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別プログは、テキスト中心。
主に、LCライ受けの二次創作小説と名前変換無の夢小説[銀魂おおぶりテニプリ]等を取り扱っています。
↑別プログにて ルルライ話追加しました。二次創作(コードギアスLC、君に届け、黒執事、おお振り、テニプリ、銀魂)&BLとNLのオリジナルストーリーなどまいぺーすに更新中
掴みたかったのは空ではない
星空が覗く窓の外から、声が聞こえた。
「ライ・・・」
「スザク?」
申し訳なさそうに佇むスザクが、トントンと扉ではなく窓の外にいるのをライは確認した。
「ちょっといいかな?」
「ああ・・・」
外へと続く扉を開くと、スザクが部屋の中へと入るのを見届けるとガチャリと音を立て、静かに閉めた。夜にスザクが部屋に訪れるのは珍しいことだったが、何よりも浮かない顔の方がライは気になった。
「ごめんね。もう、寝る頃なのに、突然君の部屋に訪れたりして」
「いや、何かあったのか?」
ライが椅子に腰掛けるのに倣って、スザクも近くの椅子を引き寄せるようにして向かい合いに座る。
「・・・あったといえばあったかな。胸騒ぎがして」
「明日は、ユーフェミア皇女殿下の行政特区日本を設立するためにゼロとの交渉行うことになっているから、それで緊張をしてるだけじゃないのか?」
「そう、だね。それもある。ゼロがどう答えるかとか考えることはある。だけどね」
「?」
「予感だけでこんなことを言うのも、変に思うかもしれないけど、ライは行政特区日本の設立の前に僕達の前から姿を消したりしないかなって」
「・・・・・」
「僕や特派や他の皆がそれを望んではいないのもわかってるはずないのに。どうしても、君が僕達の元から消えるなんて、それは、いつかは来るかもしれないけど、今じゃないと思う。いや、思いたいんだ」
「スザク・・・」
「ごめん。明日もあるのに、不安にさせるようなことを言って、でも、君の顔を見たらなんだか安心したよ。明日は忙しくなると思うから、此処で帰ることにするよ」
消えるなら記憶が戻ったときでも、ギアスの力の暴走など自分でもとめようがない自体を作るのだったら、黙っていなくなろうとは思っていた。その考えを読まれたように、ライは何を言えばいいのか、スザクの背中に言葉も出ず、閉口した。
「・・・・」
「明日で変わる。その一歩がゼロに委ねられるけど、ユーフィの願いは僕も君も、そして、日本人も望む未来だ。だから、僕達、みんなが一つずついい方向へと叶えて行こう」
一息間を置いて、スザクは続けた。
「それが僕達にできることだから」
肩越しに振り返ったスザクの瞳は先ほどと違い、ゆるぎない決意へと変わったように見えた。その強さを確認してライも頷くと、スザクは普段に見せる笑顔になる。
スザク達と出会い守りたいと思うものを見つけたライは、自分のやれるだけの力でスザクの力になろうと思った。
例え、その結果が望んでいたものとは異なっても、スザクの強い意思を宿した瞳に光を見失わないよう、ついていこうと決意するのだった。
[留め]