を傾けたライは、頬に触れた感触に驚いた。


「貴方のおかげで、早く治りそうかもね」

「・・・・」

「そんなに驚いたの?」

「触れたいとは思ってはいたが、君から来るとは思わなかった」

「しょうがないじゃない。嬉しかったんだから」

「それは僕も同じだか、病人にあまり無理をさせたくはない」


 ベットに置かれたカレンの手に、ライの手が交わるように重ねると、カレンが嬉しそうに目を細めてライの手をぎゅっと包み込む。触れた部分だけ、温もりが交じって暖かくなる。風邪の熱ではない暖かさが融けて、妙に心地よいのは、触れ合った人が好きな人で、ライだからだとカレンはふと思うのだった。


「また学校へと戻れるまでに回復したら、我慢をやめても構わないか?」

「・・・治ったら、ね」


 コツンと額をあわせてライが囁くように言うと、同じ音量で無言で頷いたカレンが言葉を返した。唇には触れることなく、吐息だけが重なる。
 ライから離すように顔を上げると、名残惜しく追いかけたくなるカレンの瞳がそれを物語ってか、ライがカレンの前髪に手を滑り込ませ、汗に濡れた額を撫でるようにふき取ると、その仕草にくすぐたそうに笑うカレンに。


「ミレイさんにも優しくするよう言われたのだが、何かしてもらいたいことがあるなら、今聞こう」

「飲み物と、後、タオルの水変えて」

「他には?」

「それからって、後は」


 無言で問いかける無表情な顔が目を細めてるせいか、それとも、病気のせいか、なんだか普段よりも優しく見えるから、カレンが自然と口にこぼしていた。


「傍にいて、かしら」

「なんだか・・・いつものカレンじゃないみたいだ」


 ライの表情は変わっていないながらも、口調には僅かな驚きとからかいが混ざったライの声に、カレンが風邪で威力半減の強気な視線をよこす。


「何それ、貴方の言うカレンってどっ! ・・・熱のせいかも」


 怒鳴ろうとしたところ、額に手を当てズキズキと痛み出した頭に顔を苦痛に歪めて、声と共に勢いが弱まった。


「そうだな。ゆっくり休んでいるといい」

「ん、でも、あんまりじろじろ見ないでよ。部屋の中とか寝顔とか」


 眠気がきたのかうつろうつろとし始めたカレンを、起こさないように小さくライは声をかける。


「わかった」

「本当に・・・」 


 言いかけてる途中で、スゥスゥッと小さな寝息を立て始めたカレンに、ライが小さく笑みをこぼしたのは、カレンの手が、離れないようにライの手を握っていたからだった。



 


 その頃、生徒会室では、仕事中のミレイが、一人で見舞いに行ったライの事を思い返してか、笑みを浮かべて、


「カレンの熱、貰ってこなきゃいいけど♪」

「どういうこと?、ミレイちゃん」

「内緒ー。さーてと、切り替えて仕上げるわよ」

「うん」

「会長~。ライの奴、探しても見つからないですけど、何処に行ったんですか?ルルーシュもスザクも捕まらないとなると、ライに手をかして欲しい状況なんですよ。外に出るんなら、会長何か聞いてませんか?」


 ライには、皆からとお見舞いに持っていく品物を渡すだけ渡して、カレンの元へと行かせたのだが、リヴァル達はそれを知らなかった。


「さぁーねー、離れられない用事でもあるんじゃない?」

「体力面的に頼りになるのも、ルルーシュと同じくらい書類整理で頼れるのもあいつくらいなんだけど、何処行ってんだが、早く帰ってきてもらいたいよ。男手俺一人じゃ」

「リヴァルー、頑張って働いてねぇ」

「うぅ、会長の頼みとあれば断るわけには」

「よろしい。それじゃあ、後で、ご褒美あげちゃおうかしら~」

「本当ですか!? じゃあ、今から終わらせてきます!」


 へとへと気味だったのも、打って変わったように元気を取り戻したリヴァルは、抱えた荷物を置きに早々と生徒会室を出て行った姿にミレイは、苦笑する。


「本当、調子がいいんだから」

 
 そんな内容が生徒会室で繰り広げられていたことは、カレンもライも知らないことだった。 


[留め]

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